名古屋大学医学部付属病院 乳腺・内分泌外科:副甲状腺-手術後の合併症
名古屋大学医学部付属病院 乳腺・内分泌外科 ・ 名大病院へもどる サイトマップ トップへ戻る ・
・
・
・
診察内容のご案内
扱っている病気
乳腺
甲状腺
副腎
副甲状腺
多発性内分泌腺腫瘍症
膵内分泌腫瘍
Q&A
乳癌
甲状腺癌
副腎
副甲状腺
多発性内分泌腺腫瘍症
膵内分泌腫瘍
その他
・
文書類閲覧
・
リンク集
・
手術を受けられる患者様へのお願い
・
・
このページをご利用の方へ
・

トップ副甲状腺とは>手術後の合併症

前のページへ戻る

手術後の合併症

反回神経損傷

甲状腺の裏には反回神経という細い神経が左右それぞれ1本ずつあります。この神経の太さは約1ミリくらいですが、この神経は声帯を動かし声を出すのに重要な神経です。
 手術中に反回神経を見つけるには熟練が必要です。手術操作で片方を切ってしまうと声が枯れ(嗄声)、食べ物を飲みこむとむせるようになります。この場合でも数ヶ月たつと反対の声帯が頑張って麻痺した声帯をカバーするようになり、かすれた声が改善することがありますが、両側切ってしまった場合は声がほとんど出なくなります(失声)。また両方の声帯が動かなくなり、声帯が気道を閉塞し窒息するようなときは、気管に穴をあけ息ができるようにしなければいけません(気管切開術)。甲状腺、副甲状腺手術のときに、もっとも注意することが、反回神経を傷つけないということです。
 この神経を切ってしまうようなことがなくても、圧迫したり、少し引っ張ったりしただけでも一時的に機能が低下して声がかすれることがあります。しかし、しばらく(数週間以内)すれば元に戻ります。

低カルシウム血症

手術の合併症ではありませんが、副甲状腺機能亢進症の手術が成功したことの結果として、血液中のカルシウムが低くなり低カルシウム血症の症状があらわれることがあり、治療の項でも解説してありますが、手術後におこるので合併症の項でも解説します。
 腫れた副甲状腺を摘出すると、血液中の副甲状腺ホルモンは分の単位で低下します。手術後1時間も経過すると、測定感度以下まで低下することもめずらしくありません。副甲状腺ホルモンの低下の速さは、患者さんごとの違いはあまりありませんが、血液中のカルシウムの低下の速さは患者さんごとに大きく違います。手術後に急にカルシウムが低下すると、手足、唇のまわりがしびれるという、低カルシウム症状が出ます。ひどくなると手足の筋肉が硬直して自分で動かせなくなる、テタニーという症状が出ます。早い患者さんでは、手術当日からこのような症状が出ます。ゆっくりとカルシウムが低下すると、手術後に一度もこのような症状を経験しないこともあります。一般的に、若い、手術前のカルシウム値が高い、骨がもろい、妊娠・出産後・授乳中などの患者さんは、低カルシウム症状が強く出ます。骨からカルシウムがたくさん溶け出していた患者さんでは、低カルシウム症状が長く続きます。
 低カルシウム症状に対する治療は、カルシウムの補充です。飲み薬でカルシウム(粉薬)を飲んでいただきます(カルシウム補充療法)。薬が飲めないとき、症状が強いときは点滴でカルシウムを補います。カルシウムの吸収を良くするためにビタミンDを一緒に飲んでいただくこともあります。薬を飲む期間は患者さんごとに異なりますが、多くは数週間から数ヶ月以内に中止できます。まれに1年以上飲まないといけないことがあります。

偽痛風

術後の合併症として稀なものに偽痛風があります。偽痛風はピロリン酸カルシウム(CPPD)の沈着を原因とした関節炎を来す疾患で、CPPD沈着症、軟骨石灰化症とも呼ばれます。痛風と同じような症状を来たしながら高尿酸血症が見られないことから名付けられました。副甲状腺の手術後に発症するものは、手術前から関節内にCPPDが沈着しており、手術後に急激にCaが低下したことにより症状が出現する(発作が起こる)とされています。原発性副甲状腺機能亢進症の方の6〜10%に関節内にCPPDが沈着しているとされており、年齢とともにその割合は増加します。術後に偽痛風の発作が起こるのはCPPD沈着がある方のうちのわずか数%とされています。
 症状は関節に激烈な痛みがおこり、発熱を伴います。痛風よりも痛みは弱いことが多く、好発部位は膝関節で、約半数が発生します。それ以外のほとんどの関節にも発生しうるのですが、肩関節、足関節などの大きな関節のほうが発生しやすいとされています。
 診断はX線検査で関節に石灰化像を線状に認め、関節穿刺液検査で関節液内にCPPDが発見されれば診断は確定します。
 治療は対症療法が基本で、非ステロイド性抗炎症薬を使用し、関節の炎症と痛みを和らげます。関節液を穿刺排液したりステロイドを関節内に注射したりするのが有効です。

どの手術にも共通の合併症

手術を終えるときは、出血していないことを確認してから、キズを縫います。手術を終えたときには出血していなかったものの、病室に帰ったあとから出血しだす場合もあります(後出血)。血が固まって出血していなかったところが、何らかの原因で固まった血が溶けて出血がおこることもあります。後出血の原因はいろいろで、わからないこともあります。後出血の程度がひどければ、手術室へ戻り、再度全身麻酔をかけキズをもう一度開き止血術をおこなわなければいけないことがあります。手術のキズが化膿する合併症もありますが、非常に稀です。

・
・

Copyright© 2005, Nagoya University Hospital. All rights reserved.

医師紹介

病棟紹介

外来案内

入院案内