病院概要

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病院長あいさつ

名古屋大学医学部附属病院のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。

 名古屋大学医学部附属病院は、2019(令和元)年に国立大学病院では初めて国際医療施設評価認証機関(JCI)(※1)の認証を取得し、再受審となる2022年3月、更新を果たしました。世界水準の医療の質と患者安全の継続について非常に高い評価を得ることができ、全職員の努力の賜物と考えています。今後もPlan(計画)、Do(実行)、 Check(評価)、Action(改善)のサイクルを回し、医療の質と患者安全の向上に努力していきます。
 2024年からは医師の働き方改革が始まります。長時間労働が常態化している医師の労働環境を改善することは医師自身の健康を守るだけではなく、医療の質と患者安全を保つ点で地域の皆さんにとっても重要な問題です。医療崩壊を防ぎ、日本の医療を未来へ持続させるためにも当院でも改革を進めます。しかし、医師の過重な労働を前提とした医療を変えるには、様々な点で患者さんのご理解とご協力が必要です。

 診療面では当院ならではの高度で先進的な医療提供に力を入れています。一つはがんゲノム医療中核拠点病院(※ 2)としての活動で、多くの患者さんにがん遺伝子パネル検査をご利用いただいています。検査結果から臓器別ではなくひとつひとつのがんに適した治療薬につなげることができる可能性があり、特に治療薬の開発が困難な希少がんの患者さんにとって一つの希望となっています。ゲノム医療は個々の患者さんの遺伝情報をもとにその患者さんの治療に適した薬剤の検討を可能とするもので、今後はがんだけではなく難病へと適応を広げたいと考えています。さらに、診療に資する情報が少ない希少がんの患者さんに診療科を越えて対応するため、希少がんセンターを設立し、電話相談窓口を設け、地域の患者さんや医師からの相談に応じて情報を提供するほか、適切な診療科や専門医を紹介しています。また、内科と外科が緊密に協力しながら高度な技術を要する内視鏡診断をもとに最新の薬物療法を駆使し、必要な場合には適切な手術療法をからだに優しい腹腔鏡下手術で提供する炎症性腸疾患治療センター(IBDセンター)の活動もさらに充実してまいりました。
 これらの取り組みの一方で、自治体の要請に応えて、ここまで国立大学病院としては最大級の規模で新型コロナウイルスによる重症患者さんの治療にあたってきました。しかしその一方で、感染拡大下でも可能な限り日常診療の継続に務めてまいりました。今後も感染状況を注視しながら本来われわれに求められている診療に従事してまいります。

 臨床での高度な診療を支えるのが、充実した研究活動です。当院は臨床研究中核病院(※3)並びに橋渡し研究支援機関(※4)に指定され、日本の革新的な医療開発を先導する立場にあります。基礎研究の成果をシームレスに臨床応用、実用化に結びつける研究体制が整い、研究者が高いモチベーションをもって研究活動を進める中で、期待の持てる研究シーズも着実に生まれています。先進的な研究成果は治療の一つの選択肢となり得るものです。一例を挙げるなら日本でもトップクラスの診療実績を誇る小児がん治療センターでは、画期的なCAR-T細胞療法の臨床研究が進んでいます。
 また、国立大学法人東海国立大学機構(※5)の設立を機に、電子カルテ情報の統合をはじめとする連携が当院と岐阜大学医学部附属病院との間で進められています。その一環として東海国立大学機構直轄事業「健康医療ライフデザイン統合研究教育拠点(C-REX)」(※6)を推進するとともに、当院の在宅医療介護連携システム「IIJ電子@連絡帳」(※7)を活用し、愛知県・岐阜県の高齢者等の情報から疾患のリスク因子や地域性を解明するなど、予防医療の研究を推進します。地域の皆さんの期待に応えるべく、さらに研究活動を加速させていきます。