診療案内

先端医療

腹腔鏡下膵切除術

 膵臓はちょうど胃の背側に位置する20cmほどの扁平な臓器です。体の奥のほうにあるため、膵部分切除術など小さく膵臓を取る手術においても、十分な視野を確保するために20~30cm程度の創を必要とします。この方法(開腹膵切除術)は、膵切除術が施行可能な全ての施設で施行されている最も標準的な方法です。

 これに対し、患者さんへの侵襲(体の負担)を小さくすることを目的に、腹腔鏡下膵切除術が開発されてきました。腹腔鏡下膵切除術は、お腹に4~5ヵ所の穴(1-2cmの創)を開けて行う手術です(図1)。腹腔鏡下膵切除術の長所として、創が小さいため美容面で非常に優れているだけでなく、患者さんへの侵襲が少ないので、手術後の回復が早く早期退院および早期社会復帰が可能となります。
図1

 しかしながら、腹腔鏡下膵切除術は開腹膵切除術と異なり、現時点では限られた施設でしか施行することができません。当教室は、腹腔鏡下膵切除術を積極的に導入している施設です。腹腔鏡下膵切除術の対象となる疾患は、膵良性腫瘍、膵良悪性境界腫瘍、膵内分泌腫瘍、などで膵臓癌は対象となりません。

 腹腔鏡下膵切除術にかぎらず、膵臓に関して何かお聞きになりたいことがありましたら、当科担当医師に遠慮なくご相談ください。