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単孔式胸腔鏡手術(ユニポートVATS)(肺)

もっとも傷が小さい手術

「胸腔鏡下手術(VATS)」とは、胸に2cm程度の穴を何ヶ所か開けて胸腔鏡というカメラを挿入し、画面を見ながら作業する手術方法です。従来の開胸手術に比べて傷口が小さくてすむというメリットがあり、現在では日本中の多くの病院で行われています。

胸腔鏡下手術の中で、小さな傷口1ヶ所のみで手術を完了してしまうのが「単孔式手術(ユニポートVATS)」です。3〜4cmの傷のみで行うため、合計するともっとも傷が小さな手術方法と言えます(下図)。複数の穴を開けて行う従来の胸腔鏡下手術やロボット支援下手術に比べると技術的に難しいこともあり、ユニポートVATSを行っている病院はまだ多くはありません。

名大病院呼吸器外科では患者さんの負担軽減を目指して傷口(ポート)の数を減らす努力をしています。そんな中、2019年からこのユニポートVATSを開始しました。現在では肺癌に対する肺葉切除術や肺区域切除術、転移性肺腫瘍などに対する部分切除術を行っています。

トレーニングを怠らず、技術向上を目指しています

技術的に難しいと言われている手術だからこそ、手術にのぞむ前には動物の心肺を利用したモデルを活用して十分なトレーニングを積むようにしています。このトレーニングは1ヶ月に2~3回継続しており、これにより患者さんにさらに良い手術を提供できるよう努力しています。当科に所属する医師はみなこのトレーニングに参加し、助手や肺部分切除を含めるとほとんどの医師がこの手術を経験しています。

 

最先端の3D-CTを用いたシミュレーション技術の活用

胸部の血管や気管支などの構造物は患者さんによって様々なバリエーションがあります。近年では術前CT画像から3D画像を作成し、手術計画に役立てることができるようになりました。名古屋大学では従来の3D画像よりさらに実際の手術に近い3Dモデルの研究を行っており、手術計画の立案に積極的に活用しています。

患者さんへ

ユニポートVATSはどの患者さんにも施行可能な手術ではありません。患者さんごとの病状、進行度合い、持病の有無などによって主治医チームが判断いたします。もし単孔式手術(ユニポートVATS)に関してご要望やご質問などがありましたら、外来医師にお尋ねください。