名古屋大学医学部付属病院 乳腺・内分泌外科:副甲状腺-病気
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病気

副甲状腺の病気は、ホルモンが多すぎる病気と少なすぎる病気のふたつに大きく分けることができます。副甲状腺ホルモンが多くなりすぎる病気は、副甲状腺機能亢進症と呼びます。副甲状腺ホルモンが少なすぎる病気は副甲状腺機能低下症と呼びます。副甲状腺ホルモンが多すぎても、少なすぎても、血液中のカルシウムの代謝が正常に行えなくなり、血液中のカルシウム値の異常と、それに伴ういろいろな症状が出るようになります。このうち外科的な治療の対象となるのは副甲状腺機能亢進症の方で、これはさらに原発性副甲状腺機能亢進症と二次性副甲状腺機能亢進症に分類されます。

原発性副甲状腺機能亢進症は副甲状腺そのものに原因があり、副甲状腺が腫れて副甲状腺ホルモンを出しすぎる病気です。カルシウムが不足したからこの病気になるのではありません。原因は、一部の遺伝性の場合を除いて不明です。原発性副甲状腺機能亢進症は複数ある副甲状腺の1つだけが大きくなる腺腫(良性)、それに対して複数の腺が大きくなる過形成(良性)、癌(悪性)の3種類に分類されています。このうち癌であることは極めて稀です。原発性の過形成は多発性内分泌腫瘍症という遺伝性疾患が原因であることがあります。原発性副甲状腺機能亢進症の大部分は、ひとつの副甲状腺だけが腫れる(腺腫:良性)病気です。
  二次性副甲状腺機能亢進症は副甲状腺以外の原因で副甲状腺が大きくなっており、大部分は、腎臓機能が廃絶した腎不全状態に長期なっておられる方におこる病気です。透析治療を長期間受けておられる方に発症する病気です。この場合基本的に副甲状腺は全部が大きくなります。

副甲状腺が腫れると副甲状腺ホルモンを必要以上に多く出すようになります。その結果、血液中のカルシウム濃度が高くなります。カルシウム濃度が少し高いだけでは何も症状はありませんが、カルシウム濃度が高くなるにつれて筋力低下、イライラ感、不眠、掻痒感、倦怠感、食欲不振、嘔吐、便秘、体重減少、消化性潰瘍による腹痛、などの症状がみられることがあります。また血液中のカルシウムが高くなると、尿中にカルシウムが排泄され尿中カルシウム濃度も高くなるので腎臓や尿管、膀胱に結石ができることがあります。結石が動くと激しい腰痛、腹痛、血尿などの症状がおこります。結石が長く続くと尿路感染、高血圧、尿毒症ひいては腎不全にまで進展することがあります。両方の腎臓に結石がみられた場合、その約5%が副甲状腺機能亢進症によるといわれています。


  副甲状腺ホルモンがたくさん分泌されることにより、血液中、尿中のカルシウムが高くなりますが、これら高くなったカルシウムの元をただせば、これらのカルシウムは自分の骨から血液中へ溶け出してきたものです。すなわち副甲状腺ホルモンが高くなると、必要以上に骨から血液中へカルシウムを溶け出すようになっているのです。そのため骨が弱くなり、本来なら骨折をおこさない程度の怪我で骨折してしまうこともあります。骨折をおこさなくても骨の痛みが出ることもあります。病的骨折と呼んでいますが、骨折をおこすような外力が加わらなくても骨が折れてしまうこともあります。ブラウン腫瘍という、一見骨に腫瘍が出来たように見える腫瘤が生じることもあります。これは原発性副甲状腺機能亢進症を長期間放置されたときに生じるもので、日本人では非常にまれです。


  原発性副甲状腺機能亢進症の患者さんをその臨床症状から3つに分類します。腎臓や膀胱に結石がある患者さんは「腎結石型」、骨がもろくなり病的骨折やブラウン腫瘍という骨の病気が出た患者さんは「骨型」、尿路結石も骨の症状も無く、血液検査ではじめて判明した患者さんは「生化学型」と呼びます。一般的に「生化学型」が早期で、病気が進行するにつれて「尿路結石型」や「骨型」の症状があらわれてきます。年度別に当科で治療した患者さんの数を調べると、以前は「生化学型」が少なかったのが、最近は「生化学型」がもっとも多くなってきています。このことは病気がより早期に発見されて合併症などが発生する前に治療を受けられる患者さんが増えてきているということを意味しています。


  当院で手術を受けられた患者さんについて、上記の3つの分類で年代ごとに分けてみると、1970年代は腎結石型がもっとも多く、次いで多いのは骨型で、生化学型で見つかる患者さんはまだ少数派でした。血液中のカルシウム測定そのものが正確でなかった時代で、超音波検査などの精密な画像検査はまだ開発されていなかった時代ですので、早期に診断されることは少なかったのです。1980年代になり、血液中のカルシウム検査値から病気を疑われ、生化学型の時期に手術可能となった患者さんが4割を超えました。1990年代になると生化学型で手術を受けられる患者さんが3分の2を占めるようになりました。血液中のカルシウムスクリーニング検査が普及してきたのと、超音波検査などの画像検査が進歩したことが大きく寄与しています。2000年以降では、骨型は減少しましたが、生化学型はむしろ1990年代より少しですが減少しています。これは原発性副甲状腺機能亢進症という病気に変化が生じたのではなく、大学病院という性格のため、手術のために紹介されて受診される患者さんが一般的な病気の分布と異なるためと考えられます。すなわち、診断が難しい、合併症を持っている、遺伝性で手術術式が特殊、再手術で手術が困難、などのいろいろな理由のため、最初に受診された医療機関では手術が難しいと判断された患者さんが多くを占めるために、このような統計では一般的な病気の分布と少し異なった結果になってきたものと考えられます。実際に手術で摘出した副甲状腺の大きさも、早期に発見されれば摘出した副甲状腺腫の重さは軽くなるはずですが、最近10年間では必ずしもそのような傾向とはなっていませんでした。


  1990年から2000年までの11年間の全国アンケートが甲状腺外科研究会(当時)で行われ、2001年に公表されました。全国120の施設から回答があり、原発性副甲状腺機能亢進症3152例が集計されました。

原発性副甲状腺機能亢進症の患者さんの中には、多発性内分泌腫瘍症の中のひとつの病気として原発性副甲状腺機能亢進症になる方がおられます。多発性内分泌腫瘍症のI型という病気では、ほとんどの患者さんが原発性副甲状腺機能亢進症を持っています。多発性内分泌腫瘍症の説明は、別に詳しく書いてありますので、そちらを参照してください。

二次性副甲状腺機能亢進症は、腎臓の病気で透析を受けておられる患者さんにおこる大きな合併症のひとつです。副甲状腺ホルモンは腎臓でビタミンDを活性化する働きを持っていますが、腎臓が悪くなると活性化したビタミンDができなくなり、その結果として血液中のカルシウムが低下します。副甲状腺細胞は血液中のカルシウムの値を感知することができ、カルシウムが下がれば副甲状腺ホルモンをたくさん分泌してカルシウムを上げるように働きます。血液中にたくさん分泌された副甲状腺ホルモンは、骨を溶かして血液中にカルシウムをたくさん出すなど、いろいろと正常とは違う状態が続くこととなります。このような状態を二次性副甲状腺機能亢進症と呼びます。

 
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