名大病院の活動について

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先進医療「切除不能肝門部胆管癌への生体肝移植」を実施しました

 2024年9月に、名古屋大学医学部附属病院の 消化器・腫瘍外科(肝胆膵) 江畑智希教授のチームと移植外科 小倉靖弘病院教授の肝移植チームにおいて、国内10施設で先進医療として取り組んでいる「切除不能肝門部胆管癌への生体肝移植」を実施し、患者さんの術後経過も良好であったことから、術後1ヶ月半ほどで退院となりました。

 肝門部胆管癌は外科切除が最も望ましい治療方法ですが、病気の進展など様々な要因で外科切除不能となる場合があります。欧米では厳しい選択基準を設け、肝移植手技を用いて癌病変の全摘出を行い、5年無再発生存率 65%と良好な成績をあげております。今回の先進医療から国内でも同等又は同等以上の治療成績が得られることが証明できれば、将来的に保険適応となり一般的な治療と位置づけられる可能性があります。

 移植医療は専門的な知識や技術が必要であることは言うまでもありませんが、病院全体の総合力が問われる医療です。今回の「切除不能肝門部胆管癌への生体肝移植」にあたっては、胆道癌治療で世界のリーダーである消化器・腫瘍外科(肝胆膵)チームと国内で肝移植の中心的役割を担う移植外科チームが協力して、手術だけでなく術前・術後の治療にあたって参りました。

 本院では、引き続き最後の砦となる移植治療をはじめ、重症の疾患をもつ患者さんへの治療に努めて参ります。