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副腎

病気について

副腎の病気には内科的治療の対象となる病気(アジソン病、副腎皮質ホルモン合成酵素欠損症など)と外科的治療の対象となる病気(原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫など)があります。ここでは外科的治療の対象となる病気について解説します。外科的治療の対象となる病気はほとんどが副腎に発生する腫瘍(副腎にできものができ、腫れること)です。

副腎にできる腫瘍はホルモンを必要以上にたくさんつくるタイプ(機能性)とホルモンをつくらないタイプ(非機能性)にわけて考えます。幸い機能性、非機能性の腫瘍とも悪性のものは少なく、ほとんどが良性の腫瘍です。機能性腫瘍では必要以上にたくさんつくるホルモンによって名前が付いています。コルチゾールを必要以上にたくさんつくるタイプはクッシング症候群、アルドステロンを必要以上にたくさんつくるタイプは原発性アルドステロン症、カテコラミンを必要以上にたくさんつくるタイプは褐色細胞腫と呼ばれています。男性ホルモンや女性ホルモンは悪性腫瘍(副腎癌)に伴って必要以上にたくさんつくられることがありますが幸い非常にまれです。また良性腫瘍で男性ホルモンだけを分泌するものも非常にまれにあります。これら機能性腫瘍の場合は、必要以上にたくさんつくられるホルモンによる障害(高血圧、糖尿病など)を取り除くため外科的な治療(手術)が必要になります。ホルモンをつくらない非機能性腫瘍の場合は、腫瘍の大きさによっては手術が必要かどうか決まります。腫瘍の大きさが6センチを超える場合は悪性の可能性が高くなるため、腫瘍の形に関係なく手術が必要です。4センチ以上6センチ未満の場合は腫瘍の形がいびつな(表面が滑らかではない、でこぼこしている、内部がまだらな濃さにうつる)場合は、やはり悪性の可能性があるため手術をすすめています。6センチ未満で表面が滑らかできれいな形をしているものや、4センチ未満の場合は、手術をせずに定期的に検査をして様子をみます。一定期間後に再検査をして大きくなる傾向があればやはり手術をして良性か悪性かをはっきりさせることをすすめます。


副腎はからだの奥深くにあるので、手術で腫瘍を摘出しないと確実に診断する方法がないというのが現状です。針を刺して組織の一部を採る生検という方法もありますが、図のようにからだの奥深いところで、近くに針が間違って刺さるといけない臓器や血管があるので、腫瘍がある程度大きくないと安全な検査はできません。また、一部の組織だけでは顕微鏡による診断がむつかしいということもあり、針を刺して生検する場合は、手術が何らかの理由でできない場合に限られているのが現状です。

副腎にできる腫瘍の代表的なもの、、クッシング症候群、原発性アルドステロン症、褐色細胞腫などについてはこちらへ

副腎腫瘍の原因について
残念ながら機能性、非機能性腫瘍ともに、その原因に関してはほとんど解明されておりません。褐色細胞腫の一部には、RET遺伝子と呼ばれる癌遺伝子の異常が原因で発生することがあとわかっています。多発性内分泌腫瘍症という病気で、褐色細胞腫がこの病気の最初の症状ということがあります。多発性内分泌腫瘍症については別に説明があります。