面接技法セミナー —臨床精神医学における面接技術の習得—

精神科医や公認心理師にとって患者と面接することは,必要不可欠だと思います.通常,内科や外科で行う診察は,臨床情報の収集に重きがおかれます.精神医学における面接は,情報収集に加え,診察室の中で患者と向かい合い,患者の話を傾聴してその苦悩を汲み,結果として治療者と患者の信頼関係が築かれたり,不安や抑うつなど精神症状の軽減が生じたりします.このような臨床精神医学における面接は,一定の技術習得が必要となります.

本セミナーの目的は,若手の精神科医,若手の公認心理師を対象として,精神医学における面接の基礎を学んでいただくことです.当日のテーマにそって,これまでに木村が実際に面接した患者さんの中から具体例を提示し,臨床場面に即してわかりやすく理解してもらうようにします.特に一定の理論に依拠したものではなく,臨床精神医学における面接技術の基本的な土台について具体的に考えていきたいと思います(精神療法の専門用語は基本的に用いません).

みなさんが学んでいく精神医学領域の患者さんとの対話は,症状を聴取して診断だけすればよいというものではありませんし,患者の身の上話を聞いてあげるという人生相談でもありません.患者さんにとって,安全で良質な面接が提供できるように学んでいただければと考えています.

担当:木村宏之(日本精神分析学会認定精神療法医・スーパーバイザー)

日時
月1回 金曜日17時30分から18時30分
場所
精神科医局会議室

これまでのセミナー

  • 治療者の基本姿勢
  • 初めて患者に会う
  • 患者の引き継ぎについて
  • 患者の話を理解する
  • 患者の話に介入する
  • 「薬物療法」の心理的意味
  • 患者からの贈り物
  • 患者の言動に追いつめられるとき
  • 自殺念慮の評価
  • 既遂について考える
  • 面接における沈黙
  • 家族面接
  • 身体疾患患者の面接
  • 面接の終わり
  • うつ病患者の精神療法
  • 統合失調症患者の面接
  • 摂食障害患者の入院治療
  • 摂食障害患者の外来面接
  • パーソナリティ障害患者の対策

尚,Academy of Cognitive Therapy認定治療者・評価者中野有美先生による認知行動療法トレーニング(スーパービジョン)も実施しています.
本セミナーの総論をまとめた書籍が,発売されています.

面接技術の習得法―患者にとって良質な面接とは?

https://www.kongoshuppan.co.jp/book/b514795.html

http://www.amazon.co.jp/面接技術の習得法―患者にとって良質な面接とは-木村-宏之/dp/4772414231