プログラム概要

名古屋大学医学部は、海外臨床実習留学のパイオニアとしてこれまで多くの学生を本学海外提携大学に派遣してきました。

1993年、当時の国際交流室室長 伊藤勝基先生のご尽力により初めてノースカロライナ大学に本学医学部生を派遣いたしました。その後、ハーバード大学、ジョンズホプキンス大学、ペンシルバニア大学、チューレン大学など、アメリカトップ大学との協定が実現し、派遣先を拡大してきました。現在では、アメリカだけでなく、ヨーロッパ、オーストラリア、アジアのトップ校と協定を締結しております。

本プログラムですが、最終学年時に行う臨床実習Ⅱの期間に最大3ヶ月間、海外で臨床実習を行うプログラムとなっています。派遣先は、本学協定大学とし、一部希望者には非協定大学への留学も認めております。

実習内容は、本学臨床実習の内容を満たすものとし、海外において充実した実習を行うことができるよう配慮しています。最大3ヶ月間、海外で臨床実習を行いますが、本学での単位認定を行うため、追加での実習は必要ありません。派遣先大学では、現地大学の学生と同様の権利が与えられ、同様の実習が可能となっています。

授業料は、授業料不徴収の協定内容に基づき、基本的に必要ありませんが、一部大学では支払いが必要な場合があります。宿泊施設についても、派遣先大学により、学内寮が用意されている場合もありますが、状況により現地宿舎を探す必要もあります。

奨学金の申請が可能な場合があります。担当者にお尋ねください。

専任の担当教員が支援して学生と共に留学を目指します。留学前には、必要な診療技術を英語で学ぶため、特別な実習が用意されます。渡航後には、現地大学の支援を受けながら実習を行います。危機管理として、渡航前には危機管理セミナーを行い、学生の危機意識を感化し、渡航後も連絡を絶やさず学生の安全や健康の維持管理に努めます。以下が詳細となっています。

2022年度以降の派遣計画

派遣時期
5年次1月から6年次4月まで
募集時期
5年次5月から6月頃
協定大学
大学の名前と国、派遣週数、派遣学生数など

新型コロナウイルス感染状況により、派遣先は変更する可能性があります。募集要項をご確認ください。

大学名 期間 人数
ジョンズホプキンス大学 アメリカ 9 2
デューク大学 アメリカ 4 1
フライブルグ大学 ドイツ 12 2
ミュンヘン大学 ドイツ 4~6 2
グラスゴー大学 イギリス 6 2
ルンド大学 スウェーデン 8 2
グダニスク医科大学 ポーランド 12 2
ウィーン医科大学 オーストリア 12 2
アデレード大学 オーストラリア 12 2
西オーストラリア大学 オーストラリア 8 2
国立台湾大学 台湾 12 2
香港中文大学 香港 8 2
上海交通大学 中国 12 2
北京大学 中国 12 2
ソウル国立大学 韓国 12 2
高麗大学 韓国 12 2
ノルウェー科技大学 ノルウェー 12 2

帰国報告会の紹介

派遣留学プログラムに参加した学生は、帰国後に帰国報告会を開催します。次年度に同プログラムに参加を希望する学生や下級生を対象に、実際に現地でどのような実習を行ったかなど、大学別に学生が発表を行います。例年8月頃に開催し、帰国報告会に参加した学生が、留学から帰ってきた学生と直接話す機会を設け、様々な情報を気軽に交換できるような体制を整えています。

2023年度開催(2023年8月3日)

2023年度派遣留学プログラムに参加した13名の学生が無事に5月に帰国し、8月3日、留学者主催による帰国報告会を実施いたしました。本会はハイブリッド開催とし、オンラインと現地での参加合わせて50名以上の方にご参加いただきました。この度の派遣はパンデミック後初めての派遣となり、派遣先はかなり制限されたものの、米国やヨーロッパなど本学協定大学にて本学学生が実習を行いました。新型コロナウイルスへの感染や大きなトラブルもなく無事に全員が帰国し、報告会ではそれぞれの学生が、現地での体験について報告してくれました。新型コロナウイルスの感染が続く中、多くの障害を乗り越えて学生達が無事に帰ってきてくれたことを心から嬉しく思うとともに、大変な困難を乗り越えた彼らを大変誇らしく思います。今後の彼らの活躍を心から願っております。

2019年度開催(2019年8月5日)

2019年度派遣留学プログラムに参加した18名の学生が無事に6月に帰国し、8月5日、留学者主催による帰国報告会を実施いたしました。会場は、一号館地下の会議室で、下級生や教員など合わせて50名以上の方にご参加頂き大変活気あるものとなりました。この度の派遣では、新たな協定校としてグラスゴー、ノルウェー科学技術大学を加え、初めて本学学生が同大学にて実習を行いました。大きなトラブルもなく無事に全員が帰国し、報告会ではそれぞれの学生が、現地の厳しい環境の中で、大変でもあり、また非常に貴重な多くの体験について報告してくれました。学生達は留学を通して、一回りも二回りも成長し、今回の留学で得た経験を糧に今後も成長をしていってくれると願っております。

2018年度開催(2018年8月2日)

2018年3月に留学に出発した学生、20名が無事に6月に全員が帰国いたしました。8月2日、基礎研究棟一階の第2会議室にて2018年度帰国報告会を開催いたしました。会場に入りきらないほど多くの学生の方にご参加頂いて非常に活気ある会となりました。冒頭では、本派遣留学プログラム創設者の伊藤勝基先生、元医療行政学教授、現東海病院病院長の坂本純一先生のご挨拶の後、各大学ごとに発表がありました。今回の派遣では、協定校のみならず非協定大学として初めてマギル大学での研修に参加した学生の発表などがありました。それぞれの学生が大変素晴らしい経験をされていました。会の最後には、粕谷教授からのご挨拶があり、帰国者の学生に暖かい言葉が贈られました。会の終了後には、帰国学生がそれぞれ下級生の質問に答える時間を設け、直接先輩に気軽に様々なことを聞くことが出来るようにいたしました。

2017年度開催(2017年8月3日)

2017年8月3日、午後1時より医学部基礎棟1階会議室にて2017年度帰国報告会を実施いたしました。今年度の派遣ですが、一部の大学にて急遽、受入が中止になるなどトラブルも発生いたしました。2017年3月に17名の学生が世界へと旅立ち、無事に全員が帰国いたしました。帰国報告会では、元医療行政学教授、現東海病院病院長の坂本純一先生のご挨拶の後、各大学ごとに発表がありました。一部で留学計画に大きな変更を余儀なくされたものの、何とか代替大学にて実習を行うなどし、無事に全員が帰国いたしました。また、大学間協定を締結したばかりの西オーストラリア大学に3名の学生が初めて渡航いたしました。様々なことがあり、大変難しい状況ではありましたが、各学生とも大変素晴らしい経験をし、そして大きく成長して帰国してくれました。今後、彼らのますますの成長が期待されます。

留学体験記の紹介