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神経内科学
神経内科では、アルツハイマー病や前頭側頭葉変性をはじめとした認知症、パーキンソン病、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、筋萎縮性側索硬化症をはじめとした神経変性疾患の超早期診断、病態解明、臨床治験の基本となる指標(バイオマーカー)の作成を目的として画像解析研究を推進しています。
研究例1.重度嗅覚低下を認めるパーキンソン病における脳内神経回路解析
Seed based analysisを用いて嗅覚の重要な中枢の1つである扁桃体の安静機能的ネットワークが重度嗅覚障害を有するパーキンソン病では広範に障害されていることを示しました。
また、重度嗅覚障害のあるパーキンソン病では安静時ネットワークを構成する領域間結合強度の増減がダイナミックに変化することを示しました。
本発表は、The 9th International Congress of the Asian Society Against Dementiaにて優秀口演賞をいただきました。
パーキンソン病の高次脳機能障害の異なる出現パターンを安静時機能的MRIからサポートベクターマシーンを用いて分類した。
研究例2.筋萎縮性側索硬化症 (ALS) では尾状核のネットワークが広範に障害される
ALS-FTDでは尾状核、被殻、視床、海馬などの皮質下灰白質容積の減少を認めることを示しました。
ALSでは認知症の無い段階においても、尾状核と背内側前頭前野・外側眼窩前頭皮質とのネットワークが障害されている ことを示しました。これらは、ALSにおいて尾状核は早期に障害され、認知機能低下と関連する重要な部位であることを示唆しています。
研究例3.多系統萎縮症 (MSA) では皮質下白質が広範に障害される
多系統萎縮症に認知機能検査を施行し正常群と異常群を比較したところ、特に左優位の脳梁に異常を認めMSAの認知機能において左脳梁が関連している可能性が示唆されました。
研究例4.FTLDモデルマーモセットの解析
前頭側頭葉変性症(FTLD)における行動障害は尾状核関連回路破綻と関連するため、尾状核特異的FUS抑制マーモセットモデルを作出し、神経回路異常と高次脳機能障害の関連性を中心に解析を進めています。