名大病院の活動について

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機械学習を活用した新しい尿試験紙による複雑病態のスクリーニングに関する共同研究を開始

要旨

国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学 未来社会創造機構 予防早期医療創成センター 大山慎太郎 准教授(医学部附属病院 メディカルITセンター(センター長 白鳥義宗)兼務)および医学部附属病院(愛知県名古屋市、以下:名古屋大学医学部附属病院)小児外科 内田広夫 教授は、この度、株式会社ユーリア(本社:愛知県名古屋市 代表取締役:水野将吾、以下:ユーリア)と「革新的尿試験紙を活用した機械学習による複雑病態のスクリーニング手法の研究」に関する共同研究を開始しました。

 

ポイント

〇主訴や症状が乏しい疾患の複雑病態をより早く発見することを目的として、ユーリアの既存のデータを用いた新たな解析や臨床研究試験実施計画の作成を共同で実施します。

〇名古屋大学医学部附属病院にて臨床研究試験実施計画の承認を受け、ユーリアの尿試験紙を用いて実際の患者さんのスクリーニングを行います。また、検診にて確認された病態を応答とする機械学習によって、試験紙検査を用いた複雑病態のスクリーニングを可能とする技術の開発を共同で実施します。

 

研究開始の背景

少子高齢化が進む中、セルフメディケーションの一環として自己健康チェックの手法が年々望まれています。いくつかの小児疾患や内科疾患は主訴や症状が乏しいことから発見が遅れがちなことが問題視されています。今回の共同研究ではユーリアの有する尿試験紙検査技術と名古屋大学の有する疾患データ抽出・医学機械学習・解析技術を用いて新たな複雑病態・疾患の機械学習によるスクリーニング手法及び技術を開発することを目的としています。

 

研究の概要

本研究では、ユーリアが有する既存データを用いた新たな解析や臨床研究試験実施計画の作成を実施します。また、名古屋大学医学部附属病院にて臨床研究試験実施計画の承認を受け、ユーリアの尿試験紙を用いて実際の患者さんのスクリーニングを行います。さらには、健診にて確認された病態を応答とする機械学習を行います。これらによって試験紙検査を用いた複雑病態のスクリーニングを可能とする技術の開発を共同で実施します。

 

今後の展開

本研究で得られた成果をもとに、これまで簡易に検査・発見が困難であった複雑病態・疾患のスクリーニングに利用できるPoCT尿検査※1を実現し、人々のWell-Being2維持・向上への貢献を目指します。

 

用語説明

※1 PoCT(Point of care testing):簡易迅速検査

※2 Well-Being:肉体的・精神的・社会的に健全な状態であること