精神病理グループ輪読会

開催
業務終了後 不定期
主催
小笠原一能
対象
専攻医・心理レジデント及び若手医師・心理士など

精神医学においては,自然科学的な研究方法論が大きく発展してきています.それらの最新の論文にキャッチアップしていくだけでも一苦労の面はありますが,主に20世紀に書かれた様々な書物,古典的伝統的精神医学書の知見の中にも,特に臨床場面での応用や,治療者としてのスタンスを考えていく上で,忘れ去るには惜しいものがたくさん存在します.若手にとってひとりで読むにはハードルの高いこれらの文献を,学内外の先輩たちと共に楽しく輪読していくのが会の趣旨です.ここ数年の実績を示します.

  • 『精神病理学原論』K.Jaspers著 西丸四方訳, 1913
  • 『精神医学的面接』H.S.Sulivan著 中井久夫ら訳, 1954
  • 『看護のための精神医学』中井久夫・山口直彦著, 2004
  • 『精神分析入門』S.Freud著,懸田克躬・髙橋義孝訳, 1917
  • 『現代精神医学原論』S.N.Ghaemi著,村井俊哉訳, 2007
  • 『ノンヒューマン環境論』H.F.Searles著,殿村忠彦・笠原嘉訳, 1960
  • 『分裂病のはじまり』K.Conrad著,山口直彦・安克昌・中井久夫訳, 1958
  • 『自明性の喪失』 W. Blankenburg著 木村敏・岡本進・島弘嗣 共訳, 1971
  • 『方法としての面接』土居健郎著,1977
  • 『精神医学の基本問題』内村祐之著,1972
  • 『最終講義』中井久夫著,1998
  • 『改訂版 精神救急ハンドブック 精神科救急病棟の作り方と使い方』計見一雄著、2005年

どの本をどれくらいのペースで読むかも,参加希望者と教員が相談して決めていきます.精神病理グループは毎週金曜午後7時からグループミーティングを行っており,また,グループ内には原書に直接あたる小グループもいくつか存在します.これらはレジデントにも自由に参加していただけますが,この輪読会がその出発点ともなれば幸いです.