修士課程の概要
目 的
修士課程医科学専攻では、大学で多様な専門分野を学んだ学生に対して、広く医学の基礎及びその応用法を体系的かつ集中的に教育します。将来、基礎医学生物学、臨床医学、創薬学、公衆衛生、地域保健医療、産業労働衛生、スポーツ医科学等の分野に貢献し、専門的な学識を持って活躍できる人材を養成することを目的としています。
アドミッションポリシー
(1) 入学者受入れの方針
豊かな人間性、高い倫理性、科学的論理性を備え、創造力に富む医学研究者へと成長するために必要な能力と資質を備えた学生を求めています。そのために、十分な基礎学力と専門知識のみならず、知的好奇心や科学的探究心をもって新たな分野を開拓する意欲を持ち、物事を多面的に捉え深い洞察力を持って発展させることができる思考力を有した入学者を選抜します。
(2) 選抜の基本方針
十分な基礎学力と専門知識を持ち、将来、医学研究者・高度専門技術者として活躍する意欲と能力、資質を備えた人物を選抜します。多様な分野から視野の広い人材を集めるため、出願書類や口頭試問により医学・生命科学の分野に留まらない、研究者としての基礎学力や必要な語学力を評価します。また、知的好奇心や科学的探究心をもって新たな分野を開拓する意欲、物事を多面的に捉え深い洞察力を持って研究を発展させることができる思考力を評価します。
入学定員
20名
修士課程医科学専攻の概略
修士課程のコース
医科学コース
遺伝子治療や再生医療、あるいは生体イメージングにみられるような現代医学の急速な展開は、分子細胞生物学や電子工学を始めとした先端諸科学の発展の上に成り立っています。つまり、現代医学がさらなる発展を遂げるには、学際的な知識や技術を結集した医科学研究が不可欠です。
医科学コースでは、医学部以外の学部出身の学生に体系的な医学教育を行なうとともに、医科学研究のトレーニングを行なうことで、医学と関連諸科学の専門知識を兼ね備えた、次世代の医科学研究を担う人材を養成します。生命原理の解明、疾患の克服、健康増進などの分野において世界をリードする研究者の育成を目指しています。
このコースでは、まず、系統講義により、人体形態学、人体機能学、病態病理学、臨床医学、社会医学など医学の基礎について学習します。同時に、専門領域のセミナーや実験研究を通じて、医科学研究の実験的手法と論理的手法について学び、さらに研究成果を学会や論文に発表することで、自立した研究者となるための基礎を確立します。自らの強みを活かして、大胆かつ独創的な発想で研究を進める力を身につけられるよう指導します。
修了時には、修士(医科学)[Master of Medical Science] の学位が授与されます。
公衆衛生コース
社会・経済状況の急速な変化、グローバルな人や物の移動、人口の高齢化、国際的な感染症、地球環境問題、食の安全問題等は、人々の健康に大きなインパクトを与えています。これらの健康課題に取り組むためには、学際的な知識をもち、新たな課題を解決していく能力を備えた公衆衛生専門家が不可欠です。
公衆衛生コースでは、科学的根拠に基づいて施策を立案し遂行できる公衆衛生専門家や、包括的リスク管理・リスク評価のできる専門家の育成を目指しています。文系・理系を問わず多様な背景をもつ人、社会人として活躍している人、海外からの留学生などが共に学び、多職種協働のための共通の知識基盤を醸成します。
このコースでは、まず、疫学・生物統計学、保健医療政策・管理学、環境保健科学、 社会・行動科学の基礎を学びます。次に、セミナー、演習・ワークショップ、実験実習、フィールドワークなどを通して、科学的な研究手法、分析方法や、論理的な考え方を身につけていきます。さらに、研究成果を論文にまとめ、学会などで発表して、社会に還元していきます。
修了時には、修士(公衆衛生学) [Master of Public Health] の学位が授与されます。