研究について

AI

放射線診療におけるAIの可能性を追求

当教室のAI部門では、放射線診療におけるAI活用の可能性を追求し、革新的な研究を進めています。これまでに、内リンパ水腫のAIを開発し、高い感度と特異度を達成しました。この技術は、メニエール病の早期診断と治療効果の評価に大きく貢献することが期待されます。また、肺結節の生成AIの研究では、AIが生成した画像が実際の肺結節画像と見分けがつかないレベルに到達しており、AIを用いた診断支援や教育用データの作成などへの応用が見込まれます。さらに、多発性硬化症のMRI読影レポートから病状の変化を自動判定するAIの開発にも成功しました。このAIは、病状の変化を「悪化」「改善」「変化なし」の3段階で高い精度で判定可能であり、多発性硬化症の経過観察や治療効果の評価を大きく助ける技術として期待されます。

今後は、これらの研究を発展させ、AIを用いた早期診断や治療効果予測、さらには低侵襲な治療法の開発など、放射線診療の革新に挑戦していきます。例えば、AIを用いて画像から疾患の早期微細変化を捉えることで、従来よりも早期の段階で診断が可能となる可能性があります。また、AIによる画像解析と機械学習を組み合わせることで、患者さん一人ひとりに最適な治療法の選択や、治療効果の高精度な予測が実現できるかもしれません。私たちは、AIの力を最大限に活用し、放射線診療の可能性を広げていくことを目指しています。AIが切り拓く新たな地平に向けて、研究に邁進していくつもりです。

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