新任教授のご紹介(システム生物学 島村 徹平 教授) - ニュース&イベント | 名古屋大学大学院医学系研究科・医学部医学科

ニュース&イベント

Back
Top > ニュース&イベント > 新任教授のご紹介(システム生物学 島村 徹平 教授)

新任教授のご紹介(システム生物学 島村 徹平 教授)

ご挨拶

島村先生写真.pngこの度、令和元年6月1日付けでシステム生物学分野教授を拝命いたしました。就任のご挨拶を申し上げるとともに、研究内容と今後の抱負について紹介させていただきます。

ここ数十年に渡る測定技術の進展により、ゲノムや遺伝子発現などの分子情報、イメージングによる画像情報など、さまざまな生命情報が取得できるようになりました。これは、生命情報のデジタル化が進み、コンピュータを用いて生物の振る舞いをデータとして扱える量が膨大になったというように捉えることができます。

こうした医学分野における膨大なデータの活用の先には、さまざまな臨床的応用の可能性や期待があります。例えば、超早期疾患マーカーの開発、薬効や疾病再発の高精度予測、革新的な分子標的薬の発見、薬剤耐性機構の解明・克服などです。しかしながら、現実と期待の間には大きなギャップがあり、目標の実現のためには、ペタバイト級の膨大で複雑なデータがもつ不確実性を考慮しつつ、情報をまとめ、分析し、的確に結果を解釈するための枠組みが必要です。

私たちはこれまで、最先端のデータサイエンスを基軸に、膨大な生命情報を読み解くための数多くの数理モデルや情報解析技術を開発し、生命現象や疾病の理解に資する医学研究を行ってきました。現在、人工知能(AI)をはじめとして著しい発展を見せるデータサイエンスは、今やすべての分野に大きな影響を与える領域であり、医学や生物学においてもブレイクスルーをもたらすには、避けては通れない分野となっています。

この名古屋大学で、数理科学と医学の融合から、生命の複雑さにまつわる法則性を発見する情報解析基盤を確立するとともに、融合研究による医療イノベーションを引き起こす解析研究・教育拠点を創生することが今後の目標です。

人材の育成では、学生がデータを分析、統合、評価する思考過程を自ら学び、自ら考えることで『今後に活きるデータ解析力』を育成する実践的教育に取り込むとともに、医学と数理科学の両方の言語を理解し、両分野の架け橋として貢献できる研究者・臨床医を育成していきたいと考えています。 今後ともご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

システム生物学 島村 徹平(しまむら てっぺい)

略 歴

平成19年3月 北海道大学大学院情報科学研究科複合情報学専攻博士後期課程修了博士(情報科学)取得

平成19年4月 東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センターDNA情報解析分野 特任研究員

平成22年4月 東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センターDNA情報解析分野 特任助教

平成23年8月 東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センターDNA情報解析分野 助教

平成26年4月 名古屋大学大学院医学系研究科システム生物学分野 特任准教授
         名古屋大学 博士課程教育リーディングプログラム 実世界データ循環学リーダー人材養成プログラム 特任准教授(兼任)

令和元年6月 名古屋大学大学院医学系研究科システム生物学分野 教授