学部教育Undergraduate Course

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シラバス・カリキュラム

名古屋大学医学部アドミッション・ポリシー

豊かな人間性、高い倫理性、科学的論理性を備え、創造力に富む医師・医学研究者へと成長するために必要な能力と資質を備えた学生を求めています。そのために、幅広い教養及び十分な基礎学力のみならず、知的好奇心や科学的探究心をもって新たな分野を開拓するような意欲を持ち、物事を多面的に捉え深い洞察力を持って発展させることができる思考力を有し、人間に対する共感や高い協調性といった医学に携わる者としての適性を兼ねそなえた入学者を選抜します。

名古屋大学医学部ディプロマ・ポリシー

(1) 学位授与の方針および育成する人材像(教育目標)
名古屋大学医学部の理念に則り、以下のような資質・能力(学修成果)を身につけた人材を育成します。

  1. 新しい医学・医療の開拓
    豊かな想像力を発揮し、未知の領域に常に挑戦し続けながら、革新的な医学・医療を創造する研究者になるための基本的な姿勢を身につける
  1. 異文化理解力と国際性
    物事を多面的に捉え、多様であることを受容し、国際的な視点を持つ
  1. 科学的かつ論理的な知識
    臨床・研究の実践に必要な、科学的根拠に基づいた基礎・臨床・社会医学の知識を身につける
  1. 飽くなき好奇心
    知的好奇心に素直であり、新しいことを吸収する
  1. 東海地域での基盤
    愛知・岐阜・三重・静岡を中心とする東海地方を基盤とし、日本や世界の医療を担っていくという意識を持つ
  1. プロフェッショナリズム
    人の命に関わるという医師の職責を自覚し、豊かな人間性と高い倫理性を持つ
  1. 患者中心で安全な医療
    患者の苦痛や不安に寄り添い、心理・社会的背景を踏まえながら患者と共に意思決定を行い、安全で患者中心の医療を提供する医師になるための基本的な姿勢を身につける
  1. 卓越した技術
    己の持つ強みを生かして優れた技術を磨き、それを遺憾無く発揮するための基盤を作る
  2. チームワーク
    自分にできることとできないことを適切に判断し、高いコミュニケーション能力と協調性、およびリーダーシップを身につける
  1. データ科学リテラシー
    医学・医療に関わるデータを適切に分析・統合・評価できるための知識・技能を身につける

(2) 卒業、修了判定時に課している基準(必要要件)
全学教育科目をはじめ、基礎医学、社会医学及び臨床医学からなる専門科目、臨床実習について所定の単位(全学教育科目44単位、基礎医学、社会医学及び臨床医学からなる専門科目103単位、臨床実習63単位の計210単位)以上を修得した者に対して、このような資質や能力が育成されたものと総合的に判断し、学士の学位を授けます。

名古屋大学医学部カリキュラム・ポリシー

<教育課程の編成、教育内容および教育の実施方法に関する方針>
(1)教養ある知識人を育成するために、全学教育として開講されている教養教育を縦断的カリキュラムとして
   編成します。
(2)論理的な科学者を養成するために、国際的に活躍する医学研究者が基礎医学・社会医学・臨床医学の講
   義・実習を行います。
(3)研究医を育成するために、半年間にわたる基礎医学セミナーをとおして所属研究室でリサーチマインドを
   養います。
(4)異文化理解力のある国際人を養成するために、世界最高の教育水準にある海外大学医学部との単位互換プ
   ログラムを実施します。
(5)倫理性や人間性を涵養するために、医学入門や社会医学の講義・実習、行動科学に関する授業や臨床実習
   を実施します。
(6)知的好奇心に溢れた医療人を育成するために、教育課程にPBLチュートリアルをはじめとするアクティブラ
   ーニングを組み入れます。
(7)臨床現場で実践的に働ける医療人を養成するために、模擬患者やシミュレーターなどによるシミュレーシ
   ョン教育を積極的に導入します。
(8)豊富な知識と優れた技術、そして患者中心の視点を持った臨床医を育成するために、名古屋大学医学部附
   属病院及び地域の連携病院での診療参加型臨床実習を充実化します。
(9)多職種と協働できる臨床医を養成するために、患者安全文化の浸透した名古屋大学医学部附属病院におけ
   る臨床実習を行い、患者安全を考える機会を作ります。
(10)医学・医療に関連するデータを適切に分析・統合・評価できる能力を身につけるために、情報学やデー
   タ科学に関する講義や実習を積極的に実施します。

<学修成果を評価する方法に関する方針>
(1)知識領域の評価については、筆記試験や多選択肢問題形式の試験(医療系大学間共用試験CBTを含む)
   によって評価を行います。

(2)技能・態度領域の評価については、医療系大学間共用試験OSCEなどの実技試験を実施するほか、観察評価
   による評価も実施します。

医学への道


・医学科紹介冊子「医学への道」

名古屋大学医学部(医学科)教科案内 SYLLABUS

医学科:カリキュラム

名古屋大学医学部医学科では、基礎的・一般的教養の修得と、専門科目の学習とが合理的かつ効果的に行われるよう、他学部との連携の下、六年一貫の教育体制がとられています。

カリキュラム詳細

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全学教育科目

一年生から二年生にかけては、大学本部のある東山キャンパスにおいて『全学教育科目』を履修します。総合大学としての本学の特長を生かし、全学の協力により、幅広い知識を修得し、豊かな教養と人間性を培うための最良の場と機会とを提供することを究極の目標としています。
「理系基礎科目」では、数学、物理学、化学、生物学を、それぞれ高等学校での学習内容を発展させた形で系統的に学習します。医学部を含め理系学部の教員が協力して行う講義・実習(または演習)を通して、引き続く専門科目を学習するために必要不可欠な、広い視野に立った自然科学的なものの考え方を学びます。
「基礎セミナー」は、設定された特定のテーマについて、文献や資料の検討、あるいはフィールドワークなどを行い、その結果をまとめて発表するという密度の濃い少人数授業です。
「文系教養科目、理系教養科目」では、現代社会が直面する基本的な諸現象を学際的、総合的に分析し、すべての学部の教員が協力して各現象に則した内容の講義・実習を行います。
「言語文化科目」では、外国語の能力を高め、異文化理解を深めて、国際社会に相応しい教養を身につけます。このほか、学生の自主的で多様な学習意欲に応えるために、各学部が開講する専門系授業科目のうち他学部の学生の受講が可能であり、かつ有意義であると認めたものを「開放科目」として指定し、受講を奨励しています。

医学入門

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病棟での「看護実習」

一年生の水曜日の午後には、東山キャンパスでの全学教育科目と並行して、主に鶴舞キャンパスにおいて、『医学入門』があります。これは、医学への動機づけ、医師としての将来を考える機会を与えることを目的とするもので、入学直後の4月から始まります。
『医学入門』は、次の三つの柱から構成されます。

  1. 医学と医療について、医師になるための心構え、医の倫理についての講義
  2. 医学生としての自覚を深めるために早期体験実習として、愛知県内障害者(児)施設及び老人介護施設での介護実習と、名古屋大学医学部附属病院での看護実習
  3. 分子生物学の基礎

基礎医学

二年生になると、全学教育科目と並行して、鶴舞キャンパスにおいて医学専門科目が本格的に始まります。医学科の専門科目は、『基礎医学』、『社会医学』、『臨床医学』の三つに大別できます。このうち、第三学年の前期まで続く『基礎医学』では、人体器官の構造、生態の機能、生体と薬物、病因と病態、生体と微生物、免疫と生体防御などの科目があります。これらは従来の解剖学、生理学、生化学、薬理学、病理学、微生物学、免疫学に相当しますが、カリキュラム改革に伴い、統合的な科目として再編されたものです。講義と実習を通して、人体の構造と機能の正常と異常について学びます。病理学実習のうち、亡くなった患者さんの病理解剖の結果に基づき、診断・治療の過程において問題になった点を議論し、病気への理解を含める臨床病理学実習は、臨床医学の素養を必要とするため臨床実習が始まってから行われます。

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「病因と病態」実習

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「生物の化学」実習

基礎医学セミナー

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基礎医学セミナー

基礎医学の講義・実習が一通り終わった三年生後期の半年間は、講義室を完全に離れ、最前線の研究を進めている基礎講座(社会医学系講座・環境医学研究科各部門・総合保健体育科学センターを含む)に身を置いて、生の研究生活を体験します。各研究室に 2-4 名ずつが配属され、指導教員の直接指導の下で実験・研究を実践しながら、科学的思考法を体得します。セミナー終了後、口頭またはポスター形式による成果の発表が義務付けられています。

社会医学

社会医学系(環境労働衛生学、公衆衛生学、予防医学、法医・生命倫理学、国際保健医療学、YLP(医療行政学))講義・実習では、人々の健康が、社会変化やさまざまな社会的活動と密接な関連をもっていることを学び、自ら考え行動する力を伸ばします。特に実習では少人数教育を積極的に取り入れ、地域、職域、国際社会における個人及び集団の健康、生活、生命倫理や医療行政に深く切り込んだテーマを設定し、社会との関わりの中で医師として果たす役割を追求しています。

臨床医学

四年生のカリキュラムの中心は、臨床系科目(内科・外科・小児科など)のチュートリアルと講義です。チュートリアルは、少人数のグループで討論しながら臨床症例を多角的に考え自ら問題を発見する学習法です。各科目の内容の概略については、科目紹介(臨床医学系)を参照してください。

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チュートリアル授業

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外傷での一次救命措置練習

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外傷での胸部XP読影練習

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外傷での緊急超音波検査練習

臨床病理学実習

病理学実習のうち、亡くなった患者さんの病理解剖の結果に基づき、診断・治療の過程において問題になった点を議論し、病気への理解を深める臨床病理実習は、臨床医学の素養を必要とするため、臨床実習が始まってから行われます。

臨床実習

四年生の1月から、いよいよベッドサイドにおいて実際に患者さんに接して臨床医学を学ぶ臨床実習が始まります。この学年で行う臨床実習 では、5-6 名の小グループに分かれ、名大附属病院の全科をそれぞれ 1-2 週ずつ回ります。

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病棟での臨床実習

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診療シミュレーション室での医療面接練習

選択臨床実習

五年生の1月になると、医学科における最後の仕上げとも言うべき選択臨床実習が始まります。選択臨床実習では、臨床講座に 2-6 名ずつの学生が配置され、各学生は一学期のうちに4週間ずつ4つの科を体験することになります。選択実習の主な目的は、指導医の下に個人で患者を受け持ち、責任をもって医療の実際を主体的に体験することにあります。