Mitraclipについて

コラム

Mitraclipは僧帽弁閉鎖不全症に対するカテーテル治療です。

 

Mitraclipは僧帽弁閉鎖不全症(MR)に対するカテーテル治療です。人工心肺を用いず、胸部の切開も伴いません。

大腿静脈を穿刺し 心房中隔を経由し 左心房に入っていくような 事実上二関節構造のカテーテルシステムで僧帽弁前尖と後尖の接合不全を修復します。もとのコンセプトはイタリアの外科医 Alfieri先生の考案された 僧帽弁前尖と後尖をつなぐAlfieri stitchです。開心術でのAlfieri stitchでは、僧帽弁の弁輪拡大を修正する弁輪形成(弁形成ring)を伴いますが、 Mitraclipでは弁輪拡大に対する効果はありません。

Mitraclipは僧帽弁の逆流補正効果は 開心術による僧帽弁形成には及びませんので、全ての僧帽弁閉鎖不全症の患者さんにお薦めすべき治療ではありません。具体的には以下のような患者さんには有効と考えられます。

>低心機能(虚血性心筋症や拡張型心筋症 あるいはその他の収縮不全例)における 機能性僧帽弁閉鎖不全(Functional MR=FMR と呼ばれます) EF<40%が目安 CRT(両心室ペーシング 心臓同期療法)で治療中の患者さんのMRなどもこれにあたります。

>開心術耐術不能例における 器質性僧帽弁閉鎖不全(Degenerative MR=DMRと呼ばれます) 高齢者の僧帽弁逸脱(prolapse)や腱索断裂がこれにあたります 85歳以上が目安です

*若年者 お元気な方の 僧帽弁逸脱による(器質性)重度僧帽弁閉鎖不全についてはMitraclipは有効性安全性の視点から 適切といえません。そのような患者さんには開心術による僧帽弁形成術がお薦めです。特に女性の方などは当院で力を入れている MICS=小切開心臓手術 がお薦めです。