名大病院の活動について

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患者さんの治療を支える栄養管理を多職種によるチームでサポートします。(「名大病院かわらばん」128号)

名大病院では入院患者さんの栄養管理に取り組む、栄養サポートチーム(NST)が活動しています。その活動内容や多職種からなるメンバーの役割などについて、チームの皆さんに伺いました。

治療効果を高めるには栄養管理が重要

治療効果の向上や合併症予防の観点から、年々、栄養管理の重要性が増しています。当院では2009年から、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士を中心とする栄養サポートチーム(NST)が活動を始めました。栄養管理の重要性を啓発しようと定期的に院内学習会を開催し、現在は学習動画も公開しています。

NSTは入院患者さんに最適な栄養療法を提供するため、週2回主治医から依頼を受けた患者さんを訪室し、①栄養状態を評価、②今後の方針を検討、③その方針を主治医に提案しています。

また、2カ月に1回開催される合同カンファレンスには、各診療科の医師や言語聴覚士、臨床検査技師、歯科衛生士、事務職員もメンバーとして参加し、必要時に協力が取れる体制を整えています。

多職種が連携して、患者さんの栄養摂取をサポート

NSTでは各メンバーが専門性を発揮し、連携して患者さんをサポートしています。管理栄養士は、栄養量の設定や栄養摂取状況の評価、食事や経管栄養の内容などを提案。看護師は、病棟の管理栄養士や薬剤師と連携し患者さんの栄養状態を把握した上で、栄養摂取の方法やタイミングなどを検討します。また、薬剤師は、服薬状況を把握し、食欲不振等の原因となる薬があれば、投薬の中止・減量、食欲改善薬・栄養輸液の組成等の薬に関わることを提案します。そして、医師は病態を把握し今後の見通しのもと、主治医と相談し、各メンバーの意見を集約した最終的な栄養管理計画を決定します。

さらに、当院ではリンクナース(専門チームと病棟看護師をつなぐ役割の看護師)がNSTの回診に同行し、そこで得た知見を各病棟へフィードバックするほか、低栄養などでお困りの患者さんをNSTへ紹介しています。

入院中も退院後も継続して食べられるように

栄養状態が改善しない、下痢や便秘などの消化器症状で困っているなど、NSTではさまざまなお困り事を抱える患者さんの栄養管理を行っています。食べにくい、飲み込みにくいといった嚥下の問題についても専門家が対応しています。入院患者さんの栄養状態を一早く把握し、介入が必要な患者さんをもれなくサポートすることが、NSTの目標です。そのため、これまで以上に各診療科との連携を図っていくと同時に、退院後もご自宅や次の施設でスムーズに食べ続けることができるように、さまざまな情報を提供し、より良い療養生活を支援する体制を整えたいと考えています。

もし、入院患者さんでNSTに栄養状態を診てもらいたいとご希望の方は、ぜひ主治医や看護師などお近くの医療スタッフにご相談ください。

取材写真1(バナー画像にも使用).jpg

取材写真2.jpg

▲ 取材に出席した栄養サポートチームのみなさん(医師、看護師、管理栄養士、薬剤師)

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「名大病院かわらばん」128号 PDFファイル・目次

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<目次>

・患者さんの治療を支える栄養管理を多職種によるチームでサポートします。

・新任のご挨拶

・名大病院 臨床研修医のご紹介

・診療科レポート「呼吸器外科」

・令和4年度鶴舞公開講座を開催

・ナディック通信

・特定基金 医学部附属病院支援事業へのご協力のお願い

・禁煙のお願い

・ かわらばんHP のご案内

「名大病院かわらばん」について     

当院では、病院の活動を広く院内外にお知らせするために『名大病院かわらばん』を発行しており、以下のURLからご覧いただけます。

https://www.med.nagoya-u.ac.jp/hospital/outline/publish/

※『名大病院かわらばん』は、当院における積極的な取組事項等を中心に掲載した季刊誌です。
※上記ホームページには、第58号(2006年1月発行)分から掲載しております。