新任教授のご紹介(呼吸器内科学 石井 誠 教授) - ニュース&イベント | 名古屋大学大学院医学系研究科・医学部医学科

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新任教授のご紹介(呼吸器内科学 石井 誠 教授)

ご挨拶

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 このたび、2022(令和4)年6月1日付けで、長谷川好規前教授の後任として、名古屋大学大学院医学系研究科 総合医学専攻 病態内科学講座 呼吸器内科学 教授を拝命いたしました石井誠と申します。ここに謹んでご挨拶申し上げます。
             
 私は1996年(平成8)に慶應義塾大学医学部を卒業後、同内科学教室に入局し、2年間大学病院にて内科全般の研修の後、埼玉県及び栃木県の地域基幹病院での各1年の内科研修をへて、感染症、喘息・アレルギー、慢性閉塞性肺疾患、間質性肺炎、癌など、多様で難治性疾患も多い呼吸器内科学に興味を持ち、2000年に慶應義塾大学医学部内科学教室(呼吸循環器)に帰室しました。
 帰室後は、研究では、当時の小川聡教授、山口佳寿博准教授(前東京女子医科大学教授)、鈴木幸男先生(前北里大学教授)、竹下啓先生(東海大学教授)の御指導の下、肺虚血再灌流障害のシグナル伝達機構の研究にて学位を取得しました。その後2年間さいたま市立病院で幅広い呼吸器内科疾患症例を数多く経験し、故石坂彰敏教授のご高配により、2006年より3年間、米国ミシガン大学病理学教室(免疫プログラム)Steven Kunkel教授研究室にて、感染免疫、特にM2マクロファージのエピジェネティック制御機構に関して検討してまいりました。
 2009年に帰国し慶應義塾大学医学部内科学(呼吸器)にて、診療・教育と並行して、研究では、故別役智子教授、福永興壱教授、長谷川直樹教授の御指導の下、肺により焦点をあてる形で、インフルエンザや肺炎球菌性肺炎などの呼吸器感染症や肺気腫などの炎症性肺疾患の免疫学的機構の研究を主に動物モデルを用いて検討し、実臨床で頻用されるマクロライド抗菌薬の免疫調整効果の免疫学的機序の検討なども行ってまいりました。また直接リプログラミング法を用いた肺再生の基礎研究や、肺非結核性抗酸菌症の臨床研究、さらには近年では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の病態解明を目指した多施設共同研究チーム「コロナ制圧タスクフォース」に、研究代表施設の実務責任者として参画し(AMED金井隆典教授班及び福永班)、6000例規模の臨床検体を用いた疾患感受性遺伝子の検討やオミックス解析など、多くを学ばせていただきました。そして厚生労働省の1000例規模のCOVID-19の罹患後症状(いわゆる後遺症)の全国調査研究(福永班)の事務局として活動し、より正確な情報を社会に向けて発信することにも努めてまいりました。
 呼吸器内科学は、上述のように、感染症、喘息・アレルギー、慢性閉塞性肺疾患、間質性肺炎、肺癌など多彩な疾患を対象とする分野であり、いまだ病態未解明の難治性疾患が数多くあります。名古屋大学呼吸器内科学では、これらの多彩な疾患に対して、患者さんに安心安全で高度な診療を提供し、また病態解明や革新的な新規治療法の開発に向けた先進的な基礎研究やトランスレーショナルリサーチ、また新たなエビデンスを創出する臨床研究を、学内外の研究室と幅広く共同しながら行い、新しい知見を世界に発信し、社会に貢献してまいります。皆様におかれましては、今後とも末永く御指導御鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

略歴

1996 年3月  慶應義塾大学医学部卒業
1996 年4月  慶應義塾大学医学部 研修医(内科学)
1998 年5月  北里研究所メディカルセンター病院(現北里大学メディカルセンター) 内科
1999 年5月   済生会宇都宮病院 内科
2000 年6月  慶應義塾大学医学部 内科学(呼吸器) 助手
2004 年7月  さいたま市立病院内科(呼吸器内科)
2006 年8月  米国ミシガン大学医学部 病理学教室免疫プログラム
       Steven Kunkel教授研究室ポスト・ドクトラルフェロー
2009年 9月  慶應義塾大学医学部 呼吸器内科 助教
2010年10月  慶應義塾大学医学部 呼吸器内科 専任講師
2019年10月  慶應義塾大学医学部 呼吸器内科 准教授・診療副部長
2020年10月  慶應義塾大学病院 医療保険指導部 部長(兼任)
2022年6月  名古屋大学大学院医学系研究科 総合医学専攻 病態内科学講座 呼吸器内科学 教授