当院で出産を希望される方へのご案内

1. はじめに

当院は総合周産期母子医療センターに指定されており、常時母体搬送や新生児搬送の受け入れをしています。母体の救命救急への対応、リスクの高い妊婦さんに対する周産期医療を提供しています。
もともと妊婦さん自身に合併症がある方、妊娠中に何らかの妊娠合併症を発症された方、お腹の赤ちゃんに病気が疑われている方など、リスクの高い妊婦さんはもちろんのこと、リスクがなく妊娠経過に問題がない妊婦さんも受け入れています。様々な診療科と連携し、母子ともに安心で安全な出産を目指し、満足できる妊娠生活、分娩、産後の生活が実現できるようにサポートしています。当院では臨床心理士、遺伝カウンセラー、妊娠中や産後の薬剤について経験豊富な薬剤師(妊婦・授乳婦専門薬剤師)、医療ソーシャルワーカーもおり、妊娠中から産後の様々なご相談にも対応していきます。

2. 当院への受診の方法

・他院で妊娠の管理をされている方で、当院での管理をご希望の際には、その病院・クリニックの担当の先生に「病診連携」を通じてご紹介いただくようにお伝えください。
 もし、担当の先生が当院への紹介方法をご存知でない場合には、当院HPの名大病院へのご紹介方法を参照していただくようにお伝えください。
・病診連携を通さずに、予約なしで受診された場合には(紹介状の有無に関わらず)、診察できない場合もありますのでご了承ください。
・初診は毎週木曜日に行っています。

3.診療担当・体制について

2024年4月現在、妊婦健診は月曜日〜金曜日に診療しており(変更の可能性があります)、木曜日に初診を行っています。大学病院の性質上、ハイリスク妊娠が多いため、どの外来でも同質の診療が提供できるように対応しています。なお、リスクのない方でも当院での分娩は可能ですので、是非ご検討ください。
 当院では時間外の緊急時にも迅速な対応ができる様に、産婦人科当直医2名、新生児科当直医1名、麻酔科当直医2名が常駐しています。

4.母体血胎児染色体検査(NIPT)

当院ではお腹の中の赤ちゃんに21トリソミー、18トリソミー、または13トリソミーという染色体の数の変化があるかどうかの可能性を、妊婦さんの採血で推定する検査を希望の方に行っております。詳細は「母体血胎児染色体検査(NIPT)」をご確認ください。

5.立ち合い出産

当院では立ち合い出産が可能です(2024年4月現在)。妊娠30週前後に立ち合い出産のための説明書・同意書をお渡ししますので、注意点をご確認の上、ご希望される場合には入院時に同意書をスタッフにお渡しください。
なお、原則夫のみの立ち合いとしております。また帝王切開の際には立ち合うことができません。また、新型コロナウィルス感染症の拡大時、母児の安全のためなどの緊急時、その他状況に応じて立ち合いができない場合もありうることはご了承いただきますようよろしくお願いします。

6.無痛分娩(硬膜外麻酔分娩)

当院ではこれまで医学的に必要と判断した妊婦さんのみを対象として無痛分娩を行ってきましたが、現在は希望される妊婦さんにも無痛分娩を提供しています。当院の無痛分娩については「無痛分娩について」をご覧ください。

7.先天性サイトメガロウィルス感染症のスクリーニング検査(自費)のお知らせ

サイトメガロウィルスは、主に幼小児期に感染しますが、ほとんどは無症状でその後は生涯にわたり潜伏感染しています。しかし妊娠中に母体が感染すると、時に胎児に感染し先天性サイトメガロウィルス感染症を発症します。最近の日本の調査では、頻度は約0.3%(新生児約300人に1人)と報告されています。
当院では、この先天性サイトメガロウィルス感染症を調べるスクリーニング検査(自費)を希望者に実施することができます。本検査は、出生後に児の尿を用いて検査を行います(オムツに採尿シートを設置します)。本検査で陽性となった場合には、確定診断のための精密検査が必要になります。なお、先天性サイトメガロウィルス感染症および本検査については妊娠30週前後でお渡しするパンフレットをご参照ください。

8.病診連携について

リスクの少ない妊婦さんや合併症などが安定している妊婦さんが、当院と連携をしている自宅や職場近くの産科施設で妊婦健診を受け、出産が近づいたら当院で管理することもできます。もしご希望の方がいらっしゃいましたら、担当医にご相談ください。。

9.その他

当院では医学的に必要と判断される場合以外では人工妊娠中絶は行っておりません。