名古屋大学大学院医学系研究科 病態内科学講座

病態内科について

講座主任挨拶・成り立ち

講座主任挨拶


名古屋大学大学院医学系研究科
病態内科学講座・主任教授
川嶋啓揮(2023.4~)

名古屋大学医学部では、2004年1月に従来のナンバー内科体制(第一・第二・第三内科)から、6つの専門分野講座(血液・腫瘍内科学、呼吸器内科学、循環器内科学、消化器内科学、腎臓内科学、糖尿病・内分泌内科学)が新たに誕生しました。病態内科学講座はこの6つの講座から構成される大講座であり、2023年4月現在、260人の医局員が大学に在籍しています。
内科学講座が明確に専門分野別となったのは、旧7帝国大学医学部では名古屋大学医学部が初めてであり、その意味で私たちは内科学講座のあるべき姿を率先して内外に示してきたと自負しています。
名古屋大学病態内科学講座では、各講座の教授と医局長が毎月それぞれ教授会と医局長会を開き、広く情報を共有し、内科関連の課題を速やかに解決するように努めています。診療体制を充実させ最新の安心・安全な医療を患者さんに提供することはもちろんですが、研究分野においても、年に2回開催される病態内科学研究発表会で、病態内科学の各講座に脳神経内科学講座が加わり合計7講座の大学院生が、臨床系・基礎系別に日頃の研究成果を競って発表し、厳正な審査により「名大内科学研究奨励賞」を選出して表彰しています。こうした講座間の顔が見える交流と切磋琢磨は研究のさらなる発展とともに、日常診療における協力体制の構築にも繋がっています。
2018年から始まった新内科専門医制度に対しても、病態内科学講座が主導して各講座間はもちろん脳神経内科学講座をはじめとする他の内科系講座、そして多くの関連病院とも連絡を密に保ち専攻医の先生方が充実した研修を行えるようシステムの構築・運営に努めてきました。まだ落ち着いたとは言えない専門医制度ですが、内科系講座・関連病院の強い連携によって全国に誇れる制度とすべく適宜改善してく予定です。Scientific Physicianとして研究mindをもち臨床的にも優れた内科医を育成すること、そして世界をリードする研究を行うことが名古屋大学病態内科学講座の使命です。また、ここには国内外問わず多様な進路に対応できるプラットフォームが備わっています。名古屋大学の内科系各分野の多種多様な臨床・教育・研究を発展させていくためには、多様な才能をもった多くの人材が必要です。内科学を志す多くの若い先生方が名古屋大学の病態内科学講座に加わってくれることを心から願っております!

成り立ち

21世紀のチャレンジ:ナンバー内科制度から6つの専門分野からなる大講座制へ

名古屋大学の内科はこれまで永年にわたりナンバー内科(第1、2、3内科)体制で教育、研究、診療、人材交流にあたってきました。ナンバー内科の体制は従来名古屋大学医学部と内科の発展に大きな役割を果たしてきましたが、名古屋大学医学部の将来構想を検討する中で21世紀に名古屋大学内科が世界をリードする集団として飛躍的な発展を遂げ、また社会に対してその公的な責任を十分果すことができるために、限られたポストや人的資源を有効に活用して最大限の効果を生み出すための抜本的な組織改変が不可避であると結論されました。このような基本的な認識のもと、ナンバー内科の臓器別再編による大講座制への移行が医学部の基本方針として平成14年5月に教授会決定されました。これを受けて、中堅~若手教官を中心に内科一元化のためのワーキンググループが組織され、1年半あまりにわたってプランを作り、それを実行してきました。即ち、名古屋大学病態内科学講座のめざす方向性として、

  1. 組織体制の転換
  2. 内科専門医教育の実践
  3. 臨床医学研究の推進
  4. 高度先進医療の提供
  5. 地域医療への貢献

を基本目標として確認しました。これらの目標を実現する第一歩として、病態内科学一元化のための具体的なアクションプランを、

  1. 講座事務局(Chairman'sOffice)の設置
  2. スタッフ定員再配置
  3. 関連施設との人材交流
  4. 経理/予算システムの整備
  5. スペース/フロア再配置
  6. 臓器別診療・教育体制の刷新
  7. 研究の推進

という項目に基づいて具体的に立案し、実行したのです。平成15年4月には病態内科学講座事務局が設置され講座主任と講座事務局長が選出されて6分野全体を統括する体制がスタートし、平成16年1月には、臓器別のフロア・スペースへの引っ越しが完了して、ナンバー内科制から臓器別6分野からなる大講座制への移行が完了しました。

大講座制発足当初は、法人化に伴う環境の変化に加え、関連病院との人材交流、研究の発展と分野間の研究協力、高度医療の推進、教育システムの充実、有能な人材の確保、など病態内科学講座に科せられた課題が多く、期待と不安とともに新しい形のスタートになりました。こうした大転換から既に20年が経過し、各臓器別分野内では旧ナンバー内科の人たちが交じりあうことで相乗効果が生まれ、より大きな発展を遂げることができました。当講座は全国的に見ても大講座制への移行が最も成功した例であると自負しています。現在、いずれの分野も若い人材のエネルギーが満ちています。今後益々発展していくことが期待されます。


ページの
先頭へ