名古屋大学大学院医学系研究科に 「5D細胞ダイナミクス研究センター(C5CD)」を設立 - ニュース&イベント | 名古屋大学大学院医学系研究科・医学部医学科

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名古屋大学大学院医学系研究科に 「5D細胞ダイナミクス研究センター(C5CD)」を設立

 名古屋大学大学院医学系研究科(研究科長・門松 健治)の西川 博嘉 教授、島村 徹平 教授、日野原 邦彦 特任准教授は、名古屋大学における医学・情報学融合解析研究拠点として「5D細胞ダイナミクス研究センター(Center for 5D Cell Dynamics, C5CD)」を設立しました。
 近年のシークエンス技術、各種オミクス技術、イメージング技術、および AI などの計算科学の進展に伴い、生命をシステムとして理解し、その動態を定量的に可視化・数理モデル化することが不可能ではない目標となりつつあります。これを達成するためには、時空間情報を伴い、かつ定量的な分子・細胞の相互作用ネットワークの解明が必須であり、モデルから予測した分子の挙動とオミクス・イメージング解析データを照合し、評価するというサイクルを回すことが重要です。これは一つの研究分野だけで達成できるものではなく、免疫学を中心とした医学・分子生物学・数理科学などの様々な関連分野の研究者が有機的に連携する、アンダーワンルーフ型の研究推進体制を形成することが必要不可欠です。名古屋大学では、ウェットラボとドライラボの緊密な連携を基盤とするC5CDの設立により、複雑な生命現象を1細胞単位で時空間的に理解する医学情報学研究の推進体制を整えました。研究センターでは種々の疾患に対する新規治療法の創出や革新的診断・予防法の開発を目指した研究を進めるとともに、共同研究をベースとした研究支援を積極的に展開し、生命のダイナミクスに潜む本質的原理を探求していきます。

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1. 背景
 近年、1つの細胞レベルでのオミクス計測技術やイメージング技術、大量データを処理する計算科学技術などの発展により、個別の遺伝子や分子に着目した研究から、遺伝子群の1細胞レベルでの変化を対象とする、より複雑な生命現象や疾病を理解するための生命医科学研究へとパラダイムシフトが起きつつあります。2000年代後半には次世代シークエンサーの登場、2010年代には1細胞シークエンス技術の開発と加速度的な技術革新も進んでおり、それに伴い免疫学を中心とした医学や科学技術を記述する言語である数理科学も発展してきましたが、生命システムの多様性・ダイナミクスを解明するには、現象の数理モデル化と最新技術を導入した実験による検証のサイクルを効率的に回す必要があり、そのためには従来型の各分野における個別研究から、異分野の連携・融合型の研究開発への移行が必要とされていました。生命医科学と情報学はこれまでも実験データの計測や分析、管理などで一部協働してきましたが、今後はより高次なレベルでの協働作業が求められています。

2. 今後の展開
 C5CDでは、最先端の医学・分子生物学・数理科学の有機的融合を通じて、種々の疾患に対する新規治療法を創出するとともに、革新的診断・予防法の開発を目指した研究を推進していきます。また、このような分野横断的融合研究をアンダーワンルーフ型の研究体制により進めることが可能なC5CDの環境を有効活用することで、共同研究をベースとした研究支援を積極的に展開し、生命現象のダイナミクスを探求していきます。

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