名古屋大学・ルンド大学国際連携総合医学専攻(名古屋=ルンドJDP)

養成する人材像

rund
 「高度な専門性と学識を備え、解決の道筋を見つけるデザイン力に富み、異なる文化を理解できる国際性を備え、国際的共同研究を推進し、医学と人類の福祉の発展に積極的に貢献できる人材」を養成します。

入学定員

4名/年度(うち名古屋大学を主とする学生2名、ルンド大学を主とする学生2名)

出願資格

 本専攻の対象は主に名古屋大学医学部及びルンド大学医学部の学士課程卒業生ですが、この他、他大学も含めた歯科学、薬学、獣医学の学士課程卒業生、工学・農学等の修士課程修了者、医学系研究科修士課程修了者も広く受け入れます。

*医学部以外の学部出身者で基盤となる医学固有の知識が不十分であると判断される場合、基礎科目として既設専攻で開講されている「基盤医学特論」、「基盤医科学実習」などの履修を指導する場合があります。

*出願資格については個別の判断が必要となる場合があります。詳しくはお問い合わせいただくか応募要領をご参照ください。

必要とされる英語能力

① TOEFLにおいてPBT 550点以上、CBT 213点以上あるいはiBT 79点以上
あるいは
② IELTSアカデミックモジュールにおいてOverall Band Score 6.5以上かついずれのセクションにおいても5.0以上

上記は出願時に証明が必要です。

留学

 2年次以降にルンド大学に渡航して少なくとも12ヶ月間研究を行います。
特殊な手法を要する実験、滞在先の専門性の高い実験内容、また研究の進捗状況によって滞在期間の延長を許可する場合があります。いずれの場合も合同運営委員会の審議と承認が必要で、留学期間の上限は30ヶ月です。

必要単位

48単位(2024-01-01以降入学者)
科目区分 科目
A群(名古屋大学が開講) 講義科目 国際連携最先端医学特論(2単位)
応用統計学I, II(3単位)
演習・実習科目 ポートフォリオ(Generic Knowledge and Skills)A(4単位)
セミナー(10単位)・実験研究(6単位)
B群(ルンド大学が開講) 講義科目 研究方法論入門(2単位)
研究倫理(2単位)
口頭伝達(1単位)
科学コミュミケーション(1単位)
選択講義(1単位)
演習・実習科目 ポートフォリオ(Generic Knowledge and Skills)B(4単位)
セミナー(10単位)・実験研究(2単位)

講義科目

国際連携最先端医学特論
 国際的研究組織構築のための戦略・手法・実例など幅広い知識を教授すること、研究立案から仮説、証明に至る解決の道筋を見つけるデザイン力を養うことを目的とする。有名科学誌に掲載された医学論文を教材とした講義、基礎・先進研究技術、分子標的探索のための国際共同研究、最先端医学研究の現状と課題、女性の社会進出を含んだリーダーシップやチームワークの発揮の仕方、研究組織の構築と課題、プロジェクト・マネジメント能力の開発、生命倫理、研究倫理と公正研究に関する講義などを予定する。
→シラバス
科学コミュニケーション
研究をデザインするための基本的スキルである文献検索に関して利用可能な情報リソースの把握と活用法について教示する。
→シラバス
応用統計学I, II
医学・医療研究における研究立案・実験データ解析の過程に必要な統計学の基礎から応用までを教授する。講義にもとづきSPSS、Stata、programs Rなどの医療統計ソフトを使用し課題を学修する。
→シラバス
研究方法論入門
大学の組織、構成、特徴と課程の詳細につき教授するとともに大学院での学修を自ら独立して取り組む姿勢を教育する。プログラムには学生同士の共同作業を含む。
→シラバス
研究倫理
医学・医療に関する研究倫理を学ぶ。
→シラバス
口頭伝達
自らの研究経過あるいは関連した他研究者の論文を指導教員に向けてプレゼンテーションすることを通じて口頭発表技術を修得する。
→シラバス
選択講義
複数の講義のうち一つを選択して受講する。ただし実験動物を扱う予定の学生は「Laboratory animal science for researchers」の選択が必須である。
→シラバス
ポートフォリオ(Generic Knowledge and Skills)
学生 自らが学修状況を把握し目的達成のために必要な事項について自己評価を通じて把握する。
→シラバス

演習・実習科目

 「セミナー」においては自らの仮説に基づいた研究立案から、実験・証明に至る過程で直面する問題に対して、主・副指導教員と議論し解決の道筋を見つける力を養う。学生は必要に応じてテレビカンファレンスシステムを通して双方の大学の研究者の異なる背景・立場からの意見を聞き、議論を通して解決への道を探る対応力を養う。「実験研究」においては従来の実験手法から最新の実験手法に至るまで手技的・技術的指導を受けながら自らの研究目的に則した実験を行う。

 以下の科目はルンド大学の必修科目(General Study Plans, 2024-01-01, 6.2 Courses参照)に相当します。「応用統計学」は名古屋大学での開講を前提としていますが、ルンド大学での受講についても考慮します。
 また名古屋大学における1単位は45時間の学修に相当し、ルンド大学における1 単位(ECTS)は25〜30時間に相当することから、1単位=1.5ECTSとして換算してあります。
本専攻における科目名称 単位 ルンド大学の必修科目(2024-01-01以降入学者) 単位(ECTS)
研究方法論入門 2 Introduction to Research Methodology 3
研究倫理 2 Research Ethics 3
科学コミュニケーション 1 Theory and practice of scientific communication 1.5
口頭伝達 1 Oral Communication 1.5
応用統計学I, II 1 Applied Statistics Ⅰ 1.5
2 Applied Statistics Ⅱ 3
選択講義 1 Elective course 1.5
ポートフォリオ 8 Generic Knowledge and Skills (Portfolio) 12

修了要件

  • 4年以上在籍すること。
  • 12ヶ月以上ルンド大学で研究を行うこと。
  • 48単位以上を修得すること。※2024-01-01以降入学者の場合。以後変更の可能性あり。
  • Half-time reviewを完了していること。※ルンドの必修科目修了後に行われる中間評価でルンド留学中に行われる。指導教員と外部評価委員が学修状況を客観的に評価する。
  • 学位論文(Thesis)を作成し審査及び最終試験に合格すること。論文は3本以上、うち査読のある国際誌に掲載が決定した単独主著者の論文1本以上と、必ずしも掲載が決定していなくてもよいが重要な立場を占める(基準は主著者あるいは第二著者)論文2本以上を必要とする。以上の論文の研究課題は互いに関連したものでなくてはならない。In order for the doctoral student to demonstrate sufficient competence, the doctoral student is generally required to have been involved in writing at least three papers, of which one must be published or accepted. The PhD student must be the sole first author on the published paper, as well as having a prominent position on the other papers (the benchmark is first or second author).(2024年1月1日以降入学者)

    ※ルンド大学の修了要件は入学時期ごとに異なります。上記は2024年1月1日以降入学者のものです。(General Study Plans)を参照のこと。

学位審査

 学位審査は合同で主とする大学において行われます。連携大学側の学位審査委員、外部審査員と副指導教員はウェブ会議システムを使用して合同学位審査に参加します。
 学位論文の審査は、査読のある国際誌への論文の掲載が確定した後に、論文の科学的価値、独自性、論理性を評価します。さらに養成する人材像を踏まえて、多様な学問的素養、倫理性、科学的論理性、研究デザイン力とアレンジ力、及び国際研究推進力の項目について研究指導報告書と主・副指導教員の指導実績から評価します。

授与学位

博士(医学)
Doctor of Philosophy in Medical Science
(名古屋大学とルンド大学から単一の共同学位として)

ルンドとルンド大学について

ルンド大学概要

 ルンド大学は世界のトップ100大学にランクインしています。我々は、知識や革新が社会に貢献するよう、複雑な社会問題や世界的な大きな課題の仕事に取り組んでいます。大学では工学、科学、法学、社会科学、経済経営学、医学、人文学、神学、美術、音楽、演劇における教育と研究を受ける環境が整っています。
 41,000人の学生と7,500人もの職員が、ルンド・マルメ・ヘルシンボリの3つのキャンパスに属しています。本校の売上高は約75億SEK(約80億EUR)でその内2/3は研究、1/3は教育から成っています。
 ルンド大学はグローバル採用を展開する国際的な大学です。我々は70カ国に600もの協定校を持っており、強力な国際ネットワークを持つLERU(欧州研究大学連盟)やUniversitas 21.の一員となるスウェーデンの唯一の大学です。
 医学の分野では神経変性疾患を中心とした神経科学、医薬品・医療系企業との産学連携、医療社会保険制度やICTを活用した保健医療分野における研究に秀でています。
 また現在ルンド大学では、世界トップクラスのシンクロトロン放射線実験室であるMAX IV実験室、世界で最も強力なニュートロン源の研究ホームとなる欧州施設の2つの主要研究施設が建築中です。これらの研究施設は素材や生命科学、産業の開発において決定的に重要な施設となるでしょう。また、メディコンヴィレッジの設立に伴い、生命科学にユニークな環境をもたらし、研究、革命、企業を統合することにより健康と生活の質(QOL)の向上を作り出すでしょう。

ルンドHPより引用(2017年2月)
http://www.lunduniversity.lu.se/about/about-lund-university

ルンドの街

ルンドは国内で最も健康で若い人口をもつ安全な都市であり、スウェーデンで住みたい場所第一位に輝きました。
  • ・Washington Post article: "Viking roots, off the beaten track"
  • ・New York Times article: "A college town with a bit of Viking Mayhem"
  • ・WATCH: BBC News "The City Where Bicycles Dominate"
 ルンドはスウェーデンの990年までの最古の都市のひとつとして、1000年の歴史と現代の知識やアイデアが入り混じった対照的な都市です。ルンドでは、大都市ならではのサービス、ショッピング、レストランや文化イベントと並び、歴史ある石畳でできた街の魅力を見つけることができるでしょう。
 ルンド大学はルンド市内に強い影響力を持っており、いくつかの大学施設は市内の中心地にあります。世界各国からの企業、学生、研究者の融合によりルンドは“強力な研究ベースの世界的な産業都市”というユニークな特徴が生まれました。ルンドを含むマルメ地方は世界で4番目に独創的な地域です。スウェーデンで初、且つ最も成功したサイエンスパークIdeonはルンドにあり、スウェーデンで最大の研究企業のMAX IV研究所とEuropean Spallation Source(ESS)もまたここにあります。
 ルンド市の人口の大部分をルンドの学生が占めている事から、この学生層が若々しくゆったりとした街の雰囲気づくりに貢献しています。また、街の生活リズムや都市計画、ナイトライフ、博物館、数々の文化やレジャー活動まで、ルンドにおける生活のあらゆる側面に影響を与えています。古い伝統、歴史、学生の賑やかな生活が合わさり、生き生きと生活し勉強するのに絶好の場所にしてくれます!
 1145年に建てられたルンド大聖堂はスコーネ地方において最も人気の観光地の一つで、市の中心部に位置しています。市内を回るのはとても簡単で、ほとんどの人は毎日自転車で移動します。また、ルンド市内とその周辺を行き来するバスや電車などの公共機関も整っています。ルンド駅は、ルンドとマルメ、スコーネ地方の他の都市、そしてその他スウェーデンの都市、コペンハーゲンの国際空港とを結ぶ拠点となっています。

近隣の街・コペンハーゲン
 コペンハーゲンはルンドから1時間以内、マルメからは35分の場所に位置しています。コペンハーゲンはデンマークの首都であり、スカンジナビア半島で最大の都市です。コペンハーゲン空港は世界各地との航空便を結ぶ主要な国際空港です。ルンドやマルメからコペンハーゲン空港への電車は頻繁に運行しています。コペンハーゲン空港からルンドへの旅は約35分です。

下記のルンド大学のページより引用(2017年2月)
http://www.lunduniversity.lu.se/about/visit-lund-university/city-of-lund

ルンドの街について
http://www.visitlund.se/en

研究室・教授リスト ルンド大学医学部研究室

http://www.med.lu.se/english/expmed/research/

ルンド大学研究プロジェクト

http://portal.research.lu.se/portal/en/
ページトップへ