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膵内分泌腫瘍

手術後の合併症について

ほとんどの膵臓手術は開腹手術ですので、一般的な開腹手術に伴う合併症はおこる可能性があります。一般的な開腹手術の合併症とは以下のようなものがあります。

腸閉塞

手術のあとに小腸が癒着することによって、食べたものがうまく腸を通過しなくなり、おなかが張る、吐き気が出る、嘔吐する、腹痛などの症状がでることがあります。このような腸の通過障害がおこった状態を腸閉塞と呼びます。食事や水分を採らずに点滴で栄養を補給して日時が経過するのを待つことによって治癒することもありますが、場合によっては手術で癒着した部分をはがさなければいけないこともあります。

腹膜炎

腹膜に炎症がおきて発熱や腹痛といった症状が出ることを腹膜炎と呼びます。原因としては、手術のときに炎症の原因となるような感染が発生する場合や、胃や腸の内容が腹腔に漏れることによる腹膜炎、また胆汁や膵液が腹腔に漏れることによる腹膜炎などがあります。腹膜炎の程度により、抗生物質による薬物治療で治る場合もありますが、手術で原因となった状態を修復しないといけないこともあります。

後出血

手術後に腹腔内のどこかに出血がおきて貧血状態となることです。出血量が少なければ安静にしているだけで止血されることもありますが、出血量が多ければ輸血が必要になります。自然に血が止まらないときはもう一度手術して出血を止めなければいけないことがあります。

腹壁ヘルニア

手術したキズがふくらんで、内臓が脱出している状態をヘルニアと呼びます。寝ている姿勢ではへこんでいますが、すわったり立ったりして腹圧がかかると内臓がふくらんできます。痛みを伴わないことが多いですが、ヘルニアとなっている穴が小さくて膨らんだ内臓の血の循環が悪くなると痛くなります。このような場合は出ている内臓が壊死に陥る危険がありますので、手術が必要となることがあります。

手術創のケロイド

手術したキズが赤く腫れて盛り上がる状態をケロイドと呼びます。痛みを伴うこともあります。ステロイドの軟膏やはり薬が有効なことがあります。時間の経過とともにケロイドは軽くなることも多いので、2年間くらいは自然の経過をみてから、どうしても必要なときはケロイドを切除して再縫合することもあります。しかしケロイドとなるのは体質が関係することも多いので、再縫合しても再びケロイドとなることもあります。

膵臓の手術の際には特有の合併症として膵液瘻というものがあります。