Symposium / Experience

名古屋からアデレードへ①

神田容(名古屋大学医学部医学科4年)

滞在先: University of Adelaide Centre of Research Excellence in Translating Nutritional Science to Good Health
期間: 2016年2月24日〜3月18日





 アデレード時計台
グルネルグビーチ
 

 2016年2月末から約1ヶ月間、南オーストラリア州のアデレード大学の研究室にサマースチューデントとして滞在しました。はじまりは、2015年の11月に遡ります。春期休暇を自分の将来に役立つことに使いたいと考えていました。最初は「英語の勉強しよう」ということで海外留学などを調べました。しかし、「できたら語学研修ではなく、実際に海外の研究を体験してみたい」と思うようになりました。3年次の基礎医学セミナーでお世話になった生体反応病理学の豊國伸哉先生に相談に伺ったところ、名古屋大学の協定校のアデレード大学なら受け入れが可能かもしれないとのことでした。大変有り難いことに、Ossama先生に早速連絡をとっていただき、トントン拍子に話が進み、今回のアデレード滞在が実現しました。
 アデレード大学のChristine Feinle-Bisset教授の研究室を滞在先に選びました。その理由は、栄養学研究がどのように行われているかを是非見てみたいと思ったからです。1ヶ月の滞在プログラムとして、様々な研究にオブザーバーとして参加し、たくさんの研究者の方々のお話を伺う計画を組んでいただきました。ほとんどの研究は健常または2型糖尿病のボランティアに対して医学的な措置(経鼻的な食前プロテイン投与など)を行い、問診や採血を通して空腹感の変化やホルモン動態の観察を行うというものでした。ひとつの研究が論文になるには半年から数年かかるため具体的な結果を知ることができないことは残念でしたが、栄養学研究でよく使われる研究手法を実際に見ることができて勉強になりました。
 以前は「留学で成長した」という体験記を読んでも本当かな?と思っていました。しかし、実際に留学を終えてみると、本当に自分は成長したと実感しています。周囲の人からみれば1ヶ月間オーストラリアに滞在したにすぎないでしょう。でも、私にとっては自分を変える非常に貴重な体験でした。アデレードには日本人がほとんどおらず、英語を話すしかありません。そのような環境で1ヶ月過ごしたことは私の大きな自信につながりました。
 アデレード大学の周りには博物館、美術館、動物園、植物園などが集まっていて、郊外にはショッピングモールやビーチなどが充実しており、魅力がいっぱいです。街には自然が溢れ、建物は美しく、人々は社交的でとても素敵なところでした。
 短い期間でしたが、今回の留学を通して自分の将来をよりクリアに思い描くことができるようになりました。お忙しい中、留学を強く後押ししてくださった豊國先生、留学に関するアドバイスをくださった粕谷先生とOssama先生、未熟者の私を快く引き受けていただいたChristine先生、滞在中のプログラムを組み、毎日気を配ってくださったPenelope先生、滞在に関するアドバイスやキャンパスの案内をしてくださったChristiane先生、そして、現地でお世話になったすべての方々に深く感謝致します。

 
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