ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社とがん薬物治療における免疫関連バイオマーカーの探索に関する共同研究契約を締結 - ニュース&イベント | 名古屋大学大学院医学系研究科・医学部医学科

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ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社とがん薬物治療における免疫関連バイオマーカーの探索に関する共同研究契約を締結

名古屋大学はブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社とがん薬物治療における免疫関連バイオマーカーの探索に関する共同研究契約を締結し、医学系研究科で研究が行われることとなりました。契約期間は2023年までの5年間です。

本契約に基づき、両者は、固形がんおよび血液がんを含めた幅広いがん種に対して、実臨床において使用される薬物治療によって体内にどのような免疫反応が誘引されるかを細胞レベルで解析します。また解析結果に基づき、治療に有用なバイオマーカーを同定し、がん薬物治療のための診断薬や新規薬剤を開発することを目指します。

がんの薬物治療は、近年、大きく進展していますが、最新の治療法であっても必ずしもすべての患者さんに対して有効ではなく、それぞれのがんの特性、および患者背景に合わせた、より効果的な治療法が求められています。また、治療によって効果が期待できる患者さんを特定する効果予測バイオマーカーの同定・開発も急務となっています。特に、免疫チェックポイント阻害薬など、免疫関連の薬物治療においては、がんゲノムと免疫応答との包括的な検討、ならびに臨床効果を最大化するための新たな治療法の開発が重要です。

このような状況に対し、本学医学系研究科は、がん薬物治療の科学を進展させ、治療困難ながん患者さんの予後を改善する革新的な治療法の研究開発にコミットしているブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社と共に、トランスレーショナルリサーチによって新たな免疫関連バイオマーカーの探索に取り組みます。

■本研究担当 分子細胞免疫学 西川 博嘉 教授のコメント
がんに対する免疫応答において、エフェクターT細胞に加え、制御性T細胞のバランスが、様々ながん種において予後不良と関連しています。しかし、患者における制御性T細胞の役割は完全には解明されていません。制御性T細胞の役割を解明し、制御性T細胞を標的とした治療法を開発することで、より効果的な治療が実現できると考えています。本研究を通して、ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社と協力して、新たな免疫関連バイオマーカーを探索し、高精度医療の実現に寄与していきたいと考えています。

 ■ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 橋上 聖 専務執行役員 メディカル・開発部門長のコメント
この度、名古屋大学医学系研究科との共同研究開始を、大変うれしく思っています。私たちは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することをミッションとしており、今後もアカデミアとの連携を強化し、引き続き新たな治療薬をお届けできるよう努めてまいります。