乳腺は小葉という主に乳汁を作る組織と、乳管という乳汁を乳頭まで運ぶ管とから成り立っており、小葉と乳管は腺葉というちょうどブドウの房のような単位を作っています。一つの腺葉からは1本の主乳管が乳頭に開口しています。このような腺葉が15〜20個集まって一つの乳腺となっており、前からみるとひとつひとつの腺葉は乳頭を中心とした扇状に分布しています。(乳腺 図1)

乳腺図1
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このような腺葉と脂肪組織が入り交じった状態で胸の筋肉と皮膚の間に存在して膨らみを形成しているのが乳房です。乳腺は周りの脂肪や筋肉よりも硬くこりこりした感じで触れます。しかし乳腺の硬さや量、分布の仕方は千差万別ですから、触った感じは非常に個人差があります。また生理周期によって乳腺の硬さは変化します。乳腺は20歳台をピークに退化して徐々に脂肪組織に置き換わっていきます。
乳腺には良性、悪性の色々な病気が発生します。中でもみなさまが一番心配されるのは乳癌と思われます。乳癌の治療はいろいろな癌の治療の中でも最も変化の速いものの一つです。5年前の標準的治療がすでに時代遅れになっていることもあります。
乳癌の早期発見のための自己検診が勧められますが、触ってもわからないとあきらめてしまう方が多いようです。ほとんどの方は乳癌の実物を触ったことはないので無理もないことです。乳癌の見つかる確率からすると異常を見つけようとしても見つからないことがほとんどなのです。自己検診で大事なことは自分の乳腺の普段の状態をおぼえることです。普段の状態がわからなければ何が異常なのかがわからないでしょう。生理が終わってしばらくした頃(閉経後の方であれば毎月の決めた時期)に一度は乳房全体を触ってみていつもと変わったことはないかをチェックすることをおすすめします。
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