入局案内

Recruit

資格取得者の紹介

男性・2014年卒

現在の専門に分化した医療現場では内科医としては高い専門性が求められていますが、新内科専門医制度も始まり、幅広い疾患・病態を診療することができる広い知識と練磨された技能を備えた「総合的」であることも求められています。私は初期研修後に入局し、老年内科医として高齢者の特性に合わせた特有の急性期・慢性期診療に「総合的」に携わりながらも、専門医のトレーニングを受けることもできました。

1.老年内科病棟での業務と老年科専門医

老年内科病棟での業務と老年科専門医

私は、医学部卒業後、名古屋大学医学部附属病院と市中病院でいわゆる「たすきがけ」の初期研修を行いました。名古屋大学医学部附属病院での初期研修で初めて、高齢者を総合的に診る老年医学の存在を知り、また市中病院では救急外来で繰り返し搬送される多くの高齢救急患者を診療しました。その経験から、急性期治療をするだけでなく、予期せぬ入院を避けるため高齢者を総合的に管理できる存在が必要であると考え、初期研修後、名古屋大学医学部附属病院老年内科に入局いたしました。
3年目より老年内科の医師として病棟業務を行いながら、老年科専門医としてのトレーニングを積むことができました。当科の病棟は7割を緊急入院で占める急性期診療を主としており、誤嚥性肺炎、脳梗塞、心不全、尿路感染など治療しながら、再び入院することのないよう退院後の療養生活を見据えた管理も行っています。4年目に日本内科学会認定内科医、またCOVID-19流行で受験が1年延期となりましたが、8年目に老年科専門医・指導医を所得することができました。

2.認知症ケアサポートチームでの活動と認知症専門医

認知症ケアサポートチームでの活動と認知症専門医

2020年度からは老年看護専門看護師とともに、認知症ケアサポートチームとしても活動し、他病棟の不眠・不穏への対応、認知症患者の療養先選定、意思決定支援にも従事しております。大学病院という高度急性期治療が行われる場で、せん妄症状やベースにある認知症の症状の対応に難渋する病棟に対して、診療科間連携(老年内科・脳神経内科・精神科)、多職種連携(看護師、薬剤師、メディカルソーシャルワーカー)を行いながら診療しています。今や認知症がcommon diseaseとなり、内科/外科かかわらず認知症を有する高齢者の急性期治療、周術期管理を行うことは日常になりつつあり、今後認知症ケアサポートチームへの依頼は増加し、かつその相談内容も高度になっていくことと思われます。この活動を通して認知症患者の急性期治療も学びながら、6年目から従事している老年内科外来での認知症診療、毎月行われる当科外来症例の検討会である認知症カンファレンスを通して、幅広い認知症診療を学び、老年科専門医取得後の9年目に認知症専門医・指導医を取得することができました。

3.名大病院/市中病院での外来業務での研修

私は現在名大病院/市中病院で週4コマの外来業務を行っています。名大病院では老年内科外来で退院後の患者さんのフォロー、認知症診療、また早老症の患者さんのフォローと老年科専門医の知識と経験を活かした診療を行っています。他に市中病院で週1回の認知症外来、総合内科外来、糖尿病外来に従事しており、専門性を発揮しながら新たな知識と経験を日々身に着けることができ、9年目には糖尿病専門医を取得しています。今後内科専門医制度が新しくなっていきますが、引き続き糖尿病専門医についても関連病院での研修含めて学べる体制を整えていく予定です。

4.大学院生としての研究活動

大学院生としての研究活動

入局と同時に名古屋大学大学院医学系研究科総合医学専攻博士課程(地域在宅医療学・老年科学)に入学いたしました。在学中、地域在住高齢者の訪問診療に関するコホート研究、老年内科病棟入院患者に関する登録研究、軽度認知機能障害を有する高齢糖尿病患者に関する介入研究などの研究に従事しました。これらの結果を日本老年医学会を始めとする各学会での学会発表や論文発表を行いました。また、国際学会での口演やシンポジウム(The 10th IAGG Master Class on Ageing in Asia、The 11th IAGG Asia/ Oceania Regional Congress 2019)を経験し、アジアを中心とする他国の老年内科医ともその知見について意見交換をしたことで、またとない貴重な経験をいたしました。6年目に博士課程を修了いたしましたが、その後も当科で研究活動を継続しています。


当科では、医学生・研修医・専攻医を中心とした若手医師の教育にも注力しており、病棟研修はもちろんのこと、院内・院外ともに定期的な研修会を開催しております。日本老年医学会東海支部主催の若手医師向け・老年医学研修会の運営も行っています。
「総合的」かつ高齢者医療特有の「専門性」も有する研修が老年内科では提供できます。高齢者の急性期医療、慢性期管理、訪問診療、認知症診療、リハビリテーションなど様々なフェーズで診療でき、あらゆるフィールド活躍できる研修を受けることができます。興味のある方はぜひ見学にお越しください。

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