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多発性内分泌腺腫瘍症(MEN)

手術後の合併症について

多発性内分泌腺腫瘍症の手術に伴う合併症は甲状腺、副甲状腺、副腎、膵内分泌腺のおのおのの手術の合併症の項目を参照してください。ここでは多発性内分泌腺腫瘍症の原因となる遺伝子を持っておられる方に起こることのある合併症について説明します。

多発性内分泌腺腫瘍症1型では下垂体、副甲状腺、膵内分泌腺に腫瘍が発生することが多いのですが、これら以外に副腎腫瘍、甲状腺腫瘍、皮膚に脂肪腫をはじめとするいろいろな腫瘍、胃腸や胸腺にカルチノイドという腫瘍が発生することがあります。多くはホルモンを分泌することはありませんが、まれには副腎腫瘍やカルチノイド腫瘍はいろいろなホルモンを分泌してホルモン過剰による症状がでることがあります。

多発性内分泌腺腫瘍症2A型の患者さんにアミロイド苔癬という背中の皮膚にかゆみのある発疹が出ることがあります。まれにヒルスシュプルング病という生まれつき大腸の動きの悪い部分があり頑固な便秘などの症状が出る方があります。

多発性内分泌腺腫瘍症2B型の患者さんでは甲状腺と副腎以外にもほとんど必ずあらわれる症状があります。手足が長いマルファン体型というからだの特徴、舌に神経腫ができるために舌がぶあつくなります。またくちびるや眼瞼も同様の理由で厚くなります。腸に神経節腫が多発するため通過障害をおこして大腸が大きくなることがあります。