放射線治療

放射線治療は、癌の三大療法の1つで、手術や化学療法 (抗がん剤治療) とともに重要な役割を果たしています。

近年の放射線治療では、高線量の放射線を病巣に集中させ、周囲の正常臓器の線量を大幅に抑制することが可能になっています。

治療計画

当院では専用の治療計画CT装置を用いて撮影を行い、正確な病巣の大きさや位置などを決定し、病巣にどのように放射線を照射するかを決定します。正確な位置合わせのために、必要に応じて患者さん専用の固定具を作成したり、患者さんの皮膚に印を書いたりします。また、より正確な治療計画を行うために治療計画MRI装置も導入しています。

外部照射

外部照射とは、病巣に対して体の外から放射線を照射する方法であり、放射線治療として最も多くの患者さんに用いられます。当院では外部照射装置として、汎用型医用直線加速装置 (リニアック:CLINAC iX) 1台、ヘリカル式医用加速器 (Radixact X9) 1台、ロボットアーム式小型直線加速器 (サイバーナイフ:CyberKnife M6) 1台があります。

内部照射

内部照射とは、体の中から放射線を照射する方法であり、腔内照射と組織内照射に分けられます。当院では、Ir-192を用いたRALS (Remote After Loading System) 高線量率密封小線源治療と前立腺癌に対する低線量率組織内照射としてI-125を用いた密封小線源永久挿入療法を行っています。

子宮頸癌に対するRALS
子宮内にアプリケータと呼ばれる器具を挿入したのちCT・MRIを撮影し、その画像を用いて解剖学的情報を取得し、治療計画を行います。挿入した器具内にコンピュータ制御のもと計算された停留位置と停留時間通りに密封小線源を出し入れすることで照射を行います。治療後は全ての器具を抜去するため体内に遺残するものはありません。

前立腺癌に対する密封小線源永久刺入療法
I-125小線源を密閉封入したカプセル (密封小線源) を50~100個程度前立腺内に刺入し、前立腺内の癌病巣へ放射線を照射します。線源は、永久に前立腺内に残りますが放射能は徐々に弱まり、1年後にはほとんどゼロになります。

撮影室 装置名 特徴
第2放射線治療室 Clinac iX (Varian) ・6軸補正が行える寝台を使用し、再現性の良い放射線治療の実現。
・汎用型直線加速器のためすべての外部放射線治療に対応
第3放射線治療室 フレキシトロンHDR (Nucletron) ・密封小線源RALS治療機器。同室CTを使用しIGBTを行っている。
・主に子宮頸がんの治療を行う。
  SOMATOM Confidence 20 (SIEMENS) ・主に密封小線源治療計画用のCT撮影を行う。
  Cios Flow (SIEMENS) ・移動型デジタル式汎用一体型X線透視装置。
・X線透視でアプリケータの位置を確認する。
第4放射線治療室 Radixact X9 (Accuray) ・主に強度変調放射線治療を行う。長い照射範囲も可能。
第5放射線治療室 CyberKnife M6 (Accuray) ・ロボットアーム搭載の定位放射線治療に特化した装置。
放射線治療CT室 SOMATOM Confidence RT Pro (SIEMENS) ・放射線治療計画用CTを撮影する。
放射線治療MRI室 MAGNETOM Skyra RT Pro edition (SIEMENS) ・治療計画用MRI画像を撮影する。
・治療時に用いる固定具を使用して撮像を行うことが多い。
密封小線源治療室 VariSeed (Varian) ・密封小線源低線量率組織内治療の計画を行う。