研究内容紹介

Research introduction

概要

老年内科外来研究の概要

老年内科外来研究の概要

老年内科外来研究の概要

老年内科外来研究の概要

私たちは、老年内科外来通院中の同意を得た患者さんの情報から、「より健康に年を重ねるにはどうしたらよいか」について研究しています。例えば65歳になった時、自立して生活できる人とそうでない人、テニスができる位元気な人と車いすを利用しないとたてない人、こういった違いがでてくる原因は何でしょうか。遺伝的要因ももちろんあると思いますが、介入できることもきっとあるはずです。私たちは、名古屋大学医学部附属病院の外来に通う高齢患者さんのデータを縦断的に解析し、どんな患者さんが、自立して長く生活ができるのか、筋力が落ちにくいのか、転倒しにくいのか、認知機能が維持されやすいのか等を身体機能、栄養、認知機能、筋肉量、電解質のバランス、脳血流など様々な面から検討し、将来的な介入につながるよう、看護師、心理士などを含む多職種のチームで研究しています。なんらかの基礎疾患でADLが低下してしまった患者さんについても、その後、どうしたら転倒や低栄養、認知機能低下、施設入居などを防ぐ事ができるのかも同時に追求しています。興味のある方は是非お問い合わせください。

老年内科病棟の研究概要

老年内科病棟の研究概要

当教室ではこれまで高齢者医療における日本のトップリーダーとして、動脈硬化、栄養、認知症、老年医学的総合機能評価など基礎研究・臨床研究両面で多くの研究成果を報告してきました。当教室の特色として、特定の分野にこだわらず、各個人が興味を持っているテーマを研究対象にできる点であり、定期的(毎月1-2回)なミーティングで議論を重ね研究を進めています。また直近では他施設在籍中のOB/OG(留学中の研究者も含め)ともオンラインで研究内容を討論しています。


実際の研究紹介

J-HAC

実際の研究紹介 J-HAC

高齢者の急性期疾患による入院には、せん妄や転倒などの高齢者特有の入院関連合併症(Hospital-associated complication)が伴いがちで、退院後の機能低下や再入院などもおこりやすいため、東京大学・大阪大学・国立長寿医療研究センターと共同でこうした問題の解決のための登録研究を実施しています。
これまで大腿筋エコー、脱水、フレイル、老年症候群に関する成果を論文や学会で報告しています。


ONEHOME

実際の研究紹介 ONEHOME

2012年より在宅医療を受けている高齢患者のコホート研究を行っており、QOLや入院に関する関連因子の検討などの論文を発表してきました。2019年には本研究の成果を台湾での国際シンポジウムでも発表しました。2020年からは新たに施設入居者も含めた在宅医療を受けている高齢患者のコホート研究(ONEHOME2)も開始しています。


外来通院の軽度認知症患者の登録研究(オレンジレジストリー)

外来通院の軽度認知症患者の全国的な登録研究に参加し、全国2位の登録数を持ち、QOLの問題などにも取り組んでいます。


フレイル予防教室

実際の研究紹介 フレイル予防教室

実際の研究紹介 フレイル予防教室

実際の研究紹介 フレイル予防教室

老年内科外来の患者さんを対象に、フレイル予防を運動・食事の両面からサポートする教室を行っています。現状を知るだけでなく、今後何に取り組んでいくべきかが明らかになり、患者さんやそのご家族より好評を得ています。

老年内科訪問診療の研究概要

訪問診療は、通院・入院にならぶ第3の医療の提供の方法として、今後その重要性を増していくものと考えられます。当科では2012年より訪問診療をフィールドとしたコホート研究を行い、国内外にその成果を発表してきました。
診療の方針を決定するための根拠(エビデンス)は臨床研究の結果から得られますが、従来の臨床研究は、訪問診療がターゲットにしているような超高齢者や多臓器疾患のある患者は対象から除外したうえで、主に生命予後の延長のようなを結果を重要視してきました。一方で単なる生命予後の延長ではなく、生活の質(Quality of life;QOL)の向上のための治療を求められる在宅医療においては、これらの従来型の臨床研究から得られたエビデンスをそのまま採用するのは困難であり、在宅医療のための臨床的なエビデンスの集積が求められています。
私たちは2012年より名古屋市周辺の訪問診療医の先生方とともに、在宅診療を受けるコホート研究を展開しています。コホート名のObservational study of Nagoya Elderly with HOme MEdical careの頭文字をとってONEHOME研究と呼んでいます。これまで論文発表や、国際学会を含めた学会報告を行ってきました。

研究体制(協力施設)

老年内科訪問診療の研究概要 研究体制(協力施設)

これまで発表してきた論文は、訪問診療を受ける高齢患者のQOL関連因子を中心に検討してきました。低アルブミン、貧血、併存疾患の指標であるCharlson comorbidity index(CCI)、 栄養の指標であるMini Nutritional Assessment-short form(MNA-SF)、嚥下機能などが訪問診療の中断や予期せぬ緊急入院に関連していることが明らかとなっています。また本研究の成果のひとつとして、訪問診療を受ける高齢者のQOL質問票であるQOL for patients receiving home-based medical care(QOL-HC)を独自に開発しました。本人だけでなく、介護者からも聴取でき、その一致率についても検証されています。

このように多くの論文発表を行いましたが、国際学会での講演やシンポジウム(The 10th IAGG Master Class on Ageing in Asia、The 11th IAGG Asia/ Oceania Regional Congress 2019)にも積極的に参加し、アジアを中心とする他国の老年内科医ともその知見について意見交換をしています。
このように当科は訪問診療のコホート研究を続けてまいりましたが、訪問診療に興味をお持ちの医学生、研修医・専攻医の方も多いと思います。当科では研究にも取り組めますし、当科の急性期病棟と市中病院での訪問診療勤務を中心とした臨床のトレーニングを受けることも可能です。ぜひ見学にお越しください。

リンク

名古屋大学大学院医学系研究科・医学部医学科
地域在宅医療学・老年科学ページ

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