Symposium / Experience

名古屋からアデレードへ②

伊藤文哉(名古屋大学大学院医学系研究科 生体反応病理学・分子病理診断学 博士課程2年)

滞在先 : アデレード大学 Discipline of Anatomy and Pathology, Extracellular Matrix Research Group
期間 : 2016年10月10日〜10月22日




 

 南オーストラリア州のアデレード大学に2週間ほど短期留学する機会を与えていただきました。「体験記」ということで、この2週間における活動を振り返り、印象に残ったことを中心に述べていきたいと思います。

短期留学のきっかけ
 大学院にて研究に従事している学生にとって2週間、準備等を含めて3週間ほどを時間を作ることは人によっては困難であるかもしれません。私の場合、ちょうど初めての論文が受理されて、しばらくたっておりました。この時期、動物実験を行っていなかったため時間を作りやすい中で、腫瘍病理学の榎本先生からお話を頂きました。その後に再考しましたが、留学を視野に入れる今後を考えると、海外での活動経験は貴重になると思い、参加することにしました。
 
建築物の違い
 初日にアデレード大学の構内を本プログラムのコーディネーターの一人であるAdrian Di Paoloに案内してもらいましたが、日本の大学とは異なる建築デザインに驚きました。研究施設のデザインも「凝っている」と初日から文化の違い?を感じたことを覚えています。(写真は研究機関の集まったSAHMRI; South Australian Health & Medical Research Institute)
 
研究室での活動
 研究室は選択できるといわれ、以前から興味のあった細胞外マトリックスについて研究している教室を選びました。Prof. Mark GibsonやポスドクのYike Youに細胞外マトリックスについて教えていただき、他の研究室のCarmela Ricciardelliには私の行っている研究との関連について深く議論し、様々な助言を頂きました。実験施設で最も印象的であったことは大部屋方式のオープンラボを見学できたことです。分野の異なる研究者との自由な議論を想起させる作りになっており、今後このような施設形態が日本でも増えていくのは良いことだと思いました。
 
FAN conference
 3大学合同で行われるconferenceでは本プグラムの参加学生が1枚のスライドで自分の研究を3分間で紹介するセッションがありました。英語での口頭発表はこれが初めてでしたが、詰まることなく発表自体は終えることができました。しかし、3人に質問され、うち2人は回答できましたが、残りのFreiburg大学のProf. Peter Kohlの質問にて問題が発生しました。質問は理解できましたが、私の英語力の乏しさか彼を納得させる説明ができませんでした。他の発表者は発表中に笑いを取っていましたが、私はPeter教授とのやりとりにて笑いを取るという結果に至ってしまいました。質問については後の食事会にてようやく納得してもらえましたが、表現力の重要さを痛感する非常に良い経験となりました。
 
短期留学を経て
 振り返ってみますと、2週間という非常に短いながらも濃密な時間を過ごしていたと思います。Freiburg大学からの学生との交流(写真)も大きな収穫の一つでした。今回と比較し長期留学という選択肢をとる可能性もある身で、このプログラムから得られた経験は、今後学んでいくべき課題が浮き彫りになったように思います。
 また、本プログラムは多くの方の助力があってのものだということを留学先で実感しました。国際連携室、受け入れ先研究室、アデレード大学関係の皆様の支援には心から感謝しております。有難うございました。
 
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