名古屋大学医学部附属病院(石黒直樹病院長)は、厚生労働省内のがんゲノム医療に関する有識者で構成される「がんゲノム医療中核拠点病院等の指定に関する検討会」においての検討を経て、平成30年2月16日付けで厚生労働大臣よりがんゲノム医療中核拠点病院に指定(以下「中核拠点病院」という)されました(指定期間は平成30年4月1日から平成32年3月31日)。
がんの原因となる遺伝子の変異を検査・特定し、遺伝子変異が特定された場合は遺伝子変異に対応する治療薬を選ぶ「がんゲノム医療」を全国どこにいても、受けられる体制を構築するため、がんゲノム医療を実施する中心的な役割を果たす、中核拠点病院に本院が指定されたこととなります。
中核拠点病院の指定の公募には多数の医療機関からの申請があり、遺伝性のがん患者に専門的な説明ができる医師やカウンセラーの配置、遺伝子検査や遺伝子情報の管理、「がんゲノム医療」に関する臨床研究や新薬開発への取り組み体制、また人材育成を担当する機能等を評価対象に検討会において評価され、本院を含む11医療機関が中核拠点病院として指定されました。
本院の特色として、
・県内トップクラスのがん診療の実績
・中央診療施設にゲノム医療センターを設置することにより診療科横断的・臓器横断的な「がんゲノム医療」の提供体制の整備
・パネル検査データ管理部門を設置し、がんゲノム遺伝子情報管理の一元化の徹底
等が挙げられます。
今後は、本院を中核拠点病院とし東海・北陸地区のがん診療連携拠点病院または小児がん拠点病院を対象に連携医療機関を募集し、連携医療機関を厚生労働省に提出する予定です。連携医療機関が指定されれば、連携医療機関と伴に東海・北陸地区がんゲノム医療ネットワークを形成し、当該地区のがんゲノム医療を必要とする患者さんへ安全で質の高いがんゲノム医療を提供できる体制を構築していきたいと考えています。
【参考:がんゲノム医療中核拠点病院に指定された医療機関(平成30年2月16日現在)】
・北海道大学病院(北海道)・東北大学病院(宮城県)・国立がん研究センター東病院(千葉県)・慶応義塾大学病院(東京都)・東京大学医学部附属病院(東京都)・国立がん研究センター中央病院(東京都)・名古屋大学医学部附属病院(愛知県)・京都大学医学部附属病院(京都府)・大阪大学医学部附属病院(大阪府)・岡山大学病院(岡山県)・九州大学病院(福岡県)