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新任教授のご紹介(呼吸器外科学 芳川 豊史 教授)

ご挨拶

 20190905芳川_1318.jpgこの度、令和元年9月1日付けで呼吸器外科学教授を拝命いたしました。私たちの呼吸器外科教室は、平成25年4月に、東海・中部地区の国公立大学で初めての呼吸器外科学講座として設立された新しい教室です。

 初代教授である横井香平先生の指導の下、現在も在職している医局員が核となり、関連施設と密に連携しながら、東海・中部地区随一の呼吸器外科学教室に発展してきました。これまでに、肺、縦隔、胸膜など、心臓を除く胸部に発生する疾患に対する外科治療を行う一方、病態解明や治療技術の開発を目指したオリジナリティーのある研究を行ってまいりました。臨床面では、進行肺癌や胸腺腫に対する拡大手術や胸膜中皮腫に対する集学的治療を行う一方、ロボット手術をはじめとした胸腔鏡下の低侵襲手術を得意としております。

 これらの研究・臨床活動を、学内外の関連する基礎医学、社会医学、そして臨床医学の教室と協力しながら、新たな視点・新たなレベルで発展、進化させるのが私に与えられたミッションと考えております。私は、京都大学で、東海・中部地区では行われていない肺移植を含んだ、呼吸器外科における診療を幅広く行う一方、肺癌、肺移植、再生医学の研究をバランスよく進めてまいりました。これらの経験をもとに、臨床・研究・教育をインタラクティブに行い、国内だけでなく世界に発信できるような、魅力ある教室づくりを行いたいと思っております。

 呼吸器外科領域で取り扱う最大の疾患である肺癌は、本邦においても世界においても、悪性腫瘍での死亡原因の第一位となっています。また、間質性肺炎、慢性閉塞性肺疾患などの慢性呼吸不全に対する最後の砦となる肺移植医療も、本邦だけでなく世界的にも、その数が年々増加しています。このように、呼吸器外科領域においては、肺癌に対する外科治療だけでなく、肺移植などの高度医療の必要性も益々増加するなど、呼吸器外科医の需要は増大しております。

 現在の名古屋大学呼吸器外科のスタッフは私が最年長で、ちょうど「脂ののった今が旬」のチームです。医局員全員が一丸となって結束し、ワーク・ライフバランスや多様性を認識した環境作りを進め、個々の能力が最大限に引き出せるような教室を目指します。名古屋大学呼吸器外科として、新たな船出を迎えるにあたり、皆様には、今後とも一層のご指導を賜りますよう謹んでお願い申し上げます。

略歴

1997年    京都大学医学部医学科卒業

1997年    京都大学胸部疾患研究所 外科

1998年    高知市立市民病院 呼吸器外科

2000年    静岡市立静岡病院 胸部心臓血管外科

2004年    京都大学大学院 呼吸器外科学

2006年    学振院特別研究員

2007年    京都大学大学院医学研究科 臓器機能保存学 助教

2008年    カナダ トロント大学 胸部外科 クリニカルフェロー

2009年    京都大学大学院医学研究科 呼吸器外科 助教

2014年    京都大学大学院医学研究科 呼吸器外科 講師

2019年    京都大学大学院医学研究科 呼吸器外科 准教授

2019年    名古屋大学大学院医学系研究科 病態外科学講座(呼吸器外科学分野)  教授