名古屋大学大学院医学研究科 医療薬学・医学部附属病院薬剤部

患者さんへ

薬剤師外来について

気管支喘息吸入療法教室

はじめに

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慢性疾患の1つである気管支喘息の治療において、ステロイドやβ2刺激剤の吸入療法は、簡便かつ携帯可能であることから、広く普及しています。 しかし吸入操作が不適切であると、薬剤の肺への沈着量が少なく、十分な治療効果が期待できないどころか、副作用が増大することがあります。 気管支喘息の治療においては、患者さんが正しい吸入操作を身につけることが重要です。薬剤部では、呼吸器内科医師の指導のもと、2001年7月より気管支喘息吸入療法教室を通して、患者さんへの指導を行っています。

気管支喘息吸入療法教室

教室の目標は、患者さんが気管支喘息の治療に必要な知識、吸入操作を習得することで、喘息治療薬の効果を十分に引出し、発作のない、自立した、QOL(Quality of life;生活の質)の高い生活を送れるようにすることです。 気管支喘息あるいは慢性気管支炎で吸入療法を新規で導入される予定の患者さん、または吸入療法を施行されているにもかかわらず症状の改善がみられない患者さんで、医師から薬剤部に指導依頼を受けた方を対象としています。 吸入療法教室は、薬剤部お薬渡し口横の服薬相談コーナーにて行っています。

指導内容

第1回目(初日)には、患者さんの現在の吸入操作を見せていただき、それに対する患者さんの問題点を発見し、第2回以降はハンドブックを使用し、問題点を改善していきます。

よくある問題点

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  • 吸入する前に息を吐き出さないため、十分吸えず、息が続かないので息止めもできず、すぐ吐き出してしまう。
  • 息苦しい時に吸入しても楽にならないステロイド吸入薬(気管支喘息治療薬)よりも、即効で気管支拡張作用を示し、
    息苦しい喘息発作から自分を救ってくれるβ2刺激薬の方を大切に思い、β2刺激薬を過剰使用されている。
  • 喘息とは何か、何のために薬で治療しているのか分からない。
  • 吸入補助具の正しい操作をしていない。
  • 喘息日記(ピークフロー値)を利用していない。
1.吸入操作の指導

教室では吸入補助具を無償提供し、使用を強く勧めています。吸入補助具を使用することによって吸入が確実で、副作用を少なく、吸入量を増大することが期待できます。近年では、より操作が簡便なドライパウダー型吸入薬が登場し、吸入療法に使用されるようになってきました。 しかし、患者さんの中には吸気速度が十分でなく、吸入したはずなのに薬が器具内に多く残っている場合もあります。ドライパウダー型吸入薬の導入時には、必ず吸気速度を確認し、患者さんに合った吸入操作を指導しています。

2.喘息日記の導入

教室ではピークフローメーターを無償提供し、その使用方法および喘息日記の導入を指導しています。ピークフロー値を日記につけることで、医師だけでなく患者さんが自分の状態を客観的に自己管理でき、増悪因子を発見したり、β2刺激薬の吸入タイミングを知ることができるようになることが期待できます。とはいっても、日記の記入は非常に面倒で、症状が軽い方ほど日記を書いていただけない傾向がありますが、患者さんと一緒に日記の見方を考えるなど、工夫をしています。
気管支喘息の発作は、ひとつの原因で起こることはまれで、実際には多くの要因の積み重ねによって発現します。風邪の予防、ペットとの共存のためのルール作りといった、患者さんの生活を取り巻く環境についても一緒に考えています

申し込み方法

主治医を通じて薬剤部にお申し込みください。
気管支喘息吸入療法教室は、外来、入院の区別なく行っています。外来の指導は、火曜日と金曜日を中心に、随時行っております。入院の指導は、随時行っております。
なお、患者さんから直接のお電話でのお申し込みはお受けしておりませんので、ご了承ください。

ワーファリン®教室

ワーファリン®錠、プラザキサ®カプセル、イグザレルト®錠、エリキュース®錠、リクシアナ®錠は、血液を固まらせる働きを抑え、血液が固まりやすくなっている状態を改善し、血管内で血液が固まって生じる疾患(血栓塞栓症)を治療または予防するお薬です。
抗血栓薬 お薬相談では、患者さんに安心して安全に服用していただくために、お薬の説明をさせていただきます。また、日常の生活で気をつけていただきたいこと、ワーファリン®錠を飲まれている方には、食べ物や健康食品について、お話させていただきます。
ご家族の方も参加していただけます。

教室で使用するテキストはこちらからダウンロードできます。

各種テキストのダウンロード:
ワーファリンテキスト プラザキサテキスト イグザレルトテキスト エリキューステキスト リクシアナテキスト

申し込み方法

教室は予約制となっております。
外来診療棟10番窓口(薬相談・お薬渡し口)で、お申し込みください。後日、担当の薬剤師から教室の日時をご連絡いたします。
なお、電話でのお申し込みはお受けしておりませんので、ご了承ください。

いきいき脳活性お薬教室

アリセプト®錠・レミニール®錠・メマリー®錠・リバスタッチパッチ®は、記憶障害、同じことを繰り返す、判断ができにくくなるなどの認知症の症状が進むのを遅らせるお薬です。通常、アルツハイマー型認知症の症状の進行抑制に用いられます。
いきいき脳活性お薬教室では患者さんにお薬の使用忘れのないようにしていただくために、テキストを用いて、お薬の使用意義を説明させていただきます。
また、日常の生活で積極的にとりいれていただきたい習慣や食べ物などのお話をさせていただきます。
ご家族の方も参加していただけます。

教室で使用するテキストはこちらからダウンロードできます。

ダウンロード:
アリセプトテキスト アリセプトテキスト(レビー小体型認知症) レミニールテキスト メマリーテキスト リバスタッチパッチテキスト

申し込み方法

教室は予約制となっております。
外来診療棟10番窓口(薬相談・お薬渡し口)で、お申し込みください。後日、担当の薬剤師から教室の日時をご連絡いたします。
なお、電話でのお申し込みはお受けしておりませんので、ご了承ください。

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