名大病院の活動について

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小寺病院長退任ご挨拶 ー最先端の診療・研究を続け、 地域の未来を支えていく。(「名大病院かわらばん」132号)

20243月をもって小寺泰弘病院長が、病院長を退任します。
退任のご挨拶として、これまでの取り組みや今後の名大病院への期待をテーマに、お話を伺いました。

コロナ対応と日常診療に全力で向き合って

この度、病院長を退任することになりました。2019年の就任以来、患者さんや地域の方々など多くの皆さまから温かなご支援をいただき、心より感謝し、厚く御礼申し上げます。

就任以後の5年間は激動、苦闘の日々を過ごしてまいりました。財政的に厳しい状況下で就任し、病院経営の改善に努めていたところに襲いかかってきたのが、新型コロナウイルス感染症の猛威です。当院は主に重症患者さんを受け入れるため、コロナ専用の集中治療室と病棟を設けると同時に、救急科を中心に全診療科からスタッフが集結し全力でコロナ治療に取り組んできました。

他方、高難度のがん手術や薬物療法など当院でしか行えない日常診療にも、可能な限り対応してきました。今も感染は続いていますが、当時のひっ迫した状況を優秀なスタッフの献身的な努力により乗り越えられたことを誇らしく思っています。

高度な診療、研究活動を支える基盤を整備

この間、診療面では全国に先駆けて希少がんセンターを開設し、診療科を越えた患者さんへの対応、地域の医療機関への情報提供に力を入れてきました。また、高度な医療提供を支えるために医療機器総合管理部を設立し、必要な機器の購入・メンテナンスを行う制度を整え、最先端の機器を使った診察・治療を推進しています。

医療安全に対しても積極的に取り組み、今ではどんな些細な事象も報告する文化が醸成されています。そのため一見、医療事故の報告件数が多いのですが、それは安全のためにあらゆる情報を報告・共有しているからです。今後も患者安全を第一とする診療を追求していきます。

研究面では、臨床研究中核病院として全診療科の研究活動を支援する部門を設け、日本発の医薬品や治療法の開発に取り組んできました。小児科のCAR-T細胞療法、新たな分子標的治療薬など複数の研究シーズが注目されており、これからの発展におおいに期待しています。

これからも地域の患者さんを支える砦として

最後に、一人の医師として名大病院にお願いしたいのは、今後も引き続き地域医療を支える最後の砦として活動いただきたいということです。実は愛知県は人口比で見ると医師が少なく、岐阜や三重、静岡など中部地域全体では全国平均を下回る医師少数地域です。今後は中部地域全体で連携して医療を支える必要も出てくるでしょう。現在も地域医療において名大病院は大きな役割を担っていますが、次代においても中心となって、地域の患者さんを支えてほしいと心から願っています。

患者さん、地域の皆さまには当院の活動に引き続きご理解・ご支援をいただければ幸いです。末筆ではございますが皆さまのご多幸をお祈りし、退任のご挨拶とさせていただきます。

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「名大病院かわらばん」132号 PDFファイル・目次

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<目次>

・小寺病院長退任ご挨拶 
 最先端の診療・研究を続け、地域の未来を支えていく。

・退職のご挨拶

・名大病院臨床研修医のご紹介

・健康講座「加齢黄斑変性との付き合い方」

・令和5年度鶴舞公開講座を開催

・ナディック通信

・特定基金 医学部附属病院支援事業へのご協力のお願い

・かわらばんHP のご案内

「名大病院かわらばん」について     

当院では、病院の活動を広く院内外にお知らせするために『名大病院かわらばん』を発行しており、以下のURLからご覧いただけます。

https://www.med.nagoya-u.ac.jp/hospital/outline/publish/

※『名大病院かわらばん』は、当院における積極的な取組事項等を中心に掲載した季刊誌です。
※上記ホームページには、第58号(2006年1月発行)分から掲載しております。