名古屋大学医学部付属病院 乳腺・内分泌外科:甲状腺-治療-甲状腺癌に対する治療
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甲状腺癌に対する治療

現在のところ、甲状腺癌を抗癌剤や放射線治療のみで治療する試みは成功していません。治療の基本は癌を切除する外科治療となります。それに加えて放射線治療TSH抑制療法が補助的に行われます。

手術

甲状腺癌に対する治療の基本は手術になります。つまり、しこりを取り去る外科的治療が治療の基本です。ただし、人間ドックなどで偶然発見された1センチ未満で症状が無い微小な乳頭癌に対しては何も治療をせず経過をみるという選択枝も有ります。上で述べたように、多くの人が知らず知らずのうちに甲状腺乳頭癌にかかっているものの、そのまま一生を終えるわけです。一部の人がしこりとして触れるような大きさになり、症状がでてくるわけです。非常に小さな乳頭癌は命に関わるような他臓器への転移は非常に稀で、そのまま様子をみていくという選択枝が成り立つわけです。

多くの乳頭癌、濾胞癌、髄様癌は手術のみで完治が可能です。抗癌剤の治療は必要有りません。ただし、甲状腺ホルモンの服用は必要です。一部の進行した乳頭癌、濾胞癌では放射性ヨード治療が必要となることがあります。

上で述べたように治療の基本は癌のしこりを取り去ることですが、昔は癌のしこりのみを摘出する治療法が行われていました。しかし、しこりだけの切除では高率に再発(甲状腺近辺の再発)を来し、決して満足行くものでは有りませんでした。現在は腫瘍の大きさが1センチ未満の場合で周囲のリンパ節に転移の疑いが無く、反回神経に近くない場合はまずは経過観察をお勧めしています。腫瘍の大きさが1センチから2センチまでの場合はリンパ節転移の疑いが無ければ病変がある側の甲状腺半分を切除(葉峡部切除術)、それ以上の大きさの場合は全摘術を標準としています。以前はほぼすべての患者さんに全摘術をお勧めしていましたが、現在は上記の様に腫瘍の大きさ別に治療方針を分けています。全摘術のメリットは下記のごとくですが、小さな乳頭癌の場合は再発の可能性は非常に低いため、葉峡部切除をお勧めしています。

甲状腺全摘のメリットとしては再発率を抑えることがわかっているからです。(もともと再発率が非常に低い小さな乳頭癌ではあまり意味のある話ではありません)再発が少なくなる理由の一つとして、癌が有った側と反対側にも(甲状腺内に転移あるいは多発)癌が見つかる確率が7割程度あることがあげられます。つまり、癌が有る側のみを取り去るだけでは癌の取り残しがかなりの確率で発生するため、全摘をしたほうが再発が少ないと考えます。第二に上で述べたように、術後甲状腺刺激ホルモン(TSH)を抑える方がより再発を抑えることができます。そのために術後甲状腺ホルモンを服用する必要が有るわけですが、癌が有る片方だけを取ったときでも結局はこの甲状腺ホルモンを服用するよう指導する施設がほとんどです。それもかなり長期(おそらく数十年)になります。甲状腺全摘をした場合はもちろん一生甲状腺ホルモンを服用する必要がありますが、片側のみを切除した場合と甲状腺ホルモンの量は変わらない場合が多いと思われます。第三に術後の経過観察中に再発のチェックのために血液でサイログロブリンという物質(診断のページの中の血液検査の項目を参照)を測定しますが、これは正常甲状腺が残っていると血液中に正常組織からもサイログロブリンが分泌されるので甲状腺全摘をした場合でないと腫瘍マーカーとしては無意味になります。第四に、万一甲状腺癌が再発したときの治療法のひとつとして先ほど述べた放射線を出すヨードによる治療(内照射)がありますが、この治療をするには甲状腺全摘がされていないとできません。

甲状腺全摘に加えて、原則として甲状腺周辺のリンパ節を切除します。(リンパ節郭清といいます)リンパ節郭清の範囲は今までの検討結果から、しこりの小さな場合(4センチ未満)、かつ、甲状腺周辺へ直接広がっていないこと、かつ、手術前に腫れたリンパ節が無い場合には甲状腺に接するあたりと、甲状腺より下にある気管の周辺のリンパ節のみを郭清しています。ここであげた条件を一つでも満たさない場合はもっと外側(具体的には胸鎖乳突筋(前頚部の左右にある斜めに走っている筋肉の外側の縁あたりまで)まで郭清していますので、皮膚切開が大きくなります。このリンパ節郭清により、リンパ節再発がかなりの確率で予防されることがわかっています。
ちなみに、欧米では甲状腺癌に対して甲状腺全摘が標準的な治療となっています。

甲状腺図3
甲状腺図3

甲状腺図4
甲状腺図4

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