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新任教授のご紹介(分子病原細菌学 柴山 恵吾 教授)

ご挨拶

shibayama_210415.jpg 2021年4月1日付で名古屋大学大学院医学系研究科分子病原細菌学教授を拝命しました。前職は国立感染症研究所細菌第二部部長で、病原細菌の病原性に関する基礎研究を行うとともに厚生労働省の薬剤耐性サーベイランスなど国の行政に関わる研究業務に幅広く携わってきました。今後は名古屋大学で病原細菌の薬剤耐性や病態との関連がよくわかっていない細菌の病原性の分子メカニズムに関して、基礎研究ならびに応用研究を深めていきたいと思います。同時に薬剤耐性サーベイランスについても研究を深めてより良い手法を提言するなどしていきたいと思います。また感染症は国境を超えて広がるため、海外との共同研究も推進していきたいと思います。
 さて、現在世界ではCOVID-19が大流行し、未だ終息の見通しが立たない状況です。感染症は人類の歴史上、最も大きな脅威の一つでした。近年は衛生環境が改善されるとともに、ペニシリンに始まる抗菌薬やワクチンが開発されるなど治療の技術が発達して、感染症対策が大きく進歩してきました。しかし世界では新たに様々な感染症が発生しています。また一旦は制圧された感染症が再び流行するということも起きています。現在でも感染症は人類にとって大きな脅威であることは変わりありません。細菌感染症の分野では抗菌薬の普及に伴い様々な薬剤耐性菌が出現していますし、これまでわかっていなかった細菌が意外な病気を起こしていることもわかってきました。病原微生物は早いスピードで進化と適応を続けるため、感染症との闘いは終わることがありません。感染症をコントロールするためには、基礎医学と臨床医学、基礎研究と応用研究が連携し、さらにヒト分野だけでなく家畜や環境分野、アカデミアと行政など、様々な分野の専門家がお互いに協力していく必要があります。これらの分野をつなげながら、名古屋大学が社会の感染症対策に貢献できるように力を尽くしたいと思います。

略歴

1994年3月 名古屋大学医学部卒業
1994年4月 公立学校共済組合東海中央病院研修医
1996年4月 名古屋大学医学部細菌学講座 助手
1999年4月 国立感染症研究所 細菌血液製剤部 研究員
2002年4月 国立感染症研究所 細菌第二部 主任研究官
2004年6月 英国Leeds大学 日本学術振興会特定国派遣研究者(出張、同年11月まで)
2006年7月 国立感染症研究所 細菌第二部第四室 室長
2011年4月 国立感染症研究所 細菌第二部 部長
2021年4月 名古屋大学大学院医学系研究科 分子病原細菌学 教授