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副腎

診断について

副腎腫瘍の診断チェック項目は以下の通りです。

・腫瘍は間違いなく副腎の腫瘍であるか
・腫瘍の大きさ、位置、性状、周囲組織との関係
・腫瘍がホルモンを必要以上にたくさんつくっているかどうか
・必要以上にたくさんつくっている場合はどのようなホルモンか

腫瘍の大きさ、位置、周囲組織との関係を調べるためにCT、MRI、エコーなどの画像検査を行います。悪性腫瘍の可能性がある場合は周囲への浸潤傾向が無いかどうかをみることが重要です。悪性の場合、手術の方法や手術以外の治療法も考えないといけないからです
副腎腫瘍の検査で一番簡単に実施できる検査はCT検査で、造影剤を使用すると血管との関係がより鮮明に把握することができます。但し褐色細胞腫の患者さんは造影剤の注射で急に血圧が上昇することがありますので、造影剤を急速に注射するCT検査(ダイナミックCT検査)は原則として行いません。

図(副腎CT)
図(副腎CT)

ホルモンを過剰に産生しているかどうかを調べる検査は、採血と尿検査が主です。ホルモンは1日中同じスピードで分泌されているものではなく、ホルモンの種類によって朝に多く、夜に少なく分泌されているものや、逆のものがあります。このような変動の影響を少なくするため24時間の尿を全部ためてホルモンを測定すると正確な値がわかります。そのため入院して検査を受けていただくことがあります。簡易的に外来で尿検査(随意尿と呼びます)をするだけで判定することも可能です(同時にクレアチニンという物質を測定してホルモン値を補正します)。副腎褐色細胞腫で産生されるアドレナリンやノルアドレナリン、またそれらが代謝されて変化した物質の血液や尿中の濃度を測定することによって診断を進めます。
ホルモン測定に影響を与える食事や薬がありますので、以下のものをたくさん摂取されたときや薬を内服されているときは注意が必要です(バナナ、バニラ、コーヒー、紅茶、ココア、チョコレート、コーラ、精神安定剤、感冒の薬)。

血液や尿検査でホルモンが必要以上に高いと診断された場合、ホルモンが高すぎる原因が副腎の腫瘍かどうかを調べるために負荷試験と呼ぶ検査を行います。ホルモンの分泌を抑制あるいは刺激する薬を内服あるいは注射し、採血や尿検査をしてホルモンの変動を調べます。変動の仕方によってホルモンが高すぎる原因が副腎腫瘍かどうかを判定します。

副腎腫瘍があってホルモンにも異常がある場合、多くは腫瘍がホルモン異常の原因ですが、それをはっきりと診断するためにはさらに詳しい検査が必要です。