代表の挨拶

名古屋大学大学院医学系研究科機能構築医学専攻
運動・形態外科学講座整形外科学

教 授 石黒 直樹

 関節リウマチは永く原因の解明も進まず、治療法も手探りの状態が続きました。しかし、近年の医学の進歩により関節リウマチについての多くの知識を得ることができました。そしてこの成果を基に治療法も大きな変化を迎えつつあります。我が国でも新しい医学的進歩に基づいた画期的な治療薬が使用できる情勢です。このような新しい治療環境がさらに進歩を遂げれば病気の進行が抑えられるだけでなく、限りなく不自由のない生活を送ることができるようになると思います。
 しかし、ここで考えねばならぬことは強力な治療には重大な副作用の可能性もあることです。この副作用を防ぐためには医師・患者さんとの緊密な関係は当然ですが、更に病気・治療に関する情報を共に持つことだと思います。
 関節リウマチはあまり珍しい病気でもありませんが、風邪や高血圧といった普通のありふれた病気とも違います。ですから関節リウマチの患者さんがすべて専門医を訪れるには専門医が不足しています。一方、一般的な医師が経験する症例の数は限られたもので、十分に経験を積むことはできません。これでは地域の患者さんのニーズに応じられません。そこで患者さんと医師とを結び、更に医師同士が連携して治療に当たるシステムを作るためにこの会を発足させました。このネットワークは患者さんと医師、医師と医師とのコミュニケーションの増進を目的としています。正しい情報が正しい医療には必要であると考えるからです。
 我々は、この会の活動を通して、より一層のリウマチ治療のレベルアップを図りたいと願っています。このネットワークにご参加いただけることを楽しみにお待ちしています。