血管造影

当院における血管造影室は、中央診療棟A1階に5部屋(IVR-CTが2部屋)、手術室にハイブリッド手術室として2部屋設置されています。血管造影室では、頭部から腹部および四肢に至るまで、X線透視やDSAおよびシネ撮影を用いて、診断から治療まで様々なIVR(Interventional Radiology)を行っています。

IVR/CT

IVR-CTシステムは、血管撮影装置とCT装置を組み合わせた構成で、一つの寝台で血管撮影とCT撮影の双方を行うことができます。 IVR-CTシステムは非常に汎用性が高く、ほとんどのIVR手技に対応可能です。
その主な手技として、肝細胞癌に対しての肝動脈化学塞栓療法 (TACE)、肝切除術前の門脈塞栓術(PTPE)、CTガイド下生検、CTガイド下ドレナージ、術後出血などのTAE(止血術)を行っています。また、閉塞性動脈硬化症(ASO)や重症下肢虚血(CLI)に対するIVRも行われています。

心臓血管造影(循環器系)

虚血性心疾患(IHD)に対する治療、心不全(HF)に対する右心カテーテル検査、慢性血栓閉塞性肺高血圧症(CTEPH)に対するバルーン治療、不整脈疾患に対する心筋カテーテルアブレーションやペースメーカ埋込などを行っています。また、急性心筋梗塞(AMI)の治療もこの撮影室で行われます。

頭部血管造影

脳動脈瘤のTAE(コイルによる塞栓術など)、フローダイバーターを用いた脳動脈瘤治療、頭蓋内シャント性疾患のカテーテル治療、頸動脈狭窄に対するステント治療(CAS)などが行われています。

ハイブリッド手術室

ハイブリッド手術室では、様々な疾患に対して外科的手術とIVRを組み合わせて行うことが可能です。大動脈瘤に対する治療(EVAR、TEVAR)、経カテーテル大動脈弁置換術 (TAVI)を始め、ペースメーカリード抜去や出血コントロールのための大動脈バルーン留置、開腹下門脈拡張術、重症下肢虚血バイパス手術時の血管造影などが行われます。
また、ハイブリッド手術室で撮影したCTライクイメージと手術前に撮影したCT画像を用いる事により、精度の高いライブ3Dガイダンス(透視画像と3D画像の重ね合わせ)を行うことが出来ます。ライブ3Dガイダンスは、EVAR、TEVARおよびTAVIで使用され、造影剤の減量や手術時間の短縮などに利用されています。

撮影室 装置名 特徴
第20撮影室 透視装置:Alphenix (Canon)
CT装置:AquilionOne (Canon)
IVR-CT
第21撮影室 透視装置:Artis zee ceiling ICT (SIEMENS)
CT装置:SOMATOM Emotion16 ICT (SIEMENS)
IVR-CT、CTライクイメージ
高分解能3D-DSA
第22撮影室 Azurion (Philips) bi-plane
第23撮影室 Trinias B8/C8/F8 unity edition (島津製作所) bi-plane
第24撮影室 Artis Q Twin (SIEMENS) bi-plane、Large FD、CTライクイメージ
超高分解能3D-DSA
第1手術室 Allura Clarity FD20 (Philips) CTライクイメージ
ライブ3Dイメージガイダンス
第23手術室 Allura Clarity FD20 (Philips) CTライクイメージ
ライブ3Dイメージガイダンス