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先端応用医学(協力)機能分子制御学(生化学第二)
研究室概要
癌細胞、神経細胞、そして、周囲に存在する血管系細胞を中心に、細胞機能の制御や細胞増殖・分化を制御する糖タンパク質受容体の解析を行い、癌や神経系などの難治疾患の治療応用を目指している。そのために、
- Notch受容体のO型糖鎖による品質管理機構を解明し、CADASILなどの遺伝性血管性認知症に対する新たな治療戦略を構築する。
- 腫瘍組織における糖鎖変化を解析し、糖鎖構造に基づくEGFシグナルの制御と腫瘍抑制法を開発する。
- 質量分析を用いたグライコプロテオミクス解析により疾患に関連する糖鎖構造を同定し、診断や創薬に活用可能なバイオマーカーとしての意義を検証する。
- 発生期における糖鎖異常に関連した遺伝性疾患に着目し、発生プロセス制御における糖鎖の役割を、ゲノム編集細胞やマウスモデルを用いて分子レベルで解明する。
- DepMapなどのデータベースを活用し、がんにおいて重要な糖鎖関連遺伝子を特定し、低副作用の新規治療法を提案する。
- 糖鎖認識分子シグレックを介した免疫細胞と癌細胞間の双方向シグナル伝達を解析し、免疫応答と腫瘍進展の制御機構を明らかにする。
当研究室では、文部科学省による「大規模学術フロンティア促進事業」と連携した集団グライコーム研究に参画しつつ、各プロジェクトでは、糖鎖の働きや構造を詳しく調べることで、病気の原因解明や新たな治療法の開発に繋げることを目指しています。
糖鎖は、細胞間の情報伝達や免疫機能など、生命活動の多くに関わる重要な要素ですが、その全容はまだ十分に解明されていません。当研究室では、最先端の研究技術を活用し、糖鎖の全体像を明らかにすることで、医学・生命科学の発展に貢献してまいります。
研究プロジェクト
- Notch受容体O型糖鎖の品質管理と血管性認知症への関与
- EGFシグナルと腫瘍抑制におけるO型糖鎖の役割
- グライコプロテオミクスによる疾患バイオマーカー探索と創薬応用
- 糖鎖関連疾患の分子病態の解明
- 公共データベースを活用した糖鎖関連遺伝子の治療標的探索
- 糖鎖免疫チェックポイント分子シグレックを介した免疫・癌双方向シグナルの解析
以上のようなテーマのもとに、基礎医学・生物学の研究成果を臨床の場で応用・展開することを目指している。
教員
構成員名 | 役職 | 所属 |
---|---|---|
岡島 徹也 | 教授 | 分子細胞化学/機能分子制御学 |
田嶌 優子 | 講師 | 分子細胞化学/機能分子制御学 |
近藤 裕史 | 講師 | 分子細胞化学/機能分子制御学 |
橋本 登 | 特任助教 | 分子細胞化学/機能分子制御学 |
研究キーワード
Notch受容体、O-GlcNAc、血管内皮細胞、血液脳関門、小胞体、分子標的治療薬、糖転移酵素、糖鎖生物学
指導方針と体制
修士および博士課程の1~2年目においては、生化学、分子生物学の基本手技と原理を徹底的に修得すると共に、論文を読みこなし批判できるための基礎訓練を行います。その間に各々のポテンシャルに合致した課題に取り組み、高学年ではよりレベルの高い研究を成し遂げられるようサポートします。また、国内外の学会、シンポジウム等に積極的に参加して発表能力の向上をはかると共に、全体のレベルアップに反映させます。さらに国内外のグループとの協同研究を推進し、中途の留学、卒業後の留学などを積極的に支援していきます