入局者募集

入局案内

入局者募集

 当科では随時入局者を募集しています。下記のように確立した教育体制には自信を持っていますので、やる気があればどこでも通用する優秀な外科医になれるはずです。入局の時期は人事計画の都合上、臨床初期研修を終了した時点が望ましいのですが、遅くとも後期研修終了までには入局していただきたいと考えています。他の医局に所属している方で医局を変わる希望がある方も、過去に多くの先生を受け入れた実績がありますので、一度医局長に御相談ください。
その他ご質問等ありましたら、お気軽にご連絡ください。

連絡先
TEL: 052-744-2216(直通)
医局長 尾上 俊介
E-mail:tumor1@med.nagoya-u.ac.jp

腫瘍外科の教育体制

 歴史的に旧第一外科が腫瘍外科と血管外科に分かれたため、現在でも42の関連病院と血管外科と当科が密に協力して若手外科医の教育体制を整えています図1)。名古屋大学の関連病院では、現在の臨床初期研修が始まる以前から初期の1年間ないしは2年間を全科ローテートする研修制度が確立していましたので、現在の臨床初期研修制度に移行する際にも混乱はなく、質の高い初期研修を受けることが可能です。この臨床初期研修が終了する頃までに第一外科ユニット(腫瘍外科と血管外科の総称)に入局していただき、われわれの教育体制に組み込まれます。第一外科ユニットの外科医教育理念は優秀な臨床外科医の育成です。外科医はあくまで臨床家なので、手術ができない、患者を診ることができない外科医は、いくら実験ができても、いくら海外の一流雑誌に論文が載っても将来必ず不幸になります。このため、卒後の5~7年間は極めて重要です。この期間に、医師としての物事の考え方、救急、麻酔の基本、外来診療、手術の基本手技、患者接遇などを体得し、胃癌や大腸癌の定型的な手術をできるようになることが目標です。自ら学ぶ意思を持って、われわれの関連病院で謙虚に励めば、誰でもこの目標を達成することが可能です。そして、ここまでできていれば通常の外科医としてどこでも通用するはずです。
 通常、後期研修は臨床初期研修を修了した病院で行うことが多く、その期間も3年のところが多いので、最初の5年を一つの区切りと考えています。この時点で概ね目標を達成し、次の段階に進みます
図1)。次の段階では若手交流が行われます。若手交流では、これまでとは異なる病院に勤務していただき、一つの病院での偏った経験や考え方に縛られず、よりバランスの良い外科医になることを目指します。またこの段階で国立がんセンター、癌研有明病院、静岡県がんセンター、愛知県がんセンターなどのレジデントとして国内留学をすることも可能です。このような施設ではレジデント制度が確立していて、病理や放射線科なども含めた系統的な研修を行うことが可能です。国内留学をしない人は、若手交流終了後に大学へ帰局していただきます。大学へ帰局する時には原則的に大学院へ入学していただきます。大学では大きくわけて臨床研究と基礎研究に従事していただき博士号を取得するための研究を行っていただきます。臨床研究に従事する方は、臨床業務を行いつつ自分のテーマを持って研究をすすめていただきます。また基礎研究に従事する方は、約2年間臨床業務から離れて、主にがん遺伝子や病理、生理学などの基礎的研究に専念していただきます。4年間のうち、2-3年で学位(博士号)の研究をして論文を仕上げ、最後の1年間で腫瘍外科の臨床を学んで卒業します。なお、国立がんセンターなどに国内留学される方も、原則的に大学院へ入学していただき、博士号取得のための研究を各々の施設で行っていただいてます。国内留学が終了した後には、他の方と同じように大学へ帰局していただき1年間、腫瘍外科の臨床を学んでいただきます。

大学へ帰局された期間に指導者として必要な最終的な教育を受けて、修了した時点で指導者として関連病院に赴任します

学位と専門医 

 近年では、学位(博士号)よりも専門医を重視する傾向にありますが、腫瘍外科では大学院生としてきちんとした研究を行い博士号を取得することが外科医のトレーニングの一環として、非常に重要だと考えています。大切なのは博士号を取ることではなく、それを取る過程で経験する「研究の立案」、「倫理委員会などへの申請」、「研究の実行」、「研究結果の収集・解析・解釈」、「学会発表や論文作成」などです。これらの経験を通じて医学というものがどのように進歩してゆくのか、その過程を垣間見ていただくことが大切だと考えています。大学で博士号を取得するという経験は、将来大学を離れて指導者になるための訓練の一部であるとも言えます。
 現在数多くの専門医制度がありますが、当科では基本的な外科専門医と消化器外科専門医(あるいは乳腺専門医)を取得することを必須としています。さらに日本外科学会指導医や日本消化器外科学会指導医も取得することが望ましいと考えています。手術経験については関連病院で普通にやっていれば、自然に規定数になりますから、心配は要りません。しかし、専門医や指導医の申請に必要な論文は自分で書かないといけません。論文については各施設の指導者がきちんと指導してくれますから、やる気さえあればすぐに必要な論文数に達するはずです。また、将来指導者になったときに若手の論文の指導をしなくてはならないので、この時期にたくさんの論文を書くことは、専門医を取得する目的以外にも非常に重要なことなのです。

海外留学

 海外留学は基礎(実験)でも臨床でも可能です。通常は大学病院での研修が終わってから指導者として関連病院に赴任するまでの間に1年から2年間行きます。基礎はアメリカ、臨床はイギリス、フランス、ドイツなどヨーロッパに行くことも多いです。希望ある方は早めに医局長に相談してください。

外科を志す医学生、研修医のみなさんへ

腫瘍外科を含む名大の外科系医局によって名大病院外科専門研修プログラムが組まれています。医局を中心とした関連病院とのネットワークでより高いレベルの外科医を目指す医学生、研修医のみなさんをトータルにサポートします。詳しくは以下のリンクから。
名大病院外科専門研修プログラム