病院概要

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病院長あいさつ

名古屋大学医学部附属病院のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。院長写真5.jpg

 

名古屋大学医学部附属病院(名大病院)の歴史は、1852年に設置された尾張藩種痘所を起源とし、明治維新後の1871年に仮病院・仮学校が設立されたのに端を発します。その後、1881年に愛知医学校と改称され、これが名古屋大学の前身となりました。

名大病院は、その基本理念を「診療・教育・研究を通じて社会に貢献すること」と定め、基本方針として、①安全かつ高度な医療の提供、②優れた医療人の養成、③次代を担う新しい医療の開拓、④地域と社会への貢献、の4点を掲げて日々活動を続けています。当院のこうした活動に多大なご支援とご協力をいただいている皆さまに、心より感謝申し上げます。

診療面では、地域社会からの厚い信頼に応え、特に複雑な病態を持つ重症患者の「最後の砦」としての役割を果たしています。当院はがん診療に力を入れてきました。がんゲノム医療中核拠点病院としてがん遺伝子パネル検査を行い、患者さんの遺伝情報をもとに個別化医療を推進しています。希少がんセンターを設置し、患者さんからの問い合わせ窓口として希少がんホットラインを開設するなど、症例数が少なく多くの課題が残されている希少がんの診療をおこなっています。また小児がん拠点病院に選定されたことから、小児がん治療センターを設立し、治療困難な難治性小児がんの治療を行っています。移植医療も当院が掲げる重要な高度医療のひとつです。造血幹細胞移植、腎臓移植、肝臓移植、心臓移植に加え、肺移植の準備も進めています。その他、高度な先天性心疾患医療の実現を目指した小児循環器センターの活動や内科と外科が緊密に協力しながら高度な医療を提供する炎症性腸疾患治療センター(IBDセンター)の活動も進めています。

2018年度には、国立大学初となる国際医療施設評価認証機関であるJCIの認証を取得しました。JCI基準に従い、病院機能改善本部を設置し、多職種協働のチームによる絶え間ない品質向上を通して、安全かつ高水準の医療を展開しています。不測の事態が発生した際には、「逃げない、隠さない、ごまかさない」という患者中心のポリシーを明確にしており、全国に先駆けて専門部門を設置しています。これらはJCI基準にも合致する取り組みとして高く評価されています。

当院は教育機関として優れた医療人の養成にも貢献しています。医学部生の診療参加が強く推奨されていることに伴い、指導医の監督の下で医学部生が患者さんの診療にあたることが今後ますます多くなります。皆様には、引き続き医学教育にご理解・ご協力をいただければ幸いです。

名古屋大学は研究大学です。名大病院においても研究の推進は最重要課題のひとつです。現在、当院は「臨床研究中核病院」「橋渡し研究支援機関」「がんゲノム医療中核拠点病院」に指定されており、先進的な診療はもとより、次世代を担う新規医療の開拓も期待されています。世界的に医療情報分野の研究が急速に進展している中、当院でも診療データを用いた臨床研究の推進を図っています。さらに、このような研究の推進を支える先端医療・臨床研究支援センターの機能強化も進めています。

当院は、長いコロナ禍を乗り越え新たなスタートを切ります。職員一丸となり、あらためて「診療・教育・研究を通じて社会に貢献する」という当院の理念の実現に全力を尽くして参ります。引き続き、皆様方のご支援をいただけると幸甚です。何卒よろしくお願い申し上げます。


  名古屋大学医学部附属病院長 丸山 彰一