新任教授のご紹介(消化器内科学 川嶋 啓揮 教授) - ニュース&イベント | 名古屋大学大学院医学系研究科・医学部医学科

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新任教授のご紹介(消化器内科学 川嶋 啓揮 教授)

ご挨拶 

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 令和4年4月1日付で医学系研究科消化器内科学 教授を拝命しました川嶋啓揮と申します。ここに謹んでご挨拶申し上げます。私は平成7年に名古屋大学医学部を卒業し、半田市立半田病院で初期研修をおこない平成8年に名古屋大学第二内科(早川哲夫名誉教授)に入局しました。半田病院では肥田野等先生(半田病院名誉院長)はじめ多くのやさしくも厳しい先輩方に御指導いただき、皆で早朝から夜遅くまで働き、しっかり遊んでいろいろな経験をさせていただきました。その後、平成11年に医局人事で渥美病院に異動になりました。典型的な田舎の病院でしたが、住めば都という言葉を実感できる環境であり、ここでも診療科を越えて先輩、後輩に恵まれ様々な疾患(サーファーの切傷など外傷まで)経験させていただき、消化器内科のスタッフとして責任もって患者さんを診察する立場で仕事をさせていただきました。
 平成14年に大学に帰局しましたが、当時はちょうど内科再編の時期で消化器内科教授は不在という状況でした。混沌とした時期でしたが、出来たばかりの光学医療診療部の助教授であった後藤秀実先生(名古屋大学名誉教授、名城病院院長)が主宰されていた旧第二内科第6研究室の流れをくむ研究室に配属していただき、中でも自分が一番希望した胆膵グループで臨床業務・研究をさせていただきました。廣岡芳樹先生(藤田医科大学消化器内科教授)のもと、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)の手技を伊藤彰浩先生(にしのほう伊藤内科クリニック院長)に教えていただきました。ERCPは古い手技ではありますが、内視鏡手技の中でいまだに偶発症が最も多い手技であり、一歩あやまると重大な偶発症を起してしまう怖い手技です。それをいかに安全かつ効率的に行うか、現在では誰も教えてくれないので自問自答しながら手技の改良に努め、後輩達に指導しています。大学では臨床研究として内視鏡を用いた胆管癌の診断とドレナージ、十二指腸乳頭部腫瘍の内視鏡的治療などに取り組み、これらの症例数は日本一を誇っております。
 現東京大学消化器内科教授の藤城光弘先生の名古屋大学消化器内科教授就任に伴い、平成31年からは光学医療診療部部長として運営に当たってきました。検診がCOVID-19の影響で減ったため、令和2年は内視鏡検査・治療数が減少しましたが令和3年は盛り返してきております。
 消化器内科の対象は多臓器に及ぶ多種多様な疾患です。慢性炎症性疾患から癌まで多岐にわたります。それに対応するため多様な人材を多数取りそろえて診療・研究を行っていると自負しております。しかし、まだまだマンパワーがたりません。関連施設で定員を満たしている施設は皆無です。また、各方面の基礎教室から共同研究の誘いをいただいていますが、マンパワー不足で応えられていない状況です。名古屋大学消化器内科学教室と関連施設はひろく門戸をひらいて新たな才能を求めています。
 基礎研究はもちろん臨床研究も消化器内科単独で出来ることは限られています。他施設・他研究室とのコラボレーションは是が非でも必要です。皆様には、今後とも一層のご指導ご鞭撻を賜りますよう謹んでお願い申し上げます。

略歴


平成元年3月   愛知県立半田高等学校卒業
平成7年3月    名古屋大学医学部医学科 卒業
平成7月5月    半田市立半田病院 研修医
平成11年11月   愛知厚生連渥美病院 内科医員
平成14年4月    名古屋大学医学部 内科学第二講座 研究生
平成15年4月    名古屋大学医学部附属病院 消化器内科 医員
平成19年7月    名古屋大学大学院医学系研究科 消化器疾患病態論 助教
平成21年1月    名古屋大学大学院医学系研究科 消化器内科学 助教
平成26年6月    名古屋大学医学部附属病院 消化器内科 講師
平成31年4月    名古屋大学医学部附属病院 光学医療診療部 部長
令和元年10月   名古屋大学医学部附属病院 光学医療診療部 准教授 
令和4年4月    名古屋大学大学院医学系研究科 病態内科学講座(消化器内科学分野)教授