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学生・研修医の方へ

先輩医師からのメッセージ

助教

大学院への進学を考えている先生方へ
"世界で自分しか知らない事柄"を
見つけてみませんか?

乳腺・内分泌外科学 助教 柴田雅央

学会やセミナーで、PCRや免疫染色、マウスなどの実験結果を発表している先生がとてもまぶしく見えたことはありませんか?かくいう私も大学院に入る前は、そういった人たちを見て、「自分の知らない"なにかすごいこと"をしている遠い世界の人」だと思っていました。
大学を卒業後、市中病院で外科医として研修を行っていた頃に上司から、「博士号は"足の裏のご飯粒"と一緒だ。つまり、『とらないと気持ち悪いが、とったところで食えるモノではない』」と言われました。その後、「先輩たちが大学院に入ったから」という理由で大学院へ進学し、入学当初は、「大学病院で普通に働いていれば、いつか自然に博士号がもらえるんでしょ」と本気で思っていました。ただ、「大学院に入って学費を払うからには実験をしてみたい。実験できるようになって、"遠い世界の人"に対する劣等感をなくしたい。」と思い、菊森豊根先生に取り計らっていただき、消化器外科の神田光郎先生のもとで"乳癌における新規バイオマーカー探索に関する研究"を立ち上げることになりました。
そこで、神田先生にきめ細かく、時には厳しく御指導いただきました。そして、幸運にも"マニアな仲間たち"に恵まれ、彼らから叱咤激励されながら、大変充実した日々を過ごすことができました。実験は仕事ではありませんので、やらなくても誰からも怒られません。しかし、当然のことながら自分がやらないと結果は出ません。大学院在籍中、そして今もその葛藤を常に持ち続けていました。そんな中で味わう、(些細なことではありますが)世界で自分しか知らない事柄を見つけたときの高揚感、それらを論文にするときの試行錯誤、やっと論文を書いた後に"マニアな仲間たち"からけちょんけちょんにされたときの挫折感、ようやく投稿した論文もrejectとなりまた挫折・・・それらを経てやっとのことで論文がacceptされ、自分の名前が1st authorとして記載された論文を初めてPubmedで見つけたときの感動は忘れられません。日々の臨床業務でも多くの挫折感や達成感を感じることはできます。しかし、大学院では、それとはまた違った苦労と感動を得ることができる場だと思います。博士号が"足の裏のご飯粒"なのか、もっと価値のあるものなのかは、私もまだわかりません。しかし、学位をとる課程で経験した苦労と喜びは自分の人生の大きな財産になっています。

私が考える大学院入学のメリットは大きく3つあると思っています。
1. 臨床で味わってきたものとは違った苦労と喜びを味わう。実際は苦労の方が多いが、その分、大きな達成感を味わうことができます。
2. 研究は1人ではできません。"教えてもらう人"、"相談しあう人"、そして"自分が教える人"といった仲間が必要です。研究をすることで、一緒に苦楽をともにした仲間との"出会い"があります。
3. 大学院は、論文を書くだけで卒業できるわけではありません。様々な講義を受ける必要があります。最初は訳がわからず後ろの方で聞いていたのが、自分で実験をやるようになると、徐々に講義の内容がわかるようになり、前の方で聞いてディスカッションに参加できるようになるかもしれません。学会でも、実験に関する発表内容が少しずつ理解できるようになるはずです。ここでも自分自身の成長を感じることができると思います。

当科では、これまで蓄積されてきた臨床検体と臨床データ、そして乳癌や甲状腺癌細胞株を用いて、「乳癌や甲状腺癌における新規バイオマーカー、治療標的分子の同定に関する研究」を行っています。先生方が大学院に入学した折には、先生方の論文作成と学位取得を全力でサポートします。入学前に必要なのは"やる気"と"行動力"です。研究に関する予備知識は不要です。
我々と一緒に、"世界で自分しか知らない事柄"を見つけてみませんか?

大学院生

乳腺・内分泌外科学 大学院生 一川貴洋

丁寧な指導のもと治療に向き合い
外科医としての成長を実感

私は市中病院での一般外科修練を経て、大学院生として帰局する際に乳腺・内分泌外科を専攻しました。
大学病院ではやはり専門領域に特化した臨床に専念できるため、とくに甲状腺や副腎の手術治療に関わることができるのは大学ならではの経験と感じています。手術は執刀も助手も等しく全員で担っており、自分がどの立ち位置でも指導医の先生から丁寧に指導して頂けるので、幅広く学ぶことができる環境と思います。
また、私たちは他職種を含めたカンファレンスを定期的に行い、エビデンスに基づいた意見を皆で出し合って治療方針を決定しています。皆で熟慮した上で最良と思われる治療選択を日々捻りだしているため、専門医としての思考回路が徐々に身に付いているのを実感しているところです。
そして、臨床と同時並行ではありますが研究も積極的に行っています。医局員それぞれが研究テーマに沿って実験を進め、お互いに助け合いながら成果を上げるべく励んでいます。指導医の先生と相談して具体的なアドバイスを日常的に貰うことができるので、路頭に迷うことなく実験・考察に向き合えています。
優しい先輩達の中で、しっかりと専門医に必要なエッセンスを吸収して、外科医としてのステップアップを果たしたいです。

医員

女性が働きやすい環境で
外来や執刀を幅広く学べます

大学で働く=助教以上の人が外来をやり、予約外受診や入院患者さんだけを診る生活かな、など考えていたのですが、予想とは違いました。自分の外来を持って、初発・再発の治療を自分主体で行い、自分の外来で見た患者さんなど、多くの手術を執刀医として経験できる環境です。また、乳腺に関しては自家組織再建による1次1期再建に関われるという、経験できる施設が少ないことも経験できます。自分で1から担当している患者さんのことになるから、よりいろいろなことから学ぼうとも思い、学びも深くなるかなと考えています。
皆和気あいあいと仕事をしていて、治療方針の相談などもしやすいだけでなく、出産・育児などへの理解・協力も得やすい環境で、お母さん・イクメンが働く環境としても働きやすいと思っています。

乳腺・内分泌外科学 医員 添田郁美