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患者様へ病気と治療

膵内分泌腫瘍

治療成績

膵内分泌腫瘍という病気はまれな病気です。したがってひとつの施設で多数の患者様を治療し、その治療成績をデータとして公表しているところはほとんどないのが現状です。残念ながらわれわれの施設においても、正確な予後調査ができておりません。当施設で手術を受けられた患者さんがどれだけ治ったかという数字はお示しできませんが、他の施設からの報告をいくつかご紹介いたします。推測ですが、われわれの施設のデータもおおよそ同じものと考えております。

インスリノーマ

インスリノーマでは90%が腫瘍はひとつだけの良性腫瘍なので、腫瘍を摘出すれば完全に治ります。米国のメーヨクリニックという有名な病院からの報告では、1982年から1998年までの17年間に手術した141人のインスリノーマの患者さんは、137人が治癒しており治癒率は97.2%でした。

ガストリノーマ

ガストリノーマの場合は腫瘍が多発していることがあるので、手術だけでは完全に治らないこともあります。しかし上記のように内服薬や注射で治療する方法がありますので、手術とうまく組み合わせて治療することが重要です。手術をせずに薬だけで治療することもありますので、専門医によく診てもらうことが大切です。

米国のNIHという国立の病院からは、肝臓に転移を認めないガストリノーマの患者さんは、10年生存率は90%以上と報告しています。肝臓やリンパ節に転移を認める、骨に転移がある、異所性クッシング症候群という病気を合併する、というような場合は予後が悪くなるとも報告しています。

その他の腫瘍

グルカゴノーマ、VIPオーマなどのその他の腫瘍は、インスリノーマやガストリノーマに比較してはるかに頻度が低いので、治療成績に関する報告はほとんどありません。