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脳神経病態制御学脳神経外科学/脳神経先端医療開発学/脳血管内治療学

研究室概要

名古屋大学大学院医学系研究科 脳神経外科について

当科の歴史

当教室の歴史は古く、当時のヨーロッパの先進的な脳神経外科手術手技を本邦に導入し、日本脳神経外科学会の第1回〜第3回の会長を務めた齋藤眞教授より始まる。その後、戸田博教授及び橋本義雄教授は地域医療貢献に尽力。景山直樹教授は脳腫瘍病理学・小児脳腫瘍学・神経内分泌学を確立するとともに、日本脳腫瘍病理学会、日本脳血管内治療学会などを創設し、本邦の学問的基盤を築き上げた。特に、低侵襲手術法の先駆的手法である、下垂体腫瘍に対する経蝶形骨洞手術(Hardy approach)の本邦への導入をいち早く確立した。杉田虔一郎教授は脳神経外科の顕微鏡手術(Microsurgery)の確立に中心的役割を果たすとともに、脳動脈瘤に対するSugita clipの開発、Sugita frame、Sugita chair等、脳神経外科手術機器の開発に尽力した。自らの顕微鏡下手術のスケッチをふんだんに挿入した成書"Microneurosurgical atras"は脳神経外科医のバイブルとまで言われ、世界中で愛読された。吉田純教授は生命科学・医用工学の進歩を脳神経外科学に取り入れ、画像誘導手術法の確立、細胞免疫療法の導入の後に、本邦初の脳腫瘍に対する遺伝子治療の臨床応用を実施した。現在の若林俊彦教授は、脳神経外科ロボティクス開発、脳腫瘍のゲノム・エピゲノム・プロテオーム解析に基づく個別化・層別化医療の推進、分子標的イメージングPETプローベや標的核酸医療の新規開発、8K高精度画像技術のICT導入による内視鏡手術臨床応用、「脳とこころの研究センター」設立に伴う脳科学のアジアの拠点形成に尽力している。

本科の各診療グループの特徴
  1. 脳腫瘍グループ:BrainTHEATERを用いた最先端手術手技と先進医療で、生命・機能予後の向上に取り組んでいます。頭蓋底手術から覚醒下開頭術まで、遍く脳腫瘍手術に対応し、悪性腫瘍には世界最高峰の技術を取り入れて化学療法・放射線治療を行なっています。2000年には本邦初の悪性脳腫瘍に対する遺伝子治療臨床応用を実施しました。
  2. 下垂体・神経内分泌グループ:下垂体腫瘍の他、頭蓋底局在腫瘍に対し神経内視鏡手術、キーホール手術など特殊技術手術を駆使、iNPH(特発生成常圧水頭症)などの認知症の治療も中部地区の拠点として実践しています。
  3. 機能的脳外科・画像解析グループ:難治性不随意運動(パーキンソン病、振戦)、てんかん、痛みに対し、最新脳神経画像診断技術を駆使して定位脳手術を実施しています。脳深部刺激療法で本邦初導入ロボット(ニューロメイト)を駆使し新たな分野を開拓しています。
  4. 脊髄・脊椎グループ:神経モニタリングや術中ナビゲーション技術を駆使して、低侵襲で最大の効果を得るマイクロサージェリー技術を開発しています。脊髄再生医療の基礎研究を推進しています。
  5. 脳神経先端医療開発グループ:悪性脳腫瘍の遺伝子治療を本邦初に臨床応用した実績を有し、各種脳神経疾患先端医療への橋渡し研究に重点を置いた、ニューロサイエンス関係の国内有数の施設を保有しています。
  6. 脳血管内外科グループ:脳動脈瘤、脳動脈狭窄病変、動静脈奇形、硬膜動静脈瘻、血管外傷、脳塞栓、血管性腫瘍等、本邦の血管内治療の草分け的存在で、医師主導型臨床治験も積極的に取り入れ、本邦のディバイスラグの早期解消に務めています。
  7. 脳卒中外科グループ:卓越した脳動脈瘤クリップとして全世界で使用されている「スギタクリップ」の生まれた本拠地です。その他、もやもや病に対する血管吻合術、脳虚血疾患に対するバイパス術を積極的に進めています。
  8. 小児脳神経外科グループ:小児脳腫瘍:名古屋大学は小児がん拠点に指定されており、すべての脳腫瘍のお子さんを受け入れています。適切な医療連携のもと、迅速かつ安全に診断・治療していきます。先天疾患: 主に、二分頭蓋(脳瘤)、二分脊椎(脊髄髄膜瘤・脊髄脂肪腫)、水頭症など、脳脊髄にかかわるすべての新生児先天疾患を受け入れています。小児脳血管障害:もやもや病やAVMなどすべての小児脳血管障害を脳卒中外科グループと連携して治療にあたります。
名古屋大学医学部附属病院の特色

名古屋大学医学部附属病院は、歴代の院長が築き上げてきた基盤の上に、斬新なアイデアの下に改革を次々に断行し、その結果、名大病院は、診療実績、教育基盤、研究業績のいずれの面も大きな発展を成し遂げた。トランスレーショナル研究拠点、臨床研究中核拠点、小児がん研究拠点はもとより、産学官連携の推進、早期創成科学プロジェクトセンターと共同で各種プロジェクトの推進、脳とこころの研究センターの創設などを先導する一方、臨床現場では、病院収益を各講座の教官数の増員を図り、若手研究者の研究支援金の補填に務め、各教室の人的及び研究財政支援を図った。また、寄附講座の増設による教官数の増員も図り、教育担当の分担化と割当時間の短縮に伴う負担の軽減に務めている。
さて、名古屋大学医学部の特色として、全国に先立ちマッチングシステムを取り入れ、独自の名古屋大学方針として永年築き上げて来た卒後全科ローテーションシステムにより、全人的な医療および中部地区の地域医療を支え、優秀な臨床医が育ってきている。その結果、愛知県を中心とする東海4県への研修希望者が毎年多数参集しており、その結果、臨床に強い医師の要請機関として、その存在感は更に強まって来ている。
一方、わが国は、世界で類をみないスピードで超高齢化社会を迎え、今後、65歳以上が総人口に占める割合は、2025年には30%を越えるものと予測されている。平均寿命の上昇により、医療現場においては、高齢化に伴って増加する、がん、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病、慢性腎疾患等の慢性疾患が医療費の多くを占めるようになってきており、この抜本的解決を目指した取り組みが緊急課題となっている。名大病院の今後取るべき方向性は、国内のみならず国際的な視野の下に、上記各種疾患に対する創薬を含めた大型臨床研究の受託推進体制を創り上げるとともに、2012年に名大に創設された創薬医薬大学院を初めとする各種研究機関から生まれでてくる名大発の創薬開発を、臨床応用に導くために支援する開発基盤を早急に立ち上げ、それ産業化して世界に冠たる臨床研究拠点を組織化することである。そしてこの目標を実現化するためには、1)創薬医薬大学院、脳とこころの研究センター、先端医療臨床研修支援センター或は中部円環コンソーシアムなどから生まれでてくる基礎研究から橋渡し研究へのシーズ発掘と育成の持続性を人的及び経済的支援をすること、2)橋渡し研究及び臨床研究を支える世界的頭脳の人材確保(ヘッドハンティング)とその下での優秀な若手人材の育成及びリクルートの推進、3)臨床研究推進基盤の国際標準化確立のための海外交流の活性化、4)圧倒的知財申請を基盤として創薬医療の成長と地元財界と組んで産業化の達成を早期に目指すことが必要であると考える。
名大病院は、東海地方を中心に、わが国の国立大学病院の中で最大級の関連病院数を誇る。約70病院(総数約31,000床)の関連施設の中には臨床研究や臨床治験が自ら行える500床以上の大規模病院が34施設あり、医学生及び卒後研修制度の人材教育、診療教育の実績では他に類を見ないネットワークを構築している。

【名称】 
名古屋大学大学院医学系研究科脳神経外科学教室
【所在地】
〒466-8550 愛知県名古屋市昭和区鶴舞町65 
☎ 052-741-2111 (Ext;2353/2354)
【入院症例数(名古屋大学単独)】 
脳腫瘍459例、脳動脈瘤140例、脳動静脈奇形55例、脳梗塞77例、脊髄脊椎疾患65例、小児・奇形・水頭症61例、てんかん・機能的脳神経外科182例、など(2015年実績)。
【入院症例数(名古屋大学関連病院全体)】 
脳腫瘍3141例、脳動脈瘤2104例、脳出血3172例、脳梗塞3197例、脊髄脊椎疾患1625例、小児・奇形・水頭症600例、てんかん・機能的脳神経外科1159例、など(2015年実績)。

研究プロジェクト

◎脳腫瘍グループ
1) 悪性脳腫瘍(低悪性度神経膠腫)の遺伝子異常の全体図を解明 -悪性脳腫瘍に関する最大規模のゲノム解析を実施-:研究責任者 夏目敦至

概要
低悪性度神経膠腫(WHO grade II/III glioma)は頻度の高い脳原発悪性腫瘍です。進行は比較的ゆっくりですが、脳に染み込むように増殖するため完治させることが極めて困難な病気です。多くの患者さんでは初回治療の数年から数十年後に、より悪性度の高い腫瘍として再発し、死に至る病気であり新しい治療の開発が期待される病気であります。そのため、低悪性度神経膠腫においてどのような遺伝子異常が生じているのか、これらの遺伝子異常が腫瘍の発生や悪性化に対してどのような役割をもっているか解明する必要があります。
京都大学大学院医学研究科 腫瘍生物学講座 教授 小川誠司および名古屋大学大学院医学系研究科 脳神経外科学 准教授 夏目敦至を中心とした共同研究チームは300例以上の低悪性度神経膠腫の遺伝子解析を行い、公開されている約400例の症例を合わせて700例を超える世界最大規模の網羅的遺伝子解析を行いました。

今回の研究の主な成果は以下の点です。

  1. 700例以上の低悪性度神経膠腫における遺伝子異常の全貌を明らかにしました。
  2. 低悪性度神経膠腫は遺伝子異常に基づいて明確に3つのサブグループに分けられます。
  3. それぞれのサブグループにおいて起こりやすい遺伝子異常を同定しました。
  4. それぞれの遺伝子異常に対し、腫瘍の発生から進展までどの段階で生じているか明らかにしました。
  5. 低悪性度神経膠腫は異なった遺伝子異常をもつ複数の腫瘍細胞群から構成され多様性に富んだ複雑な腫瘍であることが明らかとなりました。

本研究の成果は、米国科学雑誌「Nature Genetics」電子版にて公開されました。

1. 背景

脳腫瘍は脳に発生する悪性腫瘍で根治することが極めて困難な病期です。世界保健機構(WHO, World Health Organization)によって悪性度に基づきGrade IからIVまで分類されております。成人に起こる脳腫瘍のほとんどは神経膠腫(glioma、グリオーマ)という種類の腫瘍です。もっとも悪性度の高いGrade IV gliomaは神経膠芽腫(Glioblastoma)と呼ばれ、治療を行ってもほとんどの患者さんが2年以内に死亡します。一方、grade IIまたはgrade IIIのgliomaは低悪性度神経膠腫とも呼ばれ、やや若年成人に好発する悪性腫瘍です。腫瘍の進行は比較的穏やかですが正常な脳の細胞に染み込むように増殖していくため完治するのは困難な病気です。多くの患者さんでは数年から数十年たってから、より悪性度の高い腫瘍として再発しその時にはほとんどの治療が効かなくなってしまいます。従来、低悪性度神経膠腫はTP53遺伝子の変異と染色体1番の短腕と19番の長腕が欠損する1p/19q co-deletionが高頻度に起こり、互いに排他的(注1)に存在することがわかっておりました。2009年に約80%の低悪性度神経膠腫はIDH1またはIDH2の変異を持つことが明らかにされました。この異常はGlioblastomaにはまれであり、低悪性度神経膠腫の遺伝子異常はGlioblastomaと異なると考えられておりましたが、その全貌についてはまだ明らかにされていませんでした。また、低悪性度神経膠腫は段階的に悪性化していく腫瘍でありますが、腫瘍が発生し進行していく中でどのような遺伝子異常が発生していくのかということも解明されておりませんでした。
今回、京都大学大学院医学研究科 腫瘍生物学 教授 小川誠司、名古屋大学大学院医学系研究科 脳神経外科学 准教授 夏目敦至を中心とする研究チームは、300例を超える症例を対象として、最先端の遺伝子解析技術を駆使し低悪性度神経膠腫の網羅的遺伝子解析(注2)を行ない、遺伝子異常の全体図を明らかにしました。本解析は、低悪性度神経膠腫について行われたものの中では、これまでで最大規模の網羅的解析であり、低悪性度神経膠腫の分子病態の解明に大きな進展をもたらします。

2. 研究手法・成果

<次世代シークエンサーとスーパーコンピューターによる遺伝子異常の解明>(注3)
同じ臓器のがんでも患者さんが異なればその遺伝子異常は異なるということは様々な腫瘍で明らかとなっております。そのため、遺伝子異常を解明するには多数の症例が必要となります。今回、国内5施設(名古屋大学、熊本大学、九州大学、大分大学、東京女子医科大学)から合計332例の低悪性度神経膠腫のDNAを採取し、京都大学にて次世代シークエンサーを用いた網羅的遺伝子変異解析を行いました。そのうち10例は同一患者における初発時と再発時検体の解析を詳細に行い、別の4例は同一腫瘍内で複数部位を解析するマルチサンプリング(注4)の手法を用いて詳細に解析しております。これらのデータに加えthe Cancer Genome Atlasが公開している425例のシークエンスデータも利用しました。
低悪性度神経膠腫における大規模な網羅的遺伝子解析は過去になく、これまでで最大規模の研究成果になります。

<遺伝子異常に基づく低悪性度神経膠腫の分類>
本研究により低悪性度神経膠腫は遺伝子変異パターンにおいてIDH1/IDH2およびTP53変異、1p/19q co-deletionの有無によって極めて明確に下記の3群にわかれることが明らかとなりました(図1)。私達は変異のパターンにおいて低悪性度神経膠腫を下記のType IからType IIIと名付けました。

  • Type I: IDH1/2変異有、1p/19q co-deletion有
  • Type II: IDH1/2変異有、1p/19q co-deletion無、TP53変異有
  • Type III: IDH1/2変異無

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図 1:低悪性度神経膠腫における遺伝子異常の全貌。合計757例の解析結果。

今までIDH1/IDH2変異をもつ低悪性度神経膠腫の約4~24%の症例はTP53遺伝子の異常も1p/19q co-deletionも同定されませんでした。しかしながら詳細にデータを解析することにより1p/19q co-deletionには亜型が存在することや、従来の解析では同定することが困難なTP53遺伝子の異常を見つけることができ、IDH1/IDH2の変異を有する低悪性度神経膠腫はほぼ全例(99.7%、599/601例)がTP53遺伝子の異常か1p/19q co-deletionのどちらかを有することが明らかとなりました。さらに、Type II腫瘍に起こるTP53遺伝子の異常はほとんどの症例(98.0%、307/313例)で両アレル(注5)ともに異常が起きており正常なTP53遺伝子が完全に失われているということが明らかとなりました。IDH1/IDH2の異常を持たないType III腫瘍はGlioblastomaとよく似た変異パターンを示しました。しかしながらType III腫瘍の生存期間はGlioblastomaより良い結果となっております(図2左図)。また、Type III腫瘍を発症する患者さんたちの年齢もGlioblastomaと異なりました。Type IIIの中でもより悪性でありGlioblastomaに近いと考えられるType IIIb (Type III腫瘍でかつ病理分類で悪性度がGrade IIIの症例)のみで比較してもGlioblastomaとは異なった年齢分布でした(図2右図)。そのためType III腫瘍はGlioblastomaと思われる症例が混ざっている可能性はありますが、Gliobalastomaとは異なった集団であり、独立して分類すべきグループということがわかりました。
これらの遺伝子異常に基づく分類は患者さんの生存期間に強く影響しており、治療の現場においても有効な分類であります(図2左図)。遺伝子異常による分類は検査を担当する人間によって結果が左右されにくいものであり、患者さん個人個人の治療を考えるうえでとても有効であり信頼のおける分類になります。

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図 2:左.遺伝子異常による分類ごとの患者さんの生存率の推移。右.各タイプにおける患者さんの年齢の分布

遺伝子異常の全貌がわかると低悪性度神経膠腫はあたかもまったく異なった3種類の腫瘍の集合体という印象を与えます。次に、それぞれの遺伝子異常がどのタイプに起こりやすいかを調べました(図3)。遺伝子名の隣に"青""緑""オレンジ"のバーで、どのタイプに起こりやすい異常なのか示しております。格子上に2つの異なった遺伝子異常の組み合わせが一緒に起こりやすいかどうかを色付きの丸でしめしております。赤い丸ほど一緒に異常が起こりやすく、青いほど一方が存在する時もう片方の異常は存在しにくくなる(排他的であるといいます)関係にあります。すると各タイプに特徴的な異常は同じタイプで特徴的な他の変異と一緒に起こることが多く、他のタイプで特徴的な異常とは一緒に起こりにくいということがわかりました。このように、遺伝子異常による分類は腫瘍の特性をしっかりと示しており、分類された3タイプはそれぞれ特徴の異なった腫瘍であるということがわかりました。

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図 3:低悪性度神経膠腫における遺伝子異常の関係。
それぞれの遺伝子の組み合わせで共存しやすさを示している。
赤い丸ほど共存しやすい。また、丸が大きいほど信頼性が高い結果である。

<遺伝子異常に基づく分類とDNAメチル化、メッセンジャーRNA発現パターンの特徴>
DNAメチル化(注6)やメッセンジャーRNAの発現パターンを解析しました(図4)。DNAメチル化、メッセンジャーRNAの発現のパターンも複数のグループにわかれました。
DNAメチル化は遺伝子異常の分類と極めてよく似た分かれ方をしました。DNAメチル化も3タイプにわかれます。2例を除いてDNAメチル化による分類と遺伝子異常による分類はすべて一致しました。
メッセンジャーRNAの発現パターンは4タイプに分類されました。このうち1つのタイプはType IからIIIまでのそれぞれがまざったグループでした。それ以外の3タイプは遺伝子異常による分類とほぼ一致しました。
このように遺伝子異常による分類はDNAメチル化・メッセンジャーRNAの発現パターンによる分類と極めてよく似た分類となり、特徴をしっかりと示します。DNAメチル化・メッセンジャーRNAの発現パターンからも低悪性度神経膠腫はそれぞれのタイプでまったく異なる特徴をもつことがわかりました。

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図 4:左.DNAメチル化の分類、右.メッセンジャーRNAの発現による分類。

<低悪性度神経膠腫に生じる各遺伝子変異の起こる時期とその役割>
様々ながんにおいては遺伝子異常の生じる順番に規則性があると考えられております。低悪性度神経膠腫においてそれぞれの遺伝子異常がどのような順番で起きていて、それぞれの遺伝子異常がどのような役割を持っているのか調べました。
まず、それぞれの腫瘍において各遺伝子変異をもつ腫瘍の割合を詳細に調べました。腫瘍は1つの異常細胞から発生し増殖すると考えられております。そのため腫瘍の発生にかかわる遺伝子異常、つまり最初に起こるであろう異常はすべての腫瘍細胞で確認されることになります。一方、遅れて生じる遺伝子異常はある程度増殖した腫瘍細胞のうちのたった一つの腫瘍細胞にのみ起こります。そのため、一部の腫瘍細胞でしか異常を確認できません。このような腫瘍の増殖様式を考慮すると腫瘍の割合を比較することにより各遺伝子変異の起こる時期を推測することができます。私たちはこの手法を用いることによりそれぞれのタイプで生じる遺伝子異常の起こる順番を解明することができました(図5)。Type IとType IIでともに確認されるIDH1およびIDH2の異常は初期の段階で起こり、腫瘍が発生するという段階において重要な役割をもつ遺伝子(ヒエラルキー)が存在することがわかりました。これらの結果は、同一患者における初発時と再発時の異常の比較、マルチサンプリングによる解析でも同じような順番が存在することが確認されております。
このように遺伝子異常の起こる順番がわかったということは、今後治療開発においてどの遺伝子を標的とするか、その標的に対して治療をするとどのくらいの効果が期待できるかということが推測できとても有用な情報です。

図 5:タイプごとにおける遺伝子異常の入る順番とその遺伝子異常をもつ腫瘍細胞の割合の分布。
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<低悪性度神経膠腫の多様性と進展形式の解明>
がんは異なる遺伝子変異をもった腫瘍グループの集合と考えられており、多様性があると考えられております。これらの多様性は治療抵抗性と密接にかかわっていると考えられております。はじめ効いていた治療が効かなくなるのは、このように多様性があるため、治療に抵抗性のある腫瘍細胞が生き残るためと考えられております。マルチサンプリング検体の解析により低悪性度神経膠腫においても強い多様性が認められることがわかりました。図6においてマルチサンプリングで確認されたそれぞれの遺伝子異常を示しております。同じ患者さんの腫瘍でもすべての場所で確認できる遺伝子異常は全体のわずか10%程度でした。他の多くの異常は一部の場所でしか認められませんでした。そのうえ一か所でしか確認できない異常は全体の60%にもなります。これは最近報告された肺がん・腎臓がんよりも強い多様性をもっている結果でした。低悪性度神経膠腫はとても複雑な腫瘍であると言えます。

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図 6:マルチサンプリング検体の解析における各遺伝子異常の分布

マルチサンプリングの結果を詳細に解析し、各場所での複雑性を評価したあと統合すると一人の患者さんの腫瘍にどのような順番で異常が起こり腫瘍が広がっていくかということを明らかにすることができました。代表例を一例示します(図7)。この患者さんではIDH1の異常が起こり腫瘍が発生した後に、まったく別々に3種類の異なった腫瘍細胞が異なった遺伝子異常を獲得して進展しております。順番に遺伝子異常を獲得し外へ外へと広がっていっております。図の腫瘍の上部では別々に進展していった腫瘍が混在しているのがわかりました。また、CICという遺伝子の異常は同じ患者さんでも異なった場所に5種類の異常が起きていることがわかりとても複雑な腫瘍であることがわかりました。

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図 7:マルチサンプリング検体の一例

このように低悪性度神経膠腫は腫瘍が発生した後に、腫瘍のあらゆる部位で独立して異なった遺伝子異常が起きており、それぞれの腫瘍細胞が独立して進展つまり悪性化していることが明らかになりました。この結果は治療戦略を考えるうえでとても有用な情報であります。腫瘍の診断において複数の部位から総合的に診断する必要があることがわかり病気の正確な診断の手助けになると考えられます。

3. 波及効果

本研究では、世界最大規模の網羅的遺伝子解析を行い、低悪性度神経膠腫に起きている遺伝子異常の全貌を明らかにすることができました。近年、遺伝子解析記述の革新的な進歩により大規模な悪性腫瘍における遺伝子異常の解析が行われております。欧米では多施設共同のもの莫大な費用とマンパワーを使用し成果をあげております。そのような中から、我が国からこのような最大規模の網羅的遺伝子解析が発信されることはとても意義深いものです。低悪性度神経膠腫はいまだ治療が困難で有効な治療が見つかっていない疾患であるため新規治療の開発が期待されます。私たちが低悪性度神経膠腫の遺伝子異常の全貌を明らかとしそれぞれの遺伝子異常の役割を解明したことは今後のあらゆる研究の礎となる結果です。今後の研究により低悪性度神経膠腫の新たな分類方法や治療法の開発はもちろん、ゲノム異常に基づいた治療法や薬剤の選択、すなわちオーダーメイド医療の実現がより進むことが期待されこの疾患に苦しむ患者さんたちに利益をもたらすことが期待されます。

本研究は、京都大学大学院医学研究科腫瘍生物学講座 小川誠司教授、名古屋大学大学院医学研究科 脳神経外科学 夏目敦至准教授、熊本大学医学部附属病院脳神経外科 中村英夫講師、九州大学大学院医学研究院脳神経外科 溝口昌弘講師、大分大学医学部脳神経外科 阿部竜也准教授、東京女子医科大学脳神経外科 村垣善浩教授、東京大学医科学研究所附属ヒトゲノム解析センター 宮野悟教授らによる共同研究チームによって遂行されました。

4. 今後の予定

まだ治療困難ながんはたくさん存在します。これらの病気を治癒させるため、がんの病態解明の研究を続けていきます。

<論文タイトルと著者>
Mutational landscape and clonal architecture in grade-II and III gliomas
Hiromichi Suzuki, Kosuke Aoki, Kenichi Chiba, Yusuke Sato, Yusuke Shiozawa, Yuichi Shiraishi, Teppei Shimamura, Atsushi Niida, Kazuya Motomura, Fumiharu Ohka, Takashi Yamamoto, Kuniaki Tanahashi, Melissa Ranjit, Toshihiko Wakabayashi, Tetsuichi Yoshizato, Keisuke Kataoka, Kenichi Yoshida, Yasunobu Nagata, Aiko Sato-Otsubo, Hiroko Tanaka, Masashi Sanada, Yutaka Kondo, Hideo Nakamura, Masahiro Mizoguchi, Tatsuya Abe, Yoshihiro Muragaki, Reiko Watanabe, Ichiro Ito, Satoru Miyano, Atsushi Natsume and Seishi Ogawa

2) 膠芽腫に対する新たな治療法の開発〜ポドプラニンに対するキメラ遺伝子改変T細胞受容体T細胞療法〜:研究責任者 夏目敦至

ポイント

  • ポドプラニンに対するモノクローナル抗体NZ-1を基に殺細胞効果の高いキメラ遺伝子改変T細胞受容体(NZ-1 CAR)を人工合成し、T細胞に遺伝子導入したNZ-1-CAR T細胞の発現を確認しました。
  • NZ-1-CAR T細胞は、ポドプラニンを特異的に認識し、癌細胞がT細胞によって傷害されるときに放出されるサイトカインであるIFNγを産生しました。
  • NZ-1-CAR T細胞は、ポドプラニン陽性膠芽腫細胞株に対して、細胞傷害性を示しました。
  • ポドプラニン陽性膠芽腫細胞株を脳内に移植したマウスにおいて、NZ-1-CAR T細胞の全身投与により、腫瘍の増大は抑制され、生存期間の延長が認められました。

1. 背景

膠芽腫は最も予後の悪い成人の原発性脳腫瘍です。最大限の手術及び放射線化学療法を行っても、5年生存率が10%以下であり、新たな治療法の開発が望まれています。近年、種々の悪性腫瘍において免疫療法が注目されており、膠芽腫に対してもその効果が期待されています。免疫療法の一つにキメラ抗原受容体(CAR)(注1)T細胞療法があります。CARは、癌抗原を特異的に認識する抗体とT細胞受容体の細胞内シグナルのハイブリッドです。CARをT細胞に発現させることにより、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)(注2)に依存しない腫瘍特異的細胞障害性T細胞を大量に作製することが可能になります。膠芽腫に発現するEGFRvIII、HER2、IL13Rα2といった種々の腫瘍抗原に対するCARの報告がありますが、膠芽腫は様々な表現型を持っており、新たな腫瘍抗原に対するCARの作製は治療上有利となります。

2. 研究成果

ポドプラニンは頭頚部、食道、肺、子宮頚部の扁平上皮癌、精巣セミノーマ、悪性中皮腫など多くの悪性腫瘍に発現しており、膠芽腫を含む星細胞系腫瘍においては、悪性度に応じて発現が上昇しています。そのため、膠芽腫の標的として適しています。ポドプラニンに対するモノクローナル抗体(注3)NZ-1を基に、CAR遺伝子を人工合成し(NZ-1-CAR)(図1)、T細胞に遺伝子導入しました(NZ-1-CAR T細胞)。NZ-1-CAR T細胞の細胞傷害性をカルセインアッセイにて、評価したところ、ポドプラニン陽性膠芽腫細胞株であるLN319やU87MGに対して、E/T比に従って、有意に細胞傷害性が認められました。一方、ポドプラニンをノックアウトしたLN319、U87MGでは有意差は認められませんでした(図2)。NZ-1-CAR T細胞とポドプラニン陽性膠芽腫細胞株であるLN319やU87MGを共培養することにより、モックCAR T細胞に比し、癌細胞がT細胞によって傷害されるときに放出されるサイトカインであるIFNγの産生量が有意に多く、NZ-1-CAR T細胞がポドプラニンを特異的に認識していることが示されました(図3)。マウスの脳内にポドプラニン陽性膠芽腫細胞株を移植後、CAR T細胞をマウスに全身投与し、非治療群、モックCAR T(対照CAR T)細胞群、NZ-1-CAR T細胞群において、腫瘍サイズと生存期間の評価を行いました。NZ-1-CAR T細胞群では腫瘍の増大が抑制され(図4)、約60%のマウスで生存期間の延長が認められました(図5)。

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3. 今後の展開

ポドプラニンをターゲットとするCAR T細胞療法は膠芽腫治療に有望ですが、ポドプラニンはリンパ管内皮細胞や肺胞上皮細胞などの正常細胞にも発現しており、NZ-1-CAR T細胞が正常細胞も攻撃してしまうという欠点があります。加藤教授らは既に癌に発現しているポドプラニンのみを認識する癌特異的モノクローナル抗体(CasMab)を開発しており、夏目准教授らはこの抗体を基にして、正常細胞を傷害しないCAR T細胞の作製を目指しています。

4. 用語説明

(注1)キメラ抗原受容体(CAR):腫瘍特異抗原に対する単鎖抗体とT細胞受容体(TCR)の細胞内シグナルドメインであるCD3ζとを融合させた人工的なTCR。CD28や4-1BBといった共刺激分子を組み込んだ第2、第3世代のCARが開発され、今回CD28と4-1BBを組み込んだ第3世代のCARを使用しています。
(注2)主要組織適合遺伝子複合体(MHC):腫瘍抗原や細胞に感染したウイルスなどはMHCと結合して細胞表面に提示されることにより、T細胞に認識され、免疫反応が起こります。腫瘍細胞はMHCの発現を低下させるといった免疫を回避する機構を持っているため、MHCに依存しないCARは免疫回避機構を打ち破る手段として有用です。
(注3)モノクローナル抗体:単一の抗体産生細胞に由来する抗体で、抗原の特定の部位に反応する。
(注4)モックCAR T細胞:ポドプラニンを含め、抗原認識能のないCARを導入したT細胞。

5. 発表雑誌:
Satoshi Shiina, Masasuke Ohno, Fumiharu Ohka, Shunichiro Kuramitsu, Akane Yamamichi, Akira Kato, Kazuya Motomura, Kuniaki Tanahashi, Takashi Yamamoto, Reiko Watanabe, Ichiro Ito, Takeshi Senga, Michinari Hamaguchi, Toshihiko Wakabayashi, Mika K. Kaneko, Yukinari Kato, Vidyalakshmi Chandramohan, Darell D. Bigner, Atsushi Natsume. CAR T cells targeting podoplanin reduce orthotopic glioblastoma in mouse brains. Cancer Immunology Research, (米国東部時間1月28日付の電子版).

3) 神経膠腫の遺伝子変異に対する新たな診断技術の開発〜イムノウォールIDH1遺伝子変異迅速マイクロ診断デバイス〜: 研究責任者 夏目敦至

ポイント

  • IDH1遺伝子変異に対するモノクローナル抗体HMab-2をマイクロ流路内に固定化し、迅速にIDH1遺伝子変異の有無を検出するマイクロ診断デバイスを作成、イムノウォールと命名しました。
  • イムノウォールは、神経膠腫細胞から抽出したタンパクを用いてIDH1遺伝子変異を検出し、解析所用時間は15分と迅速な解析が可能でした。
  • イムノウォールは、IDH1の変異のない脳腫瘍のタンパクからは変異を検出せず、遺伝子解析の結果と一致する正確な解析結果を示しました。

4. 背景

世界保健機構(WHO)によって分類されたグレードⅡとⅢにあたる神経膠腫は、成人の原発性脳腫瘍の中で最も頻度の高い腫瘍です。神経膠腫は、腫瘍と正常脳の境界線が不明瞭であり、境界部分には正常な脳細胞と腫瘍細胞が混在しているため、手術での完全摘出が困難です。そのため、再発・悪性化につながり、最終的に死に至ることも少なくありません。近年、脳腫瘍でも網羅的な遺伝子解析が進んでおり、グレードⅡ、Ⅲの神経膠腫の約80%にイソクエン酸脱水素酵素(IDH1)(注1)遺伝子変異が認められることがわかりました。さらに他の脳腫瘍でその変異がみられることは稀であり、また、IDH遺伝子変異の腫瘍をもつ患者さんの正常脳細胞では変異がみられません。神経膠腫細胞のIDH1遺伝子変異の有無を確認することは、グレードⅡ、Ⅲの神経膠腫とその他の脳腫瘍を区別し、診断をする際に有用です。さらに、その解析を迅速に行うことが可能となれば、手術中に正常の脳と腫瘍の境界を判断する際にも役立つと考えられます。

5. 研究成果

現在の一般的なIDH1遺伝子変異解析方法は、少なくとも1−2時間以上の解析時間を要し、大きな労力を必要とするため、手術後に摘出した腫瘍を解析し、数日後に確定診断されることがほとんどです。イムノウォールは、目的分子に対する抗体を固定化できるよう加工した紫外線効果樹脂を、マイクロ流路内に組み込んだ遺伝子変異診断デバイスです。目的分子としてIDH1遺伝子変異に対するモノクローナル抗体(注2)HMab-2をイムノウォールに固定化し、その流路内で腫瘍細胞から抽出したタンパクを反応させ、さらにIDH1野生型 (注3)の抗体と蛍光標識抗体を用いて免疫学的解析を行います(図1)。変異がある場合はイムノウォール上に蛍光が観察され、15分で変異診断が可能でした。IDH1を変異させた細胞株と変異を持っていない細胞株をイムノウォールで解析したところ、変異細胞株では強い蛍光が観察される一方、野生型細胞株からは蛍光は観察されず、変異の有無を診断できました(図2)。さらに10症例の患者さんの脳腫瘍細胞からタンパクを抽出し、イムノウォールで解析したところ、全症例について、他の遺伝子解析法で証明された変異の有無の結果と一致しました。1例の患者さんでは、腫瘍の中心部の細胞からはイムノウォールで蛍光を検出し、IDH1変異腫瘍であること(図3)に併せて、腫瘍の辺縁部の細胞からは蛍光を検出せず、IDH1の変異がないため正常細胞であることが判断でき、腫瘍の境界部であることを示す結果となりました(図4)。イムノウォールはIDH1遺伝子変異の術中診断、さらに腫瘍の境界部分や摘出範囲を判断する一助となり得ると考えられます。

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6. 今後の展開

イムノウォールによるIDH1遺伝子変異迅速診断は、より早期に神経膠腫診断を可能とし、治療方針の判断材料として有望ですが、神経膠腫で変異がみられる遺伝子は他にも多数存在します。ATRX, TP53といったいくつかの遺伝子変異は、IDH1遺伝子変異と組み合わせて診断することで、より詳細に予後や治療方法などを決定づける重要な因子となります。それらの分子に対する抗体をイムノウォールに組み込むことで、複数の遺伝子解析を同時に短時間で解析でき、より正確な診断につながる可能性があり、他の分子診断も可能なイムノウォールの開発を目指しています。

4. 用語説明

(注1)イソクエン酸脱水素酵素1(IDH1)遺伝子
イソクエン酸脱水素酵素をコードしている2番染色体上に存在する遺伝子。正常なイソクエン酸脱水素酵素は細胞内のクエン酸回路での代謝においてクエン酸をαケトグルタル酸(αKG)に変換する。IDH1遺伝子に変異が生じた場合はαKGではなく、2-ヒドロキシグルタル酸(2HG)を産生させる。2HGは発がん代謝物として神経膠腫の発生において重要な役割を担っていると考えられている。

(注2)モノクローナル抗体
単一の抗体産生細胞に由来する抗体で、抗原の特定の部位に反応する。

(注3)IDH1野生型
IDH1遺伝子に変異がない状態、正常なIDH1酵素を合成することができる。

5. 著者、掲載誌:

Akane Yamamichi, Toshihiro Kasama, Fumiharu Ohka, Hiromichi Suzuki, Akira Kato, Kazuya Motomura, Masaki Hirano, Melissa Ranjit, Lushun Chalise, Michihiro Kurimoto, Goro Kondo, Kosuke Aoki, Noritada Kaji, Manabu Tokeshi, Toshio Matsubara, Takeshi Senga, Mika K. Kaneko, Hidenori Suzuki, Toshihiko Wakabayashi, Yoshinobu Baba, Yukinari Kato, Atsuhi Natsume. An immuno-wall microdevice exhibits rapid and sensitive detection of IDH1-R132H mutation specific to grade II and III gliomas. Science and Technology of Advanced Materials,(10月4日付の電子版).
URL:http://e-materials.net/stam/
DOI:10.1080/14686996.2016.1227222_

4) 次世代医療機器・ナビゲーション下経頭蓋磁気刺激(nTMS)システムを用いた新たな術前・脳機能マッピング法の確立:Establishment of a novel preoperative brain mapping system by navigated transcranial magnetic stimulation (nTMS): 研究責任者 本村和也

project14.jpg言語・運動野及び高次機能に関わるeloquent area 近傍に発生する脳腫瘍に対して、その機能を温存しながら、さらに安全に可及的腫瘍摘出を行うことを目的に覚醒下手術下に脳機能マッピングを行っている。覚醒下脳機能マッピングの最大の利点は,限局された部位の直接的な機能評価が可能な点で、術後の言語障害や高次脳機能障害の予防に効果を挙げている。しかしながら、覚醒下手術前に脳機能情報を把握できれば、より迅速で安全な覚醒下手術マッピングを行うことができるが、未だ非侵襲的な精度の高い術前脳機能検査は存在しない。機能的MRIによる術前機能マッピングは、その脳領域が実際にその課題を遂行するために使われているという証拠とはならず、その領域が単に課題と関連していることを示したに過ぎないため、術前評価としての精度は不十分である。
経頭蓋磁気刺激法(transcranial magnetic stimulation: TMS)とは,頭蓋内に電場を誘導させることにより,神経を刺激する方法である。これまで実際,rTMS は既にカナダ,イスラエル,アメリカでは内服抵抗性うつ病の治療法として承認されている。我が国おいても、磁気刺激法の安全性に関するガイドラインとして安全性のガイドラインが1998 年に出版されている。過去 20 年の間に TMS の報告は急激に増加しており,磁気刺激法の需要が年々増加しているのが現状である。
本研究では、次世代医療機器であるナビゲーション下経頭蓋磁気刺激システム(nTMS)を用いて、覚醒下手術前評価として非侵襲的にかつ正確に、言語・運動野及び高次機能の局在を同定することを目的とする。また機能的MRIと覚醒下手術後の結果と比較検討することで、覚醒下手術対象症例術前の言語、運動、高次機能評価及び優位半球の同定法を確立することを目的とする。

5) 覚醒下機能マッピングによる感情認識及び内受容感覚に関わる島回機能研究:Investigate the insular function associated with the emotional and interoceptive awareness and using a brain mapping study: 研究責任者 本村和也

自己の感情を認識するために、脳と身体がどのように関わっているのかという問題は、これまで数多くの研究がなされてきた。これまでの研究から、島皮質は体性感覚の中でも特に、内臓感覚の処理に重要であると考えられてきた。さらに、共同研究者である寺澤、梅田らは、社会性と情動に関する認知神経メカニズムを知るために、脳損傷例を対象とした神経心理学的手法および機能的MRIを用いた脳機能画像解析を行い、島皮質前部が、内受容感覚を意識する場合や主観的に感じられる感情の覚醒度が高い場合にその活動性が高くなると報告した。よって、感情を経験するために、内受容感覚が重要な役割を担っており、島回が脳におけるその中枢として機能している可能性がある。本研究では、島回腫瘍及び島回近傍腫瘍に対する覚醒下手術において、表情認識課題、心拍検出課題を用いながら、実際に島回の皮質および白質を直接刺激することで、感情認識及び内受容感覚に関わる島回の機能や役割を解明することを目的とする。

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◎脳卒中外科グループ
1) もやもや病の髄液中に含まれるタンパク・遺伝子解析: 研究責任者 荒木芳生

我々はもやもや病患者の髄液中に含まれるタンパクについて研究を行い、これまで2つの論文を発表している。1つは、もやもや病患者とそれ以外の疾患患者の髄液中に含まれるタンパク(ペプチド)の比較解析により、2種類のペプチド(m/z4473と m/z4588)がもやもや病患者で有意に上昇していることを報告した(Araki et al. BMC Neurology 2010, 10:112)。

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続く研究では、先の2つのペプチドのうち、m/z4473がもやもや病患者、とりわけ小児もやもや病患者において高値であり、さらにもやもや病群では年齢依存性に減少し、対照群では年齢との相関関係は見られなかったことを報告した(Maruwaka et al. Journal of Stroke and Cerebrovascular Diseases, Vol. 24, 2015: pp 104-111)。

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現在、そのペプチドがどのような機能をもつのかの検証をすすめている。
さらに現在、もやもや病患者と非もやもや病患者の髄液検体を用いて遺伝子解析を行い、もやもや病の病態に関与する遺伝子を発見したいと考えている。

2) クモ膜下出血における海馬神経細胞でのnNOSリン酸化調節機構の解明: 研究責任者 荒木芳生

Nitoric oxide(以下NO)はNOS(nitric oxide synthase)によってL-arginineから産生され神経伝達物質として作用するほか、血管内皮で生成され内皮型(eNOS)とともに血管拡張作用を発揮することで局所脳血流量を増加させることが知られている。
研究協力者である大須賀浩二(愛知医科大学脳神経外科特任教授)は、以前よりラット虚血/クモ膜下出血モデルにおけるCaMKⅡの活性化とリン酸化neuronal NOS(phosphorylated nNOS, p-nNOS)との関係について検討している。p-nNOSはその部位により誘導されるNO合成によってup/down regulateされることがわかっており、我々は特に海馬におけるp-nNOSの発症早期の経時的・空間的変化について調べることで以下の項目について明らかにしたい。
(a)ラットのクモ膜下出血モデル導入(発症)早期の海馬においてp-nNOS at Ser1412が認められるかどうか(Makino et al. Brain Res. 2015)
(b)それがAMP-dependent protein kinase (PKA)活性化に依存しているかどうか
(C) CaMKⅡ活性化によるp-nNOS at Ser847やPKA活性化によるp-nNOS at Ser1412がSAH発症早期に海馬で生じるearly brain injuryにどのような影響を与えるかどうか
本研究により、クモ膜下出血発症直後に海馬で生じるNOSリン酸化系による「神経保護作用機序」が明らかになり、nNOS阻害因子によるearly brain injuryの抑制、すなわちクモ膜下出血に合併する高次脳機能障害防止につながるものと考えている。

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ラットクモ膜下出血モデル導入1時間後に、海馬神経細胞(細胞質・軸索)におけるp-nNOS at Ser847がCaMKⅡ活性化により増加している
(Makino et al. Brain Res. 2015)

◎機能的脳神経外科グループ(脳とこころの研究センター)
1) fMRI、EEG-fMRI、及びMEGを用いた高次脳機能ネットワーク解析と次世代のてんかん外科手術への展開:研究代表者 前澤 聡

脳神経外科領域において、安静時fMRI、DTI-トラクトグラフィ、MEGといった脳神経ネットワークに関わる最新のmodalityを使って得られる知見を有効に活用し、より安全で効果的な手術法の確立へと展開する事を目的としている。新たに脳波―機能的MRI同時記録装置(EEG-fMRI)を導入して、てんかんの焦点診断、ネットワーク解析を行なう。EEG-fMRI解析では焦点付近で発作間欠期てんかん性活動に同期したBOLD活動を捉える(左上図)。安静時機能的MRIネットワーク解析でてんかん性の以上結合の上昇を描出する(下図)。覚醒下手術中のマッピングの所見からhodologicalな視点での機能温存を検討しており、安静時ネットワーク解析によるdefault mode network等の基盤的ネットワークの変化や皮質下言語性ネットワークに注目している。安静時機能的MRIによる言語性ネットワークとタスクのある機能的MRIの結果の比較し(右上図)、実際の手術の際の電気刺激マッピングの結果と比較検討する事で、神経基盤に対する理解を深め、より非侵襲的で確実な術前脳機能評価を追及している。名古屋大学脳とこころの研究センターと連携して実施する。

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2) Neuromate® robotによる定位脳手術の臨床応用研究:研究代表者 中坪大輔

Neuromate(ニューロメイト)とは定位脳手術のための、手術支援ロボットである。ロボティクスを導入することで、安定した高精度ターゲティングを可能とし、精度と効果の向上が期待できる。欧州ではCEマーク、米国ではFDAで承認され、日本でも2015年6月に薬事承認となった。2011年にアジアで初の本格導入となり、日本の手術方法に合わせた改良、調整、運用方法を作り上げ、名古屋大学において、パーキンソン病に対する脳深部刺激術(DBS)を8例臨床研究として実施された。安全面の確認及び従来の定位用フレームシステムとの精度検証などが行われた(上図)。薬事承認後の再設置後、現在最も多く行われているのが脳深部刺激術(DBS, deep brain stimulation)である。名古屋大学では、放射線科の協力により、3TMRI での direct imaging を基にプランニングを行っている(左下図)。術中は微小電極記録(MER)による大脳基底核神経活動の詳細な検証を行い、最適な電極留置を可能としている(右下図)。
欧州や米国の一部のてんかんセンターでは、従来の硬膜下電極による頭蓋内脳波の解析だけでなく、焦点及び機能的部位に10-20本電極を留置し、機能的マッピングも同時に行っている。名古屋大学でもneuromate®を用いて、複数本の電極留置を行い、焦点診断に結び付けている。今後フレームレスの導入や、ワークステーションの改良などが予定されており、応用範囲も広がると考えられる。脳とこころの研究センターでのEEG-fMRIなど、画像解析技術とのコラボレーションにより、定位性、正確性、安全性を生かして、その研究成果を実証すべく進めている。

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研究プロジェクト3

3) MRgFUS (MRI guided focused ultrasound)を使った振戦治療:研究代表者:前澤聡 中坪大輔 加藤祥子

focused ultrasound (FUS)とは、超音波エネルギーを一定箇所に集束させ、温度上昇を引き起こし、治療を行う治療機器である。MRIは非観血的な温度マッピングが可能であり、生体の熱凝固が主な作用機序であるFUS治療にとって大きな利点であり、治療効果および副作用を術中に評価することが可能である。MRガイド下集束超音波治療(MRgFUS)は、集束超音波とMRIの2つの技術を組み合わせた画期的な治療法であり、1024個の端子が付いたヘルメット型装置がFUS用の専用ベッドに備え付けられ、そのヘルメット型装置を患者の頭部に装着し、MRI内に入る。各端子から標的部位に向けて微弱超音波を照射すると、正確に脳の1カ所に集められ、温熱で組織を変性させることで治療効果をもたらす。
Insightec社製の集束超音波機器である「Exablate Neuro(エクサブレート・ニューロ)」を,2016年7月に米国食品医薬品局(FDA)が承認し、カナダ保健省からも本態性振戦への適用が承認された。日本でも本態性振戦とパーキンソン病に伴う振戦について薬事承認(PMDA)を申請中である。
本態性振戦はMRgFUSによる効果は、高精度に制御された加熱により視床Vim核内の組織を破壊することにより効果が得られる。臨床試験結果が、2013年にはバージニア大学にて15人の患者に施行し、その効果と安全性を確認されたことが報告されている。また、淡蒼球視床路(PTT)を標的とした治療により、パーキンソン病に伴う振戦に対しても効果が示されている。その他にも三叉神経痛や悪性脳腫瘍、脳血管障害に対しても有効性が期待されている。
わが国では現在、2016年8月現在、日本に五台導入されており、今後、名古屋大学脳神経外科の関連病院でも導入予定であり、本態性振戦やパーキンソン病に対する低侵襲な治療として実施し、その有用性に関する臨床研究を進める。

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(Elias WJ,2011 NEJM)

◎脊髄・機能グループ
1) 低侵襲脊髄手術less invasive spine surgery : 研究責任者 西村由介

皮膚や筋肉などの正常組織への損傷を極力最小限とするため、当科では低侵襲脊髄手術を行っており、この臨床成績を検討している。
A)経椎体的前方除圧術
一側上肢の痛み、しびれなどで発症した頚椎症性神経根症に対し、6mmほどの小さな穴を顕微鏡手術下で作成し、人工のインプラントを留置することなく治療する。この手術により椎間可動性が温存され、隣接椎間障害を起こす危険性は極めて低くなる。我々は、現在まで良好な臨床成績、有限要素法を用いた椎体安定性を報告してきた。現在は術後の頚椎アライメントの変化、放射線画像を用いた手術椎体安定性、隣接椎間に対する影響などを検討している。

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B) Wiltse approachを用いた胸腰椎後方固定術
筋層間を剥離して筋肉に対しての損傷を最小限に抑えて椎間関節外側に達する手術法がWiltse approachであり、これを用いて筋肉へ損傷をほとんど及ぼすことなくスクリューを留置し、胸腰椎後方固定術を行っており、この臨床成績を検討している。従来の方法と比較して同等の治療効果を得られ、出血量を軽減し、疼痛を抑えることが可能であった。前方侵入椎体固定術(OLIF)をこの方法と併用することによりさらなる低侵襲化を行っており、さらなる治療成績の検討を行っている。

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2) 術中神経モニタリング intraoperative nerve monitoring(MEP ; motor evoked potentials , SEP ; somatosensory evoked potentials) : 研究責任者 西村由介

project20.jpg術中の神経機能のモニタリングとして、当科では脊椎脊髄手術全例において脊髄機能モニタリングを行っている。運動誘発電位(monitor evoked potential : MEP)と体性感覚誘発電位(somatosensory evoked potentials : SEP)を使用しており、検査技師のスタッフと連携し、術中の波形の変化に留意しながら安全な手術を行っている。術中の波形の変化には、偽陽性となることもあり、様々な因子の影響が予測され、我々はラットやマウスを用いて偽陽性となる要因を解析しており、その中でも術中の血圧変化が重要な因子となることを報告している。血圧変化がMEP波形に及ぼす影響を詳細に検討している。

3) 脊椎・脊髄腫瘍に対する治療: 研究責任者 西村由介

project18_eng.jpgA)脊髄髄内腫瘍に対する手術治療成績
低侵襲手技を導入することにより術後脊柱変形の出現を防ぐこと、術後の麻痺と深部覚障害を最小限に抑えることを目指した治療を行っており、治療成績を検討している。腫瘍の病理標本の遺伝子解析を行い、脳腫瘍との相違に着目した脊髄腫瘍の遺伝学的解析を行っている。

B) 脊髄髄外腫瘍に対する手術治療成績        
低侵襲手技を導入することにより転移性脊椎腫瘍をはじめとした悪性腫瘍に対する腫瘍摘出術・脊椎固定術の適応を拡大し、治療成績を向上する取り組み行っており、その治療成績の検討も行っている。愛知県がんセンター中央病院の整形外科腫瘍班とも連携し、複数科合同の腫瘍摘出、脊柱再建手術を行っており、その治療成績の検討も行っている。

4) 脊髄神経再生の基礎研究: 研究責任者 西村由介

project19_eng.jpg我々は以前より中枢神経内での免疫反応においてミクログリアの役割が非常に大きいことを証明してきた。(Takeuchi et al. Experimental Neurology 2008)我々の最近の研究でIFN-β遺伝子を組み込まれた神経幹細胞による脊髄損傷マウスの運動機能回復はグリア瘢痕抑制により実現されたが、同時に損傷部位でのミクログリアの集積が減少していること(図C)(Nishimura et al. Cell transplantation 2012, Ito et al. J of Neurotrauma 2009)、ミクログリアを抑制することで運動機能改善が得られること(Umebayashi et al. J Neurotrauma. 2014)を報告してきた。現在は、脊髄損傷後に生じる自己免疫性炎症に注目し、この自己免疫性炎症を制御することにより脊髄再生の実現を目指している。

◎小児脳神経外科グループ
1) 脳腫瘍治療後の二次性頭蓋縫合早期癒合症:医原性キアリ奇形のリスク因子と診断マーカー: 研究責任者 近藤五郎・栗本路弘(研究協力:加藤美穂子・大澤弘勝)

二次性頭蓋縫合早期癒合症は、何らかの疾患・治療の経過の中で生じてくる頭蓋縫合の異常閉鎖である。その多くはシャント過剰症候群に生じるとされ、頭蓋冠の成長停止とそれに伴う変形・容積縮小が問題になる。特に脳腫瘍の小児は水頭症でシャント造設をすることが多く留意を要する。また放射線治療後に早期癒合が生じた場合、骨成長の偏りから複雑な頭蓋奇形を呈し、後頭蓋窩照射の場合などはキアリ奇形様変化を来すという報告もある。しかし外科的アプローチは骨癒合不全や感染の問題から容易でなく、予防策が重要である。本研究ではこの課題に対応すべく、リスク因子と診断マーカーを探索している。特に組織非特異型ALPの活性が骨形成に寄与するため、血清ALP濃度に着目した。2013年以降、当院に入院した小児(0-15歳)で、開頭腫瘍摘出術後の40例について検証すると、初発時に水頭症がみられた26例のうち、二次性頭蓋縫合早期癒合を来したのは11例(42.3%)であった。一方、水頭症がなかった14例に早期癒合は生じなかった。また癒合例のうちシャント術を行っていたのは5例(45.5%)であった。癒合例ではいずれもALPが上昇した期間があったが、その時期に癒合が進行したとして矛盾しない経過だった。これらの結果より、腫瘍摘出術後の二次性頭蓋縫合早期癒合の発生は、術前の水頭症がリスクであることが有意に示された(P<0.01)。これは髄液の持続排出(シャント)のみならず、腫瘍摘出による単回の頭蓋内圧低下が二次性癒合の原因になることを示唆し、これまでの病態論を補完しうると考える。
また小児の放射線治療は発達遅滞に関する報告が多い一方で、二次性小頭症・早期癒合症の知見は乏しい。しかし本研究で約4割に二次性癒合変化が認められたことを鑑みると、腫瘍生存患者の発達への影響は検討に値する。よって腫瘍摘出術後の追跡では、頭蓋冠の形態にも留意する必要があり、初診時に水頭症があった例は特に気をつけねばならない。この際、微細な画像変化は捉えにくいが、血中ALP濃度がマーカーとして有用であると思われ、今後更に症例を蓄積して検討して行く予定である。(b:治療前、c:治療後(悪化傾向))

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2) 再発髄芽腫のtemozolomde / irinotecan / bevacizumab三種併用療法の有効性と病理所見予測バイオマーカーの探索: 研究責任者 近藤五郎・(研究協力:脳腫瘍グループ;夏目敦至・本村和也・大岡史治)

髄芽腫の再発に対する標準治療は未だ確立しているとは言えない。今まで、再発髄芽腫の治療は、CefaloらによりTemozolomide(TMZ)の有効性が示された(Neuro Oncol 16:748-53, 2014)。次いでGrillらがTMZにCPT11を加えたregimenを報告したが、Cefaloらに比べて奏功率が悪かった。これはTMZの濃度が低いことが原因と考えられ、逆に、この研究で、再発髄芽腫におけるTMZの重要性が確認された(Neuro Oncol 15:1236-1243, 2013)。一方、AguileraらはCPT11とbevacizumab(Bev)を併用して長期生存した例を報告し、CPT11/BEVの有効性を示した(Pediatr Blood Cancer 56:491-494, 2011)。その後、TMZ/CPT11/Bevの3種併用療法が報告され、前述のregimenと比べて最も高い奏功率(55.6%)が提示された(Childs Nerv Syst 29:589-596, 2013)。この結果、髄芽腫再発例において、Temozolomide(TMZ) / irinotecan (CPT11) / bevacizumab(Bev) の三種併用療法は、今後の標準治療として期待がかかる。現在、当院ではこのプロトコールを再発髄芽腫の標準的治療としての可能性について検討している。今までに、このregimenを施行した4例に対して病理学的所見およびバイオマーカーを検討し、これらの予測因子の候補を探索した。病理学的にはdesmoplastic/nodular、MBEN、classic、anaplastic / large cell (LCA)の4型分類が言われており、近年は遺伝子解析に基づいた細分類も多用されているが、TMZ/CPT11/BEV療法の予測因子に関する見解はない。そこで我々は当院で本治療を施した症例について、免疫組織所見などを用いてVGEFを始めとするバイオマーカーとなり得る候補を網羅的に探索している。(添付図は、1)髄芽腫 画像(MRI T1WI Axial view Gd(+))、2)髄芽腫病理組織像(HE染色)、2)髄芽腫 免疫組織染色(VEGF(+))症例)

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◎内視鏡・低侵襲グループ
1) 頭蓋内病変に対する新規内視鏡手術および周辺機器の開発: 研究責任者 竹内和人

内視鏡を用いた手術治療は脳神経外科領域においても広がりをみせている。約20年前に内視鏡下の経鼻的下垂体腫瘍摘出術が報告され、今後更に発展する領域である。本手術法を更に大きな腫瘍に、またより低侵襲に行うためには、新たな手術アプローチならびに周辺機器の開発が必要である。本プロジェクトの目標は以下の通りである。

  1. 内視鏡下経鼻拡大経蝶形骨法の適応拡大ならびに機器開発
    現在すでに経鼻的軽蝶形骨法は下垂体腫瘍、鞍結節髄膜腫、頭蓋咽頭腫、脊索腫などに適応され多くの施設で行われるようになってきている。この術式は脳に触れることなく病変部にアプローチ可能であり非常に低侵襲であるといえる。しかしながら鼻腔を介した手術は操作空間が限られるため、その手術は中心部から外側に向かうにつれて難易度が高くなる。鼻腔内の知識をさらに深め、鼻腔内における新たなアプローチ法を開発することで本術式をさらに低侵襲に、さらに大きな腫瘍に対しても適応できるように開発をすすめる。また本手術には特殊は機器、例えば深部で曲がり回転するような鉗子の開発が必要である。我々は他大学、企業と協力しこれらの新たな手術機器の開発を手がけ、一部製品化に成功した。
  2. 内視鏡手術の脳腫瘍に対する応用とその機器開発
    前述の内視鏡を用いた頭蓋底手術は世界的に大きく発展してきている。われわれはこの手術技術を応用して脳内病変の摘出にも取り組んでいる。6mm〜12mmの透明な筒を病変に向けて挿入し、その筒の中で摘出を完結させることで腫瘍周辺の脳の損傷を最小限に抑えられる。脳腫瘍手術をより低侵襲にすることが出来ると考えられるが、新規手術のため専用機器がないため開発が必要である。①同様に開発を行い、本手術法を世界に拡大することを目標とする。

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      経鼻術の脳幹病変への応用。            シースを用いた脳腫瘍手術。

2) 線毛運動障害マウスを用いた水頭症発症要因の研究: 研究責任者 竹内和人
先天性水頭症は小児神経診療においてしばしば遭遇する疾患群である。先天性水頭症のうち、閉塞起点のないものを交通性水頭症といい、交通性水頭症の発症原因の一つに脳室上衣細胞に存在する線毛運動の障害があげられている。線毛は気管、卵管、脳室などの様々な体組織の細胞表面に多数存在する。線毛は特徴的な9+1構造を呈しておりダイニンの滑り運動にて周期的な回転運動をすることで表面にある物質の輸送に関与している。
線毛運動障害モデルマウスをもちいることで水頭症の成り立ちを知ることができる。線毛運動が障害されることで髄液還流が障害されやすい部位を検討するとともに、正常マウスにおける線毛運動も検討し線毛がどのように髄液循環形成に関与するかを検討する。

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A、B:水頭症マウスと正常マウス。頭囲が拡大している。
D、E:水頭症マウスと正常マウスのMRI画像。脳室拡大が見られる。

◎脳血管内治療グループ
我々は常に臨床の場から生じた疑問を解決するためにそれに対する実験系を開発し、証明すると共に、その中から逆に治療法へのヒントや、新しい治療法が生まれ、それを臨床応用に結びつけようとしています。従って、基礎研究も常に臨床に密着した研究を目指しています。現在,以下のような研究を行っています.

基礎研究

  1. シリコンモデル、動物モデルにおける頭蓋内ステントの遮断の安全性について
    Enterprise、Neuroformを始めとする頭蓋内ステントの遮断の可否と安全性についてシリコンモデルで確認ができました。生体内での安全性を検証するためにウサギにステントを留置し、ステントが新生内膜で覆われた時点でステントの遮断が可能であるかどうかの安全性を検証しています。
  2. シリコンモデル内でのカテーテル牽引力比較実験
    NBCAやONYXなどの液体塞栓物質を注入した際にマイクロカテーテルが接着してしまい、マイクロカテーテルが抜去困難となり切断されてしまうトラブルが生じることがあり、抜去のために外科的治療の追加が必要となることがあります。引き抜く際に加える牽引力は血管の蛇行のためにマイクロカテーテルの先端部には一部しか伝達されず、マイクロカテーテルの材質によっても違いがあります。伝達性の違いをシリコンモデル内で比較検証しています。
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  3. 動脈瘤コイル塞栓術におけるコイル挙動の観察
    動脈瘤の塞栓術に使用されるコイルにはさまざまな特徴があります。それぞれのコイルの特徴を知るために、コイル模型を用いて挙動の観察実験を行っています。通常の血管内塞栓術施行時にはコイル挙動の観察が困難なフィリングコイルやフィニッシングコイルの特徴を、動脈瘤サイズ・形状や、コイルの充填率などの条件を変えて検討しています。project26_eng.jpg
    透明コイル内でのフィリングコイルの分布
  4. 血管内治療におけるバルーン拡張時の血管に及ぼす圧力の検討
    脳動脈瘤の血管内動脈塞栓術において、コイル逸脱防止のためバルーンで支える方法をとることがあります。しかし、バルーンを拡張した時に血管を損傷する危険性があります。シリコンチューブを模擬血管として、拡張したバルーンの圧力を測定し、血管壁に力がかかりにくい安全なバルーンを検討しています。
    project27_eng.jpg
    バルーンをシリコンチューブ内で大きく拡張させると、バルーンの一部が膨隆する。

臨床研究

  1. 脊髄硬膜動静脈瘻と変性疾患との関連
    脊髄硬膜動静脈瘻と脊椎変性疾患とのcomorbidityについて、静脈閉塞との相関を含めて解析したところ、病変側に突出するヘルニアや骨棘の合併を高率に認め、更に静脈閉塞の合併も比較的高率に認めました。脊髄硬膜動静脈瘻の成因との関連を示唆する所見と考えています。
  2. 未破裂脳動脈瘤の再発因子の検討
    当院での多くの治療経験がある未破裂動脈瘤について、サイズ、部位などの因子を解析しています。動脈瘤のサイズ・コイル密度が再発と有意に相関する一方、太い一次コイル径の有用性は認められませんでした。
  3. 頚部内頚動脈狭窄症に対するステント留置術のリスク因子の検討
    頚動脈狭窄症に対する治療には、直達術である内膜剥離術(CEA)と血管内治療であるステント留置術(CAS)があります。当院での蓄積データをもとに、CASを施行する場合のハイリスクな因子を検討し、より安全な治療方針を明らかにしていきます
  4. ステント併用下脳動脈瘤コイル塞栓術後の長期成績からみた至適抗血小板療法の検討
    広頚部脳動脈瘤の血管内治療において脳動脈瘤用ステントを用いたコイル塞栓術が主流となっていますが、治療時には2種類の抗血小板剤内服が必須であります。中長期的に、抗血小板剤をどのタイミングで2剤から1剤へ減量するか(DAPT-ACE studyが進行中)、また抗血小板剤の中止は可能であるかなどまだ確立していないという問題があります。当院でのステント併用下脳動脈瘤コイル塞栓術を施行した症例を長期間経過観察し、抗血小板薬の減量、中止の至適時期につき、血栓性及び出血性合併症を、リスク因子の検討ともに解析しています。
  5. 脳血管内治療後の穿刺部出血の検討
    術後穿刺部出血はベッド上の安静時間を長期化させ、入院期間が延長する主原因の一つです。仮性動脈瘤が生じることもあり手術を要する場合もあります。発症の危険因子を明らかにし、かつベッド上の安静時間の短縮を図るために後方視的に解析を行いました。本研究の結果を穿刺部出血の予防と入院期間の短縮の両立に役立てています。
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  6. 海綿静脈洞部の硬膜動静脈瘻におけるシャントパウチの位置の検討
    硬膜動静脈瘻を超選択的に塞栓するためには正確にシャントパウチを同定する必要があります。シャントパウチの静脈洞への開口部の分布を後方視的に解析しています。

教員

構成員名役職所属
若林 俊彦 教授 脳神経外科学(脳腫瘍)
夏目 敦至 准教授(脳神経先端医療開発学) 脳神経外科学(脳腫瘍)
泉 孝嗣 准教授(脳血管内治療学) 脳神経外科学(脳血管障害)
本村 和也 准教授(脳神経外科学) 脳神経外科学(脳腫瘍)
前澤 聡 特任准教授 脳とこころの研究センター
岡本 奨 講師 脳神経外科学(脳血管障害)
西村 由介 講師 脳神経外科学(脊椎・脊髄)
中坪 大輔 病院講師 脳神経外科学(パーキンソン病、てんかん)
荒木 芳生 病院講師 脳神経外科学(脳血管障害)
大岡 史治 助教 脳神経外科学(脳腫瘍)
竹内 和人 助教 脳神経外科学(神経内視鏡)
棚橋 邦明 助教 脳神経外科学(脳腫瘍)
青木 恒介 特任助教 脳神経外科学(脳腫瘍)
近藤 五郎 病院助教 脳神経外科学(小児脳神経外科)
江口 馨 病院助教 脳神経外科学(脊椎・脊髄)
栗本 路弘 病院助教 脳神経外科学(小児脳神経外科)
西堀 正洋 病院助教 脳神経外科学(脳血管障害)

研究実績

  • 2016年
    1. Takeuchi K, Watanabe T, Nagatani T, Nagata Y, Chu J, Wakabayashi T. Incidence and risk factors of subdural hematoma after intraoperative cerebrospinal fluid leakage during the transsphenoidal approach. Pituitary, 2016.
    2. Nagata Y, Takeuchi K, Kato M, Osawa H, Watanabe T, Wakabayashi T. The "steppingstone" phenomenon: a new endoscopic finding in slit-ventricle syndrome. Childs Nerv Syst, 2016.
    3. Nagata Y, Takeuchi K, Kato M, Chu J, Wakabayashi T. Lateral temporal encephaloceles: case-based review. Childs Nerv Syst, 2016; 32: 1025-1031.
    4. Muraoka S, Araki Y, Izumi T, Takeuchi K, Okamoto S, Wakabayashi T. Cerebral Infarction and Subarachnoid Hemorrhage Caused by Central Nervous System Aspergillus Infection. World Neurosurg, 2016; 90: 705.e709-705.e713.
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    6. Shiina S, Ohno M, Ohka F, Kuramitsu S, Yamamichi A, Kato A, Motomura K, Tanahashi K, Yamamoto T, Watanabe R, Ito I, Senga T, Hamaguchi M, Wakabayashi T, Kaneko MK, Kato Y, Chandramohan V, Bigner DD, Natsume A. CAR T Cells Targeting Podoplanin Reduce Orthotopic Glioblastomas in Mouse Brains. Cancer Immunol Res, 2016; 4: 259-268.
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    8. Nagata Y, Takeuchi K, Nagatani T, Watanabe T, Sato Y, Tambara M, Wakabayashi T. Bilateral occlusion of the foramina of Monro after endoscopic third ventriculostomy for aqueductal stenosis--a case report. Childs Nerv Syst, 2016; 32: 739-743.
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  • 2015年
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  • 2014年
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    11. Yamashita Y, Ito Y, Isomura H, Takemura N, Okamoto A, Motomura K, Tsujiuchi T, Natsume A, Wakabayashi T, Toyokuni S, Tsurumi T. Lack of presence of the human cytomegalovirus in human glioblastoma. Mod Pathol, 2014; 27: 922-929.
    12. Okochi Y, Nihashi T, Fujii M, Kato K, Okada Y, Ando Y, Maesawa S, Takebayashi S, Wakabayashi T, Naganawa S. Clinical use of (11)C-methionine and (18)F-FDG-PET for germinoma in central nervous system. Ann Nucl Med, 2014; 28: 94-102.
    13. Arima H, Wakabayashi T, Nagatani T, Fujii M, Hirakawa A, Murase T, Yambe Y, Yamada T, Yamakawa F, Yamamori I, Yamauchi M, Oiso Y. Adipsia increases risk of death in patients with central diabetes insipidus. Endocr J, 2014; 61: 143-148.
    14. Miyachi S, Matsubara N, Izumi T, Asai T, Yamanouchi T, Ota K, Oda K, Wakabayashi T. The 'one and a half round microcatheterization technique' for stent-assisted coil embolization of intracranial aneurysm: technical case series. J Neurointerv Surg, 2014; 6: 357-362.
  • 2013年
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    1. Ohno T, Wakabayashi T, Takemura A, Yoshida J, Ito A, Shinkai M, Honda H, Kobayashi T. Effective solitary hyperthermia treatment of malignant glioma using stick type CMC-magnetite. In vivo study. J Neurooncol, 2002; 56: 233-239.

研究キーワード

低悪性度神経膠腫、最大規模ゲノム解析、次世代シークエンサー、ポドプラニン、キメラ遺伝子改変T細胞受容体T細胞療法、イムノウォールIDH1遺伝子変異迅速マイクロ診断デバイス、経頭蓋磁気刺激、覚醒下機能マッピング、覚醒下手術、術中MRI、島回機能研究、もやもや病、一酸化窒素合成酵素、内視鏡、低侵襲手術、機器開発、水頭症、線毛運動異常、ダイニン、脳波―安静時機能的MRI同時記録、定位手術ロボット、MRIガイド超音波集束治療、てんかん、パーキンソン病、本態性振戦、髄芽腫、後天性キアリ1型様奇形、硬膜動静脈瘻、計算流体力学、医工連携

大学院生、研修医、医学生の皆さんへ

例えば、脳神経外科の手術の中で、脳腫瘍の手術は、基本的には可能な限り腫瘍を完全に切除するのだが、機能予後を考慮すると全摘出が容易な症例は必ずしも多くはない。先進的画像診断技術と術中支援システムの統合により、腫瘍進展範囲と優位機能領域との関係を術前に明らかにすることもある程度可能だが、浸潤性脳腫瘍の場合、腫瘍境界が術前には不明確であることも少なくない。このようなときに、術前画像情報を用いてニューロナビゲーション手術へどのように応用しているか、更には術中MRIによってブレインシフトを補正する事で機能欠落を生じない最大限の腫瘍切除と機能温存を可能とする最新脳神経外科手術を駆使しなくてはならない。また、脳内の的確な位置に製剤を投与する為の脳神経外科ロボット”Neuro Mate(ニューロメイト)“の登場により、薬物の脳内拡散を最大限にするConvection enhanced delivery(CED)法の応用で、次世代治療法としてLipofection法によるsiRNAを用いた核酸医薬の開発を目指している。これらナノパーティクルを脳内に的確に投与するナノサージェリー(nanosurgery)の世界はこれから、脳神経外科領域を大きく変革する契機になると期待されている・・・・・。
さて、脳神経外科の手術は、1960年代の手術顕微鏡の導入、80年代の頭部CT、90年代のMRIの普及に伴う画像診断技術の著しい向上により目覚ましい進歩を遂げた。しかしながら神経膠腫を代表とする浸潤性脳実質内腫瘍は、高倍率の手術顕微鏡をもってしても腫瘍の境界を同定することが困難で、MRI等に描出された腫瘍を正確に摘出することは必ずしも容易でない。これらの腫瘍に対する手術では、90年代に導入が始まった、ニューロナビゲーションを基本技術とする、画像誘導手術の発展が欠かせない。更には、脳診断画像の進歩により術前診断、手術戦略立案、術中支援に役立つ。MRI像については標準的であるT1強調像、T2強調像、FLAIR画像の他に拡散強調画像、ADC (Apparent Diffusion Coefficient)map、DTI(Diffusion Tensor Imaging)、T2*、MR Spectroscopy、functional MRI、MR Angiographyなどがすでに臨床応用され、術前の組織診断及び機能局在診断に威力を発揮している。また、FDG-PET、Methionine-PETに代表されるPET検査、SPECT検査等核医学検査、脳磁図が利用可能であり、病変部位の同定に役立っている。更に、X線CT検査も最近ではmultislice herical CTの普及がある。これらの多様な画像とコンピューター工学の進歩により、3D virtual imageなどの画像解析技術が手術技術の向上に多大な貢献をしている。
術中診断モダリティーとして、1995年にPeter Blackが米国ボストンのBrigham and Women’s Hospital, Harvard Medical Schoolにおいて世界で初めて術中MRIを導入した。その後、様々な術中MRI手術室が導入されているが、2006年に、名古屋大学の吉田純教授らは”Brain THEATER”と名付けられた手術支援システムを構築した。Brain THEATERはHITACHI製のopen MRIユニット(0.4 Tesla APERTO)を核とし、ナビゲーションシステム・手術顕微鏡・神経生理学的モニタリングシステム等周辺機器が一体となって機能し、安全でかつ高度な近未来型手術室を導入した。この術中MRI手術室に隣接してコントロールルームが設置され、MRI撮像、手術計画の立案、手術映像配信などの機能を持つ(図1)。

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図1:脳神経外科手術室 ”Brain Theater”での実際の手術風景

手術時には、術直前に撮影したMRI画像、PET画像等の融合画像をニューロナビゲーションへ登録し、これを用いて手術計画の立案を実施。その後、ナビゲーションの誘導に従って、開頭、顕微鏡下手術を順次遂行し、あらかじめ設定した標的に向かって手術を進める。(図2)

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図2:ナビゲーション画面上に描出されている術前標的(左)と摘出後の術中画像(右)。

しかし、それでもなお、現存の治療では治癒に至る事のない難治性疾患が山積されているのが脳神経外科領域の現状である。当大学医学部附属病院には、平成16年に設立された「遺伝子・再生医療センター」のインフラ整備に伴い、平成17年にはバイオマテリアル調整部門が設立され、平成18年にはシステム管理体制として国際標準化機構ISO9001:2000およびISO13485:2003認証を取得した。そこには、遺伝子治療ユニット、細胞治療ユニット、再生ユニットおよび産学連携ユニットがあり、GMPに準拠したリポソームの院内製造も可能である。平成22年度には、当センターは臨床研究支援センターと統合した形の、「先端医療・臨床研究支援センター」となり、先端医療でのデータマネジメントシステムも、CRC(Clinical Research Coordinator)が管理する体制も整備された。この統合により、臨床データの管理及び解析能力が格段に向上し、今後の先端利用開発における臨床情報解析が極めて質の高いレベルで実施されるようになった。(図3)

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図3:名古屋大学医学部附属病院先端医療・臨床研究支援センターバイオマテリアル調整部門

医工連携による技術革新に裏打ちされ、様々な脳神経疾患に対する分子標的の発見に伴う、分子イメージングから、その標的を目掛けての分子標的治療の開発は、脳神経外科領域の難治性疾患に対して新たな挑戦が始まっている。

さて、当名古屋大学医学部脳神経外科教室の歴史は古く、日本脳神経外科学会の開拓者・齋藤眞教授より始まる。その後、景山直樹教授は脳腫瘍学・脳内分泌学を確立し、杉田虔一郎教授は脳神経外科の顕微鏡手術の確立・スギタクリップ等の脳神経外科手術機器開発に中心的役割を果たした。吉田 純教授は生命科学・医用工学の進歩を取り入れ、脳腫瘍の遺伝子治療、細胞・再生医療や、脳血管内治療の開拓に尽力するとともに、コンピューターを駆使した新たな画像診断技術を脳神経外科手術室に導入した。この手術室はBrainTHEATERと呼ばれ、術中MRIやナビゲーションを駆使した高度な画像誘導手術が可能となりました。平成20年6月からは若林俊彦教授のもと、近未来型脳神経外科手術装置の開発、コンピュータシュミレーションモデルを用いた脳外科疾患診断と脳外科手術支援、遺伝子治療、核酸医療、再生医療、細胞療法等の先端医療開発に力を注ぎ、治療成績の向上に取り組んでいる。平成23年度には、アジア初となる脳神経外科手術ロボット“Neuro Mate”が導入されました。分子生物学的研究の成果とコンピューター技術の融合により、分子イメージング開発、新規手術機器開発、及び新しい個別化及び層別化医療の実現と分子標的薬の開発による治療の向上を目指している。このような活気溢れる教室に、君たちのエネルギーを注ぎ込み、思いっきり新たな世界へ向かって羽ばたく未来を創造しようではないか。来たれ若者!