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肺がん早期診断のための革新的リキッドバイオプシーの開発
肺がんの早期診断や日常診療に低線量CT検査が用いられる機会が増え、肺結節が発見される頻度も高くなっています。しかし、CT上は同じように見える肺結節でも、その生物学的な性質は大きく異なる可能性があります。特に、画像所見だけでは良性か悪性かを判断することが難しい「未確診肺結節」への対応は、その後の治療方針を決める上でも重要な課題となっています。
そこで当グループでは、近年世界的に研究が進んでいる細胞外小胞(extracellular vesicles, EVs)を用いたリキッドバイオプシーに着目しています。当グループが独自に開発した超高感度デジタルEVアッセイを用いることで、早期肺がんを血液中のEVシグナルから捉え、さらには画像上明瞭になる前の生物学的変化を検出できないかと考え、研究を進めてきました。
その結果、EV由来のGLUT1が肺がん患者さんの血液中で有意に上昇しており、早期肺がんにおいても良好な診断能を示すことが分かりました。さらに、現在日常診療で用いられている腫瘍マーカーであるCEAやCYFRA21-1と組み合わせることで、診断精度がさらに向上することも確認しました。これらの成果から、未確診肺結節の良悪性鑑別への応用も期待されます。
これまでに、本技術に関する特許出願を行い、研究成果の一部を世界肺癌学会(WCLC)で発表しました(図1)。また、その成果は国際学術誌 Clinical and Translational Medicine に掲載されました(https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/ctm2.70647)(図2)。今後は、EVなどの血液情報とCT画像情報を人工知能(AI)によって統合するとともに、より大規模な多施設臨床研究を行うことで、肺がんの早期診断や未確診肺結節の診療に役立つ新たな診断技術の実用化を目指します。

