MENU
052-741-2111 am.9:00〜pm.17:00
交通アクセス

患者様へ病気と治療

副腎

副腎とは

副腎は小さな三角形をした形の臓器で、左右の腎臓の上の後腹膜腔とよばれるところにあり、右は肝臓、腎臓、下大静脈に、左は脾臓、膵臓、腎臓、腹部大動脈に囲まれています。図(副腎1-1)、図(副腎1-2)で腎臓のすぐ上にある黄色で描いてある部位にあります。すなわち背骨のすぐ横で心臓のすぐ下くらいに位置しており、体の奥深く肋骨や周囲臓器に守られているようなところにあるため、よほど大きな腫瘍ができなければ表面から触れることはありません。左右おのおのの副腎はぎょうざくらいの大きさで2つの部分から構成されます。外側にある皮質と呼ばれる部分と、内側の髄質と呼ばれる部分で、体の恒常性を保つために重要なホルモンを分泌する臓器です。

図(副腎1-1)
図(副腎1-2)

副腎皮質は、コルチゾールとアルドステロンと呼ばれるホルモンを産生します。コルチゾールはストレスから体を守り、糖利用の調節、血圧を正常に保つなど必要不可欠なホルモンです。アルドステロンは塩分、カリウム、水分のバランスを保つのに重要な役割をします。コルチゾールは生きていくのに絶対必要なホルモンです。もし副腎の病気が両方にあり両側の副腎を摘出しないといけなかった場合は、合成されたコルチゾールの役割をする薬を内服してホルモンを補充する必要があります。片方の副腎だけの摘出でよかった場合は、残りの副腎だけで十分な量のコルチゾールとアルドステロンを作ることができます。アルドステロンの役割をする薬もありますが、こちらは必ずしも内服する必要はありません。また副腎皮質からは性ホルモンになる前のホルモンを少量産生します。これは閉経後の女性のエストロゲンのもとになるホルモンで、閉経後乳癌の方の治療と関係するホルモンです。非常にまれですが、副腎に性ホルモンを産生する腫瘍が発生することがあります。

副腎髄質はアドレナリンとノルアドレナリンというホルモンを産生します。これらのホルモンは、心臓や血管をはじめ全身の機能が正常に働くのにいろいろ重要な役割を持っていますが、なかでも非常時に血圧を上昇させたり、心臓から血液を送り出す力を強めたり、エネルギー源としてブドウ糖を血中に増加させたりする重要な働きをします。しかし副腎以外の他の部位でもノルアドレナリンを産生しますので、両側の副腎を病気で摘出しなければいけなかった場合でもアドレナリンやノルアドレナリンの欠乏症状はおこりません。