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ご挨拶





名古屋大学医学部附属病院長 松尾清一
病院長

松尾 清一

 名古屋大学医学部附属病院は、明治4年(1871年)名古屋藩評定所跡に公立の仮病院が設置されたことに源を発し、以来今日まで140年間にわたり多くの皆様のご理解とご支援を得て発展してまいりました。平成16年度には国立大学 が法人化され、名大病院も国立大学法人名古屋大学医学部附属病院と改称されました。これは昭和24年に新制名古屋 大学として再出発して以来の大きな変革であります。単なる名称の変更ではなく、それまでの国立大学時代とは異な り、様々な面での変革が求められております。平成21年度には名大病院の使命を「臨床・教育・研究を通じて社会に 貢献」することと定め、具体的な行動目標として、安全で高度な医療の提供、次代を担う医療者の育成、未来を拓く 新規医療の研究・開発、人材交流による地域医療支援、を掲げ、時代が名大病院に求める諸課題の実現に向けて職員 一同日々努めています。
 平成21年5月に新外来棟がオープンし、10年以上の歳月をかけて病棟、中央診療棟と続いてきた名大病院の再開発 が一応完成いたしました。平成22年3月には病院エントランスと周辺環境整備が終了して病院の景観は一変し、患者 さんの療養環境や職員の労働環境が大幅に改善されました。また名大病院の機能も飛躍的に充実し、手術室や集中治 療室の拡大、手術支援ロボットや強度変調放射線照射装置などの最新鋭医療設備・機器の整備なども実現しました。 昨年(平成23年)4月には、医療の質・安全管理部に専任教授を迎え、医療の質の向上と医療安全の推進体制を一層強 化しました。同じ時期にスタートした先端医療・臨床研究支援センターは、大学病院のミッションである新しい医療 技術の研究開発を強力にサポートする仕組みとして45名以上の職員を擁する組織に成長しています。平成24年4月に は念願でありました総合周産期母子医療センターの認可をいただき、質の高い周産期医療を提供するとともに、この 分野の人材育成を進めて行きます。さらに平成24年度末をめどに高度医療技術のシミュレーションやトレーニング機 器を整備したセンターを設立する計画です。現在すでに年間1万名以上の利用者がありますが、新センター設立によ り名大病院のみならず、周辺の医療機関・医育機関からの利用も可能にする予定です。名大病院はこのように年々そ の機能の強化が図られ、中部地区の医学・医療の中心として地域に貢献するとともに、世界に向けて情報発信する基 盤が一層強化されつつあるものと考えております。
 優秀で向上心あふれる人材は安全で質の高い医療の実現には不可欠であり、名大病院の使命を果たすためにも必要 不可欠な要素です。施設設備だけではなく、名大病院には意欲あふれる人材が多く集い、日々の診療に邁進するとと もに、後進の指導にも熱心に取り組んでいます。医療を取り巻く環境は厳しさを増していますが、社会貢献を旗印に 志の高い病院を目指しています。
 この小冊子にはこのような名大病院の現在の姿を紹介しています。今後も一層のご支援と御鞭撻をいただければ幸 いです。




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